表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンを出禁にされたJK二人組は、母校の旧校舎型ダンジョンを守護するバイトを始めました。  作者: 椎名 富比路
第六章 激突、鬼怨組との決闘!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
56/64

第56話 突入準備

「これが、鬼怨(おにおん)組の屋敷の、見取り図じゃ」


 駄菓子屋のおばさんが、絵画を広げた。

 この絵はミュージアムに展示してあった、大昔に書かれた絵画である。


 隠れていた鬼怨組のアジトは、合宿会場である島の対岸に現れていた。こちらを迎え撃つ姿勢のようである。

 

「かつて鬼を退治した桃太郎が、書き残した地図じゃ」 


 鬼怨組が狙うわけだ。


 おばあさんは絵画のあちこちを指さしながら、冒険者たちに事細かく説明する。


 しかし、あたしたちや勇者連合に対する、具体的なアドバイスはない。


「あたしたちは、どうすればいいのさ?」

 

「お前さんたちには、いらんじゃろ?」


 おばあさんは惜しげもなく、見取り図を床にぶちまけた。国の手で、大切に保管されている絵画なのに。


「この見取り図も、実際どこまで信用していいかわからん。一度襲撃されているからのう。とはいえ、完全改装できるまでの工事はしておらんはずじゃ。ガキどもに、そこまでの技術はないからのう」


 なにより、と、おばあさんは続ける。


「こういうのをすっ飛ばして、正面突破っ! それが一番、奴らには堪える」


 なるほど。綿密に計画を立てている部隊と、遊撃を分けるのね。


 どちらに対処していいか、相手にはわらかなくなる。


「桃太郎も、そうやって鬼に勝ったんじゃ」

 

「やけに、詳しいね?」


「まあのう。色々あったからのう」


 このおばあさんも、若い頃は相当なムチャをしてきたのかもしれない。


「作戦をまとめるぞ」


 トロちゃんが、まとめに入った。


「アタイらドワ女、巳柳(みやなぎ)、勇者連合は、見取り図どおり計画を進める。なお、召喚が使えるピオニたちだけは別行動な」


「ウチたち駄菓子屋班は、空と陸からの襲撃でいいわね?」


 ピオニとティナ、蓮川(はすかわ)先輩、野呂(のろ)先輩は、あたしたち金盞花(きんせんか)学園と同じチームである。通称「駄菓子屋班」だ。


「バッチリだ。つか、お前らだけでも制圧できそうだな」


「イバラが盗んだ鬼の心臓が、気になるのよね。その力がわかるまでは、打ち合わせ通りブチかましましょう」


「賛成だ。デリオン姫は麝香(じゃこう)といっしょにバックアップを頼むぞ」


 トロちゃんから話しかけられ、デリオン姫が「おー」と腕を上げた。



 突入の前に、正装をする。


「相手が要求しているのは、【殲滅】ルールじゃ」


 殲滅ルールとは、一度倒された相手は復活できないというルールを差す。

 つまり、いつものように復帰ができない。

 初期、地上に現れたダンジョンはすべて、殲滅ルールだったという。というか、死んだら復活できないのが当然だったらしい。

 

「そのため、制服に特殊な材質を仕込んだ」


 金盞花チームは、自分たちで制服に素材を融合させた。


「すごいね」


 勇者連合も、夏の制服に着替えている。こちらは、おばあさんが素材を仕込んでくれた。


「おー。制服なんて、久々に来たぜ。ティナ、似合ってるか?」


 普段着の上に、ピオニが制服を着込む。


「ピオニったら。でも、似合ってますよ」


「サンキュな。それにしても、これが銃弾も弾くとか」


 続いて、ピオニに弾丸を渡す。

 

「特殊スチール弾。徹甲弾の二倍の殺傷力があるよ」


「殺傷って。殺せないっしょ」


「うむ。じゃが、ダンジョンから退場させることはできるぞ」


 つまり、復活できないってわけか。


「ただし、相手も同じような装備で来るはずじゃ。心してかかれよ」


「ああ。いざとなったら、コイツを使うから」


 あたしは今日、ドラゴンキラーの能力を全開放するつもりだ。


 そうしなければ、イバラには勝てないだろう。


 駄菓子屋から外に出ると、みんなも準備を終えていた。

 

「揃ったな。駄菓子屋ども。じゃ、作戦開始!」



「……まった!」


 いざ出発となる直前、あたしはある提案をする。


「だってさ、せっかくの夏休みなんだよ。因縁の相手とガチのバトルでシメって、つまんなくない? 怨恨が残るだけじゃん」


 

「……お前さぁ! ほんっっっっっ……とに!」


「だめ?」

 

「面白いな!」

 

 この場全員の現地を取れたので、合宿最終日は、あたしの計画で進めることになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ