第四十六話 遅くなったクリスマス
あの戦闘の後は思ったよりもあっさり話はついた。何の悪気もない顔で美香は下僕達に失踪の原因から魔界の王になった事、テラー達と戦わせた理由を説明した。天音とエリは驚いたような安心したような顔で、カリーナとシャーリーはいつもの調子で笑っていた。アマネ達が暴れなかったことに安心した拓斗の顔は美香にとって印象的だった。
「いい戦闘経験になった…。天音殿、また手合わせしよう」
「私は遠慮したいわ…。グランデ」
「僕は二度とあの人と戦いたくないよ」
「ふふふっ、残念ねぇー?」
天音とカリーナも軽く挨拶出来るようになっていた。
「今度、戴冠式をしようかと思う。日程は後ほどシャーリー殿に届けさせよう」
「ホントに王になったのを実感するわね…。ちゃんと行くから安心して。帰ろう、拓斗♪」
「あ、ああ…」
テラーから一言聞いた美香はどこか上の空な拓斗を引きずるように連れて行った。それに続いて天音達も会釈をして去っていった。それを見送った魔王達は
「人間界の魔物も馬鹿にできないな…」
「僕もそう思うよ。あのスキュラ、遠慮なしに殴ってきたし」
「あの堕天使とヴァルキリーもまだまだ伸び代がある。これからが楽しみだ」
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あれから嵩月家に帰るとすでに22時を過ぎていた。
嵩月家に入ると黒服達が一斉に美香に駆け寄ってきて、怪我は無いかとか無事を確認してくれた。今回は拓斗の父親、昴も心配していたのか黒服達に続いて見に来ていて、美香は昴を見つけるとすぐに駆け寄って自分の無事を伝えに行く。それを見た拓斗は美香が嵩月家に愛されてる事を悟って自然と笑みが溢れる。美香を連れて頭首の部屋に行こうとすると…
「美香は少々行動力があるが、恐ろしい器を持っておる。絶対に手放すな?」
と前頭首に耳打ちされた。拓斗は苦笑いをしてその場を後にした。
部屋に入ると中には誰も居なかった。美香が拓斗の腕を抜けだして目の前で振り返る。
「今日はありがと、助けに来てくれて。嬉しかった♪」
「美香、我慢しなくてもいいんだぞ?」
「ん~? 何のこと?」
「まったく…」
拓斗は強引に抱き寄せる。美香は一瞬ビックリしたような表情だったが、すぐに顔を綻ばせて拓斗の胸に抱きついた。
「怖かった……いきなり転送されるし、魔王3人に囲まれるし……うぅ…」
「大丈夫だ、次捕まることは無い。もしそうだったとしても俺が助けに来てやる」
「拓斗…///」
赤くなった美香と向き合い、顔と顔との距離をゼロにした。
二人の周りの魔力の流れが心地よい。美香はそっと瞼を下ろして、拓斗に体を預けた。
最近戦闘部分しか書いてない!?




