表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/63

第四十七話 姉さんの壮絶な休日(前編)

「美香が全然かまってくれないわ!!!」


役所の重鎮のデスクで叫ぶ女性が一人。彼女の名前は初瀬 紅緒、初瀬 美香の姉である。今居るデスクから察っせる通り、役所の方で若くして結構上に立てるほどの凄腕なのだが、極度の可愛いもの好きなのである。美香が悪魔っ娘に変わってからというもの、シスコンに目覚め、機会があれば会いに行って美香とイチャつこうとしている。しかし、最近は仕事が忙しかったり、奇妙な事件が起きたりと資料の整理追われていたのだ。


「…初瀬さん、静かに出来ませんか? このまま騒がれては、上司としての品格が疑われます」


今紅緒を叱ったのは、部下の古手川 アリス。紅緒と親しいただ一人の部下である。


「だって、最近忙しくて休暇が取れなかったし、土日は美香が何処か行っちゃうし…どうすればいいのよー…」


「初瀬さんのシスコンには困ったものです。有給でも使って遊んできたらどうです?」



その言葉がきっかけだった。




それは、平日である木曜日の早朝に始まった。美香の部屋のインターホンが鳴り響く。今日はバイトが無いから惰眠を貪ろうと思っていた美香は突然意識を現実に戻されてご立腹だが、無視することを決めて目蓋を下げた。インターホンは鳴り止み、意識を飛ばそうとした時、部屋の扉が開いた。眠気と少しの危機感が混ざり、魔物形態でベッドから身を起こす。しせんの先にはカメラを構えた姉さんが居た。


「良いわ! 寝ぼけてる魔物っ娘最高よ!!」


フラッシュで目が覚めた美香は時間を確認する。現在、朝の6時を過ぎたぐらいだった。


「今日は眠いから寝かせて〜……ぐぅ〜…」


「眠ってる美香も可愛いけど、起きてもらうわ。折角有給まで使ったのだから」


もう一枚撮った姉さんは私をを軽く小突く。


「姉さん、痛い…」


「さあ、出かけるわよ! 服も買わなきゃ!」


カ◯リーメイトを私の口に突っ込んだ後に、服を取り出す。意外と可愛い。


「今日はこれを着なさい、準備は手伝うから♪」


洗面台に連れ行かれ、ボーっとしている間に姉さんは私の身支度を終わらせていた。鏡を見ると普段より3割増しになった私が居た。それを見て満足した姉さんはいつの間にか準備していた鞄に私の貴重品を突っ込んで、外へ連れだそうとした。

ああっ、鍵かけさせて~…

朝のアパートに私の声が響いた。

ん? これデジャビュ?



それから姉さんに引きずられて着いた先は私が最初に服を買った隣町のショッピングモールだった。あれから何回かこのショッピングモールに来たことがあったが正直視線に慣れない。殺気とかは大丈夫だけどね。姉さんは変わらず平気そうな顔をして私の手を引いて服売り場へと連れて行ってしまう。服屋に入ると私もテンションが上がってきた。女性になってみると、考え方が女性に近づくのだろう。自分を飾るのが楽しくなってきてしまう。

でも、下着を買う時は鬱だった。姉さん、セクハラ止めて!


お昼になったので適当にレストランへ行くことになった。私は椅子に座って一息ついた。姉さんは反対側からご機嫌そうに私を見ている。


「こうして過ごすのも久しぶりよねー」


「そうだねー、今注いでる視線を何とかしたいけどね…」


「最近は奇妙な事件が続いているらしいから気をつけなさいよ?」


「ははは…」


心の中でギクリという言葉が出てきたが何とか内にとどめる。姉さんは少し不思議そうな顔をしていたがすぐに元に戻る。


「ところで美香?」


「何かな?」


「どうして私達は黒服に囲まれているのかな?」


気づいて周りを見たら黒服しか居ない。見たところ嵩月組ではない。顔を険しくしながら周りを見回していると、一人のゴスロリ(・ ・ ・ ・)の女の子が近づいてきた。あの娘は…!?


「美香…こんなところで会うなんて奇遇…」


「雛じゃない! お久しぶり♪」


「雛も久しぶりに会えて嬉しいです」


天道 雛、嵩月組とは仲良くしている組で天道組と言われている。彼女はその娘なのだ。今日はさすがにスナイパーライフルは担いでいない。


「一緒に座っているのは姉さん。ちなみに姉さんには力はないけど、強いからね?」


「理解しました。雛です、よろしくお願いします」


「ええ、よろしく♪」


姉さんは全く表情を崩すことなく挨拶した。握手した瞬間、雛の顔が強張った気がしたが、気のせいだろう。雛は私の隣に座った。


「この人敵対したくない…」


ボソッと言った言葉に私は苦笑した。


「そういえば、ここには何しに来たの?」


「雛の服を買いに…ここにしか良いのがない…」


「へぇ…そういうお店もあるのね…」


「美香も来る…?」


少し考える。雛について行けば黒服がついてくる…それで視線も減る…。使える!


「行くことにするわ。姉さんは…行く「お昼が終わったら早速行きましょ!」」


「ん…案内する…」


姉さんを見ると今すぐに行きそうな雰囲気だった。ため息をつきながら私は頼んだトマトドリアにスプーンを差し込むのだった。



この選択が普通の一日と壮絶な一日との分かれ道になることを美香は知らない。

投稿が遅れてしまいました。火曜日に書こうなんて思っていたら、繋がらないなんて驚きでした。

今回は姉さんを表に出したいと突然思い、書きました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ