同行
ギルドの依頼を終え、猫人族の子、ティムを連れて集落を目指した。
ギルドへの依頼達成の報告は1度、集落に戻った後に改めて
向かう事に決めた。
海はミウをおぶり、リリがティムを抱いて走り続けた。
夜になり、ティムを寝かしてから3人は交代で見張りをした。
翌朝、見張りをしていた海が皆を起こすと同時に周りを警戒した。
「海、どうしたの?」
「うん、誰か近づいて来る。」
「リリとミウは、ティムの近くにいてあげて」
「わかった。海はどうするの?」
「相手の方向は判ってるから襲われないように監視するよ」
「気をつけてね」
海は、相手の方向を見つめたまま声を掛けた。
「あのー、どちら様ですか?
戦う意思が無いなら、顔を出して頂けると有難いのですが」
すると林の中から、若い女性と初老の男性が姿を現した。
「脅かしてしまい申し訳ございません。
私はシルビアと申します。」
「私はシルビア様のお世話係を務めております
セントでございます」
シルビアもセントも高そうな服を着ているが
今は、汚れてボロボロになっている。
「僕は、海といいます。向こうにいるのがミウ、リリ、ティムです。
それで何か御用でしょうか?」
「えっ」
「木の影から、ずっとこちらを伺っている様でしたので」
「はい、私達は旅をしてまして・・・その・・・」
そのとき、シルビアのお腹が鳴った。
「ぐぅぅぅー」
「?」
「すいません・・・・」
シルビアは恥ずかしくなり、俯いてしまった。
「お腹がすいているのですか?」
「申し訳ございません。
私もシルビア様も数日、食事を採っておりません」
「そうですか、なら、食事を一緒に召し上がりませんか?」
「よろしいのですか?」
「はい、僕達もこれから食事ですから」
「有り難うございます。」
海は3人を呼んで食事の準備を始めた。
海が朝食を作っている間にミウとリリに頼んで
相手の事情を聞いてもらった。
シルビアとセントは王都から来て、ダイゼンの教会まで行く予定だと言った。
詳しい事は話したくない様子だったので聞かなかった。
「それで、海様にお願いがあります」
「何ですか」
「はい、私達を、ダイゼンの街まで護衛をお願いしたいのです」
海は、ダイゼンの街が苦手だ。
この世界に来て初めて行った人の街だけど
貴族の息子に、絡まれて奴隷に成りかけたからだ。
商人との山羊の買い付けの約束は
ダイゼンの街に入る必要がなさそうだったから、気にしなかったが
教会までになると街の中に入る必要がある。
海が悩んでいると背中を突かれた。
「海、受けてあげなさいよ」
「リリ・・・」
「僕は、前にあの街で奴隷にさせられそうになった事があるから・・・」
「ローブ被っていれば大丈夫だと思うよ
それに、私も付いて行くからね」
少し考えたが、素直に受ける事にした。
「わかった。受けるよ」
「海よ、わらわもいくぞ」
「ミウ、ありがとう」
話が纏まったのでシルビアに返事をした。
「シルビアさん、ダイゼンまでお送りしますよ。
ただ、寄りたい所があるので、先にそちらに行ってもいいですか」
「ありがとうございます。
急ぎの旅ではありませんので、用事を済ませて頂いても構いません。」
「では、食事をして出発しましょう」
海達は6人で集落を目指した。
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