第31話 そして、夏休みへ ~掲示板回~
「はいはいはーい! お待ちどう、デリオン姫の掲示板のコーナーなのだ」
「アシスタントの綿毛です! 姫! 巳柳アウェー戦、大活躍でした!」
「我が戦わなくても、勝てたのだ。あれは不意打ちに近いのだ」
「それでも勝ちです! 花を持たせてもらうってのも、一つの手だと思います! ワタシは、見ているだけでしたから」
「ジャケット・ギアを修理したのは綿毛、お前やんっ。我は説明書を読んでも、チンプンカンプンだったのだ」
「バラさないでくださいよ~。ワタシは、裏方でしか貢献できませんからね。さて、気を取り直して、掲示板ですよ。さっそくコメ欄を見ていきましょう。ドワ女戦の分も一気に見ていきましょうか」
「『ドワ女戦:風魔ルール懐かしい』だって。OBかな? 懐かしいっていうからには』
「もう三〇年以上前の、番組ですからねー」
「この掲示板は一応、誰でも見られるからなー」
「コメ欄のほとんどが、風魔ルール関連でしたね。『キャストを一新したリニューアル版の配信がスタートしたので、より風魔ルールが浸透していくのでは?』ともありますね」
「楽しみなのだ~」
「『パニ・キュラータ、フィジカルが強い』とあるのだ。たしかに、強い」
「健康優良児でしたね。いかにもドワーフ、って感じの体幹でした」
「『小学生の時、パルクールの大会で全国優勝』!? どうりで強いわけなのだ」
「大人を混ぜての大会で優勝は、もうすごいですね」
「ウチの大将は、よく勝てたのだ」
「モモさんとのバトルも、見てみたいですよね」
「我らがモモ大将は、戦闘力に極振りだからな。体幹というと、案外弱いのだ」
「意外な弱点でしたよね。『あれだけ動けるなら、アスレチックとか得意そうなのに』ってコメントもあります」
「実はモモ大将を落とすには、風魔ルールが狙い目だったりするのだ」
「『母校のボスの弱点を教えて大丈夫なの?』って、配信にコメントが来ましたが」
「そんなことくらいで敗北するほど、ウチの大将はヤワではないのだ」
「むしろ『弱点は晒してくれ』って、モモさんとはるたんさんから頼まれているんですよね」
「そうなのだ。その上で、アップデートしていくんや! って、二人は張り切ってる」
「最大の弱点は、ふたりともシャイなので、こういった配信に参加しないところなんですけどね!」
「配信は、慣れでどうにかなる問題ではないのだ」
「では、巳柳戦の掲示板も、さらっていきましょう」
「『三姉妹バチバチ過ぎる』。これは、たしかに思ったのだ。重苦しい空気が常に漂っていて、この場にいたくないーって、何度も思ったのだ」
「ワタシなんて、すぐに綿毛になって姫の側に隠れましたもん」
「ほんとに、出てこなかったのだ」
「『三女とモモちゃんの戦闘、楽しい』とありますね。ユニークですよね」
「お互い戦闘狂だから、盛り上がったのだ」
「『三姉妹の絆、エモい』。はい! エモかったです。ギスギスしていた家庭を、分家の方がケツを叩いて立て直すって展開、熱い! 熱かったですね!」
「あれは、名勝負だったのだ。我がそれに水を指してしまったようで申し訳なかったけど」
「いや。絆VS絆の戦いで、非力と思われた姫がとどめを刺すのが熱いんじゃないですか! あなたは誇っていいんです! 配信のコメントも『姫俺誇』で埋まってますよ!」
「うーん。まだ実感がないのだ」
「姫はあなたが思っているほど、弱くないのでね。では、夏合宿の予定を!」
「そうなのだ。この度、限界集落の島を貸し切っての、大合宿が行われるのだ! 運営は金盞花女学園! でも他校の有志も集まってくれたのだ!」
「一応、街興しの一環ですからね。いろんな学校の参加を募りました」
「今回の開催地は、関西の島! 麝香学園が舞台!」
「廃校寸前だったんですよね」
「でも、島全体が巨大なオープン型ダンジョンになったことで、冒険者がめっちゃ集まって建て直されたのだ」
「『麝香学園は、ギルドと宿屋になっているんよね』、そうです。『あの学園のメシうまい。ステーキとか、すき焼きとかが出る』。はい! なんたって、元々淡路ビーフですからね! サシがきめ細かいんですよ」
「でも限界集落には違いないので、いっぱいお金を落とすのだ」
「なんだかんだ言って、あそこは名産がたくさんありますから。楽しみですね」
「では、夏休みにお会いするのだ。また次回~」
(第三章 おしまい)




