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第十二話 新しい魔物の予感…

青い空、白い雲、そしてどこまでも広がる水平線。

沖縄に到着しました。

現在は飛行場を出てホテルに向かっているのですが…


「うわっ、また変な糸が引っ付いてきた…」


飛行場を出てからというもの、一定間隔で私に糸がくっついてくるのだ。

軽く振り払うとすぐに千切れてくれるから、そんなには気にしてはない。


「ホントにそうなの?私には視えないけど…」


姉さんは不思議そうな顔をして私を見ている。

これも魔力的な何かだったりするのかな……考えたくない。


そういうトラブル?もあったりしてるけど何とかホテルに到着。

海へ行く準備をして美しいと言われている海へ直行です。

あ、日焼け止め塗ってから行こうかな…。


そうしてやって来ました!

家の近くの海より透き通ってますよー。

とりあえず、私は日陰でくつろぎましょうか♪

姉さんは年甲斐もなく浜辺で遊んでいる。


「美香ーっ、来なさいよー。冷たいわよー」


「ここも十分涼しいからいいです」


…別に泳げないわけではないのですよ?

日陰に入って浴びるそよ風の方が好きなだけなんです!!

少しすると疲れたのか姉さんが戻ってくる。

私は冷たいジュースを渡す。

軽く”ありがとう”と言ってから一気に煽る。

首筋にたれてくる水滴がなんとも艶かしい。姉さんじゃなかったら欲情してたのかなぁ…。


沖縄にいるせいなのか、時間がゆったりと流れている気がする。

ここのところ忙しかったから、心地いい。

このままゆったりと…


「ねぇねぇ、お嬢さんたち。今暇してる?」


…流れてくれないのですね…。

顔を上げると私と姉さんに色目を向けている色黒の男性二人組が立っていた。

そこそこ引き締まっていて、女性にもてそうな外見。

正直、相手したくなーい。


「私達忙しいのであっち行ってください」


「さっきから見てるけど、暇そうじゃないか」


だが、男は引き下がらない。

さっきから見てたんだ…。

潰したいなぁ…………冗談です♪

姉さんは私のやりとりを楽しそうに傍観してるし…ちょっとは手伝ってよ。(泣)


「とにかく、行く気はないので」


「そう言わずにさあ」


男が私の手をガシッと掴んで立たせる。

本格的にイライラしていると。

男の髪から煙が…


「暑いし何処か涼みに行こうよ?」


「いや、燃えてるよ?」


「はっはっは、俺の恋は熱いものさ!」


うわぁ、イラつく…。

そうしてるうちに火が強くなったのか男の相方さんが気づいて叫ぶ。


「バッ、マジで燃えてるって!」


「まさかぁ、そんなわけ…」


男(燃)が頭に触りようやく気づく。

なぜ今まで気づかなかった!?

そんな表情をして海に走って行きました。


「相方さんを助けてやって下さい♪」


「ああ、そうする…」


そうして去って行きました。

二度と来ないで下さい♪

そう思った瞬間、背後に影が降りる。


「私の姉様に手を出す事が不運ね!」


聞き覚えのある声に振り返ると天音が水着で立っているではないか。

ちなみに水着は赤いビキニ。

活発的なイメージにピッタリ。眼福です。


「天音!?」


「私を置いて行かないでよ。これでも下僕なんだから」


天音は顔を赤くして私に言った。

あんな契約方法だったのに従うのね…。Mの素質あるかも…。


「手は大丈夫?」


「猫又は治りが早い方なんです!」


そう言ってこの間折った方の手を開いたり閉じたりしてみせた。

そうなんだ…。

何より元気そうで良かった。

姉さんはやっと頭が動いたらしくて


「美香、その子誰?」


「この間、仲間にした猫又の天音だよ」


恥ずかしそうに挨拶する天音を見て姉さんは大興奮。


「さっそく妖怪を下僕にしちゃうなんて、流石だわ!!」


姉さんは天音をじっくりねぶるように見ると天音は怖がって私の後ろに…。

ヤバイ、天音可愛い♪


「とりあえず、天音ちゃんは美香といられるようにしておくわ」


「ありがたいけど、いいの?」


「美香と天音ちゃんとの絡みを見られただけでも満足よ。私に任せなさい!」


姉さんが凄く輝いて見える。

普段はアレだけど…。


こうして私達の旅行に天音が加わった。

天音が何か思い出したように手をたたく。


「そういえば、さっき現地の人に妖怪が出るって噂があるのを聞いたよ」


天音が言ってきた。


「いいわね~、私も直で見てみたいわ」


姉さんもノリノリで探す気になっている。

…実は私も少し気になってたり。

だって折角居ることが分かっているんだし、もったいないでしょ?


「詳しく話すね。実は……」


天音が説明を始めた。






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