実行
海は、ダイゼンの街に戻り、領主の屋敷の地下牢に入っていた。
「さぁ、これからどうなるのかなぁ」
海は、独り言を呟くとベットで横になった。
一方、ナハマは悩んでいた。
自分の息子が仕出かした事、亡くなった者達の事、海の事。
海の事とは罪状である。
本来、きっかけを作ったのはオニキスであって
海を責めることが出来ない。
まして70人で3人を襲い、海だけを殺し、女を自分の物にしようとしたのだ。
それを認めなければ罪だと言えば
息子は助長するだろうし、民の心は離れていくだろう。
だからこそ、判断に悩んでいるのであった。
それから、この度の事で、死んだ者たちの家族や親族への対応である。
本当の事が言えるはずもないが、多くの人が死んだことも事実である。
そのことを踏まえた上での言い訳が思いつかない。
何故、息子はこんな事を仕出かしたのだろうと考えた。
そんな親の気も知らず、オニキスは自宅謹慎を父親から言われていたが
反省することもなく、海の居ない今なら女共を
捕らえる事が出来るのではと考えていた。
「ニールセンはいるか?」
「はい、オニキス様、御用時でしょうか?」
「ああ、あの女たちの居所は分かったか?」
「いえ、只今調べておりますが、まだ分かってはいません」
「そうか、魔物の森周辺をくまなく探すのだ。
必ず、見つけて、あの男の前で甚振ってやる」
オニキスは反省することもなく、ナハマに黙ってミウとリリを捕まえて
我が物にしようと企んでいたのである。
海が、捕らえらえれて10日が経ち、
ニールセン達は、いつもの様に魔物の森周辺を探索していた。
すると、魔物の森の木を背に、1人の少女が佇んでいたのである。
その少女は、紛れもなく海と一緒にいた少女であった。
「おい!そこの女、貴様はあの時の女だな、大人しく捕まれ」
「ふむ、あの時と言うのは海が捕まった時の事かのぅ、
ここまで出て来て正解だったようじゃ」
そう言うとミウは、魔法を発動してニールセン以外の人間をすべて殺したのだった。
「ヒィッ!」
「貴様は殺さん、色々聞きたいことがあるでのぅ」
ミウは怒っていた。
なぜ、海は戻って来ないかと。
集落に戻った頃は虚無感に襲われ、部屋に閉じこもり、誰とも会わなかった。
だが、日が経つにつれてミウは
何故、海がこの様な仕打ちを受けなければならないかと思えて来た。
そして、いくら待っても海は帰って来ず、
連絡もない事に心配になって、ダイゼンの街にコッソリ探しに来て見たら
目の前を堂々と歩く、オニキスを見つけたのであった。
その瞬間、ミウは怒り狂いそうになったが、我慢した。
その代わり、必ず復讐を遂げ、一族全てを皆殺しにする事を誓ったのである。
そして今、ミウは実行に移す為に情報を聞き出していた。
ニールセンに対してマインドを使い、すべての情報を聞き出した。
「海はまだ生きているのだな」
「・・・はい・・・まだ・・死んだとは・・・き・・いていま・・せん」
「よし、わらわを連れていくのじゃ」
「・・はい・」
操られたニールセンはミウを連れてダイゼンの街に入った。
不定期投稿ですがよろしくお願いします。
温かい目で見て頂ければ幸いです。




