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ある日、突然、異世界記  作者: タロさ
異世界での生活
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襲撃

5の村に着くと村は壊滅状態だった。

家はすべて壊され、人の姿も見えず、血溜まりだけが残っていた。


「何も残ってないね・・・」

「うん、酷いね・・・」

「どうする?」

「一応、しっかり調べてみようと思う」


海はサーチを使った。

反応があれば何かあると思ったからだ。


「反応があった!」

「えっ」

「どこじゃ」

「うん、あそこの家」


家に着いて中を覗いたが誰もいなかった。


「いないよ」

「ううん、反応はここ、僕とポイントが重なっているから

 多分、地下室があるんじゃないかな」


海は足元を確認すると床板を剥がした跡が見つかった。

床板を剥がすと中から子供が出て来た。


「子供?」

「猫人族の子だね」

「まだ、小さいのぅ」


猫人族の子供は、涙の痕を頬に残したまま眠っていた。


「起こす?」

「・・・うん、仕方ないね、起こそう」


海は、優しく揺さぶり、声をかけながら起こした。

猫人族の子供は、ゆっくり目を開け海を見つめ、寝ぼけまなこで囁いた。


「おとうさん?」

「違うよ、ぼくはお父さんではないよ。

 僕は海、冒険者で仕事でこの村に来たんだ」


猫人族の子供は、状況を理解したのか、泣き出した。


「お願い、たすけて!

 みんな、みんな、みんな死んじゃた・・・」

「うん、いいよ。名前教えてくれる」

「・・・ティム」

「ティム、宜しくね。このお姉ちゃん達はミウとリリだよ。」

「ティムちゃんは他の村に知り合いはいないの?」

「ティムはここからでたことないの・・・

 おとうさん、おかあさんが、お外はこわいからって・・・」

「海よ、この子、知り合いが居ないみたいじゃの」

「うん、連れて帰る?」

「さんせーい!」

「「リリ・・・・・」」

「いいでしょ、この子、行く所無いみたいだし」

「それは構わないけど、魔物退治しないといけないから

 その間の事を考えてる」

「それなら、海が錬成で地下室を作って、ティムには中で待っていてもらったら」

「そうだね、ティム、僕達、今から皆の仇を取ってくるから

 もう少し、ここで待っていてくれる?」

「ティムのこと、わすれない?

 迎えに来てくれるの?」

「もちろんだよ!」


海は、ティムのいた地下の穴を深く掘り、部屋を作った。

部屋の中には、土のテーブルとイスを作成し、

テーブルの上に果物を置いた。


「ティム、ここで待っていてね、果物は食べていいから」


ティムが入った後、空気穴を残し、錬成でガチガチに土を固めた。


外は夕暮れになっていた。

日が沈めば不利になるので、海は、サーチで魔物の住処を探しながら山に入った。


暫くすると、点滅の集合する場所を発見した。


「見つけた」

「どうするのじゃ」

「洞窟みたいだから本来は火で攻めたいけど

 捕まってる人がいると問題だから

 今回は入り口で戦うよ」


海は、作戦内容をミウとリリに話した。

洞窟の入り口の横側を錬成で壁を作り塞ぎ、

正面と片側の横だけにして、相手が広がらないようにする。

ある程度敵を倒したら洞窟に突入する。

フォーメーションは前衛に海、ミウ、後衛にリリ。


「わらわは良いと思うぞ」

「私もいいよ」

「ありがとう、では、行こう!」


海が、こっそり近づいて錬成で片側を塞いだ。

魔物は突然の事で驚いていたが、海を見つけて迫って来た。

ミウが魔法を唱える。


「ダークアロー」


海に迫っていた魔物が倒れた。

洞窟内からゴブリンが溢れるように現れた。

リリが放つ。


「ファイヤーストーム」


洞窟を出た途端に熱風でゴブリン達は焼け爛れていった。

一瞬の静寂の後、ゴブリンを伴い、オーガ、ゴブリンチャンピオンが現れた。

リリは再度、ファイヤーストームを使ったがオーガの土の壁に塞がれた。

洞窟の正面にも壁が出来てしまい入り口が横側だけになり、

ミウが向き合う形になった。


海は咄嗟に壁に乗り、ミウの反対側から魔法を放った。


「フリージア」


辺り1面を凍らせる魔法で敵を凍り付かせた。

ゴブリン、ゴブリンチャンピオン、オーガは氷像と化した。


沢山の氷像を刀で砕いて魔物を倒していった。


「なんか・・・・寒いのじゃ」

「やっと春が来たのに・・・」

「・・・・・・」


魔物の居なくなった洞窟の入り口で

寒いと文句を言いながらすべての氷像を片付けた。


3人は洞窟の中に入っていくと広い場所に出た。

海が真ん中まで進もうとすると上からナーガが襲ってきた。

海は、サーチで気付いていたので避して

ナーガの首を刎ねた。

すると大きな雄叫びが聞こえて来た。


「グワァァァァ」


同時にナーガが10体降って来た。

振って来ている所に3人で魔法を使った。


「ウインドカッター」

「ファイヤーランス」

「ダークアロー」


3人は、まるで地面から雨が降るみたいに魔法を放った為

ナーガは生きたまま地面に下りる事が出来なかった。

海はサーチで検索したが魔物は残っていなかった。


魔物の道具と討伐達成の証拠と

お金になりそうな魔物をアイテムボックスに収めた。


洞窟内を探索し、4人を救出した。

4人を連れて3の村と4の村に行き

救出した人を渡した。

5の村の住人は誰1人生きていなかった。


5の村に戻りティムを連れ出して集落を目指した。




評価及びブックマーク登録ありがとうございます。

不定期投稿ですが、頑張って投稿しますので宜しくお願い致します。




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