プロローグ前半:『当たり前は、退屈と共に、消え去る……』
小説書くのがあまり経験がなく、書く僕が緊張しています。
初挑戦!がんばります。
ぜひ気楽に読んでってください!
暗い雨雲。
遠くでは、雷がゴロゴロ鳴り響いている。
大きめの交差点で、人混みの中、信号が変わるのを待ってる。
テスト終わりだって言うのに、最悪な気分だ。
すると——
突然、自分の周りで信号を待っていた人たちが、次々にバタンっと音を立てて倒れていった。
「え……?」
何が起きてるんだ?
最後に人が倒れる音をきいた後、前を向いた。
すると、乗用車が何台も絡む多重事故が発生していた。
ありえない。ありえない。ありえない。
今の時代に、事故なんてほとんど起こらないはずなのに。
——SYSTEM ERROR——
空に、文字が浮かび上がっていた。
幻覚か……。
最近、寝不足だったからな……
そう思うと、なんだか急に眠たくなってきた。
体に力が入らない。
俺もバタンっと、たった数秒前の人たちと同じように、硬いコンクリートの床に強く倒れた。
俺、死ぬのかな……。
死を悟った俺は、車の点滅するライトに照らされながら、静かに意識が遠ざかっていった。
そして——
最後には、暗闇しか見えなくなった——。
◆
ピピピピピッ
<ただいまの時刻は午前7時半です。ただいまの時刻は午前7時半です。今日の天気は快晴のち……>
朝日が眩しい。横の複合型タイマーの鳴り響く電子音が眠たい俺を躊躇なく起こす。
せっかくいい夢を見てたのにーーもう忘れたけど。
あーー、今日って一日中テストだったようなーーなかったようなーー。
あれ?てか、今日ってそもそも何曜日だっけ?
<雨、ところどころ雷が激しく伴うでしょう……>
最近は覚えが悪いなー。早くも老いかな……って、まだ高校生だろ俺!
<大気が不安定で短時間で大きく変化する可能性があります。午後からはなるべく……>
「夢馬ーー!!遅刻するわよーーちゃちゃっと降りてきなさいーー」
「わかった」
眠たい目をこすりながら、なんとか階段を降りると、調理ロボットがいつも通り朝ごはんを作っていた。
といっても、栄養だけが詰まった液体。
何が入ってんだろ、なんて思うこと自体がめんどくさいくて、知ろうとはわざわざ思わない。
食べられるならオーケーだ。
「おはよーー。やっと起きてきたわね」
そう言って液体だけの朝食を渡してきた。
「あ!そういえば、先生アップデートされたらしいじゃない?よかったわねーー」
「んーー、ゴクッ……まあね」
味はなんとなく野菜の風味を感じる。うまいわけではない。
ピーンポーン。
「おーい!!ゆーうーまー、はやくーー!」
外から相変わらずうるさい声が聞こえてきた。
朝から迷惑だ。
声の主は俺の親友の黒田陸。幼馴染で明るいお調子者。俺とは性格がまるで違う。
だが、趣味の共通点が多く、毎日会う仲だ。
「夢馬またお漏らししてんのかーー??困ってるなら手伝ってやるよーー!」
「いつの話をしてんだよ!!」
「おっ出てきた、出てきた。おはよ」
「……おはよ」
「早速で悪いんだけど、いつも通りさ、今日も聞かせてくれよ。夢の内容をさ」
「えーー、またかよ……そんなに聞くもんでもないだろ」
「いいじゃんかよーー。毎回違って少し刺激になるからさ、減るもんじゃねーーし。頼む。この通りね?」
陸がそう言うと、目の前に両手を合わせて頼み込んできた。
こんなに他人の夢が好きなやつ、こいつしか出会ったことがない。
「……まあ、めんどくさいだけだったし、いいよ」
「さすがぁーー!さまさまです」
——この世では少ない確率で、神からの贈り物を持って生まれてくる人が存在する。
例えば、絶対音感、映像記憶、共感覚など。
俺はそれらに似たものを神からもらっていた。
それは、夢を記憶することができること。
これはもしかしたら周りからは羨ましい能力?なのかもしれないが、全くそうは思わない。
なぜなら、”全て”の夢を記憶できてしまうから。
怖い夢まで、忘れたくても覚えてしまうことが、幼い俺にとって悪夢そのものだった。
だから、神からのこの貰い物が、今でもあまり好きではない。
「今日見たのは、俺たちが、遠い世界に行ってしまう夢だった」
「俺、そういう系の映画好きだよ。あ、もしかして正夢だったりしてな!!そしたら、夢馬をそういう系の映画を見てきて学んだ生き残る知識が入ってるこの脳を使って守ってやる」
「朝から冗談言う元気あるなら、テスト余裕だな?」
「おい……せっかく話題にならないように関係のない話をしてたのに」
「今日テストだからな」
「そうか……今日テストだな……」
陸は露骨に顔をしかめた。
「前、テスト範囲の授業なー、あのAI教師、なんか模範通りって感じさあ。俺、あんま受け付けねぇーの」
「AIだから、仕方ないじゃん」
「それが嫌なんだよ。こっちの気持ちも理解しないで、正解に導く感じがさ」
「じゃあ、授業の内容だけでも復習しとけよ」
「家帰ったら、勉強したくないんだよなーー。これだからモチベも、点数も、確実に0だ」
「陸、言い訳してるとこ申し訳ないが、普通に徹夜でゲームしてたろ」
「え?な、なんで?もしかして、宇宙人?エスパー?当たってるし……」
「そんなこと言ってるうちに、テスト会場にご到着だ」
——テスト会場と言ってたのは、ここ、日本の東京都にある新日本高等学校、通称新高。
偏差値はごく普通である。
ここには毎朝3000人ほどの生徒が通っている。
「お前ら遅刻するぞーー!歩いてないで早くしろよーー!」
「なあ夢馬、知ってんか?あの先生、実は不倫してたらしいぞ。さらにヤバいのが、その相手……AIらしい」
「はあ!?あの先生の奥さん、人間だろ?趣味変わったのか?」
「んー、まあ、そんな感じだろ……。あの先生はいつか何かやらかすとは思っていたけど、AIに手を出しちゃうかーー」
「陸AI苦手なもんなー」
「苦手ってよりはなんか自分とは合わないって感じ」
「同感」
——現代西暦30XX年。
AIと高度なネットワーク技術の発展により、社会は徹底的に管理される管理社会となった。
インフラ、医療、教育、防犯など、生活全てが最適化されている。
犯罪率は大幅に低下し、事故もAIにより防がれる。
人々は安全で快適な生活を手に入れた。
「あ!やべぇ、時間ない。夢馬いけ、ダッシュ!」
「おい、リュック掴むなよ!!走れないだろ!」
「これが効率がいいとAIが言ってたし」
「そんなわけあるかーー!!」
毎日のくだらない陸との会話。
退屈でつまんないこの世界でも、バカで笑えるこの瞬間が楽しかった———。




