表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、突然、異世界記  作者: タロさ
異世界での生活
74/83

再び王都へ2

王に呼び出された海は、メイドのターニャを伴い王城に向かった。

城門に着き、取次をお願いしようと思い、門兵に声を掛けたら

凄く畏まって挨拶をされてしまった。

その様子に、不安を覚えつつも、ターニャに案内してもらい、王の執務室に向かった。


王の執務室に着き、ターニャに促されて入って行った。

執務室の中には、元気になったブレイン王子が、ソファーに座っていた。


「やあ、久しぶりだね。

 その節は本当にお世話になった。

 改めて感謝とお礼を申し上げる」

「ブレイン王子様、ご健康になられてなによりです」

「海君だったね。今日は陛下を交えて私の事を話しておこうかと思って呼んだのだよ」

「ブレイン王子様の事ですか?」

「正確には、何故、私があのようになったかという事だ」


ブレイン王子の話は、海も知らない話ではなかった。


「1年前に、私は部下を連れて山賊の討伐に行ったのだが

 そこで相手の罠に掛かり、仲間をすべて失った。

 そこで私も殺されると思ったのだが

 何故か私は殺されず捕虜になった。

 捕虜になった後は海君も知っていると思う」


ここまでは、ギルドで聞いた話だったので海は驚く事も無かったが

この先の話は海もまさかと思った。


「私が、山賊の討伐に向かったのは、ある貴族からの話があったからだ。

 その貴族は海君も知っているグスタフだ。

 そのグスタフと山賊は繋がっていたのだよ」

「!」


海も知っている名前が出た事には驚いたが、話はまだ続いた。


「グスタフは、私に、いずれ王となるお方ですから勲章の1つでもあった方が良いと

 他の貴族の前で言われて、私も引けずに山賊の討伐を受けてしまったんだ。

 だが、グスタフの狙いは私の暗殺だったのだが、

 山賊はグスタフが裏切った時の事を考えて、私を人質にしたらしい」


海は、グスタフと山賊は繋がっていた事がわかったが

もしかしたら教会も繋がっているのかもと考えた。


「でも、そのグスタフは海君に倒されたのだったね」

「はい、僕の方もグスタフとは色々ありました。

 ところで陛下、グスタフと教会の件はどうなったのですか?」

「そうだな、話しておいた方が良いだろう」


陛下は、あの後、兵をグスタフの屋敷に向かわせ、地下牢にいた両腕を失ったグスタフと

その一味を捕らえた。

屋敷内に居た用心棒と、この件に関係のあった者達も捕らえた。

翌日、教会長のデロームを王城に呼び出し、今回の出来事を聞かせたが

デロームは、グスタフとの関係を否定した。

だが、グスタフの屋敷で見つけた証拠を見せたら、諦めたのかあっさりと認めた。

それから、兵を教会に向かわせ、神父のカリムと神父見習いのドルクを捕縛した。

との事だった。

罰は、グスタフは、貴族の地位剥奪と家の取り潰しと辺境に追放。

教会長並びに神父と神父見習いの2人とグスタフの手下は死罪になった。


海は、シルビアの事や地下牢で発見した3人の事を思うと、少し気持ちが楽になった。


この後、陛下から、盗賊の討伐とブレイン王子の救出の報奨金を貰った。

海が陛下とブレイン王子にお礼を言い、立ち去ろうとすると

3日後、ブレイン王子の快気祝いをするので、海達に参加して欲しいとの事だった。

海は了承し、ターニャに案内して貰い、王城を後にした。


宿に戻り、皆に3日後にブレイン王子の快気祝いに参加することを伝えた。


「海、私達も行くの?」

「そうだよ、全員だよ」

「あの・・・あたしもですか?」

「だから、全員」

「海、お金頂戴!

 服屋に行って来る!」

「リリ、皆で行っておいでよ」


海からお金を貰い、ミウ達は服屋に走った。

海は、宿で寛いでいると、ターニャがお茶を入れてくれた。


「海様、少しお時間を頂いて宜しいですか?」

「ターニャ、相談なら乗るよ」

「有り難うございます」

「何ですか?」

「はい、私は名前を偽っていました」


海は、訳があるに違いないと思い、話を進めた。


「そうなんだ。

 でも、どうして、名前を偽ったの?」

「海様には失礼かと思いましたが、海様の性格などを知りたくて名前を偽りました」

「そうですか。

 それで、僕はあなたにどう、映りましたか」

「とても優しい人で、仲間思いと感じました」

「ありがとう。

 ほめて貰えて嬉しいです。

 それで、これからどうするの?」

「きちんと名前を告げてお付き合いをしたいと思います」

「ん?」

「海様、まずはこれをお返しします」


ターニャは、海に買って貰ったネックレスを海に返した。


「ターニャさん、これは、あなたに差し上げた物です。

 名前が変わろうが受け取っておいて下さい」

「はい」


ターニャは、返したくは無かったので、海の言葉に喜んだ。

そして、ターニャは名前を明かした。


「私の名前は、シャルーラ デ アスタロッテ、王家第2王女です」


「!!!」


海は、言葉にならなかった。


暫くして、海は落ち着き、シャルーラに聞いた。


「あの・・・何故、王女様がメイドになっているのですか?」

「はい、先程、言いましたように海様の事を知る為です」

「あっ確かに聞きました。

 それで、これからどうするのですか?」

「それも言いましたが、きちんとお付き合いしたいと・・・」

「あっ確かに聞きって・・・・友人としてですよね・・・・」

「何故ですか?」

「いやいや、身分が違いますよ。

 僕は平民です。集落に住む平民ですよ」

「それは、海様なら何とかして頂けると信じています」

「僕には婚約者が2人いますし、彼女達の事もありますし・・」

「海様のお考えはわかりました。

 お2人を説得すれば宜しいのですね」


海は、自分では無理だと思い、ミウとリリに任せる事した。

ただ、彼女達には、先に僕から話させて欲しいとお願いをした。


日が沈みだした頃、ミウ達が帰って来た。


「ただいまー」

「うん・・・・おかえり・・」

「海よ、どうしたのじゃ?」

「少し、話があるからきてくれるかな」


海はミウとリリを誘い寝室に行った。


「海よ、まだ早いのではないのか」

「ミウ、違うから」

「なら何?」

「えっリリもそう思ったの」

「違うわよ!!」

「あの、ターニャの事だけど・・・」

「うん」

「彼女の本当の名前は、シャルーラ デ アスタロッテなんだよ」

「え・・・・・」

「なんじゃ、今、気付いたのか」

「ミウは分かっていたの」

「うむ、わらわの目は真理の魔眼じゃ、嘘は役にたたん」

「じゃぁ俺と付き合うためにここに来ていた事も・・・」

「は・・聞いておらんぞ!!!

 海、どういうことじゃ!」

「ミウ、落ち着いて」

「ミウ、聞こうよ」

「そうじゃな、海よ話を続けよ」

「ミウと王様に会いに行った時に、彼女は見ていたらしい。

 それで、気になっていたら、今度は、王子を助けて来たから

 余計に気になってしまったから、メイドとして名前を偽って僕の所にきて、

 気持ちを確かめようと思ったんだって。

 気持ちに間違いが無いと思えたから付き合いたいってきた。

 僕には、婚約者が2人いるからって断ったけど、聞いて貰えなかった。

 だから、2人が良ければいいって答えた」

「ふむ、わらわは婚約者じゃな」

「ミウ、自分で言ってたよ」

「そうだが、やはり直接言われると恥ずかしいのぅ」


ミウは照れてしまい、俯いてしまった。


「リリ」

「リリ?」


リリは返事もしてくれなくなった。


暫くして、2人が落ち着いたので、話を再開した。


「海はどうするのじゃ」

「彼女の事はまだ、分からないから正直、今は答えられないよ」

「そうだね」

「うん、知り合ってまだそんなに日も経ってないし、集落の事も

 知らないだろうから」

「なら、わらわ達がその辺りを話してやろうぞ」

「有り難う」


それから、ミウとリリは、シャルーラを呼んで話し合いをした。

部屋から出て来たシャルーラは笑顔だった。

それに、後から出て来た2人も笑顔だった。

不思議に思い、ミウに聞いたら、任せておくのじゃと言われた。


そして3日後、海達は王城に出掛けた。




不定期投稿ですがよろしくお願いします。

温かい目で見て頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ