#50 信じる力
五十話記念に風邪をプレゼントされました。体調にはお気をつけください。
「さようなら」
あ、終わった…
計画は失敗だね。
後は任せたよ…白石君。
――パリン――
槍が、止まった…
目前で。
この反応、防御結界…?
思わず笑みが浮かぶ。
「遅かったじゃない。ホント、感謝してね」
返事は、いつものトーンだった。
「いや〜手こずっちゃった。ごめん!」
武装が解かれ、いつもの姿へ。
「もう少し早くできなかったの?死んだと思ったよ」
「それは苛立たせる事言ったからじゃない」
アレ?ひょっとして"逆効果"だった?
始まりは、戦闘の少し前に遡る…
此花 葵は、ルナが擬似的に操られている事を見抜いていた。
理由は二つ。
一つは、目。
普段からは考えれない色だったので、もしかしたら…と思ったのだ。
しかし、ルナの進化は未知数。
"自分が知らないだけ"かも知れないと思った。
確信できたのは二つ目。
白石君がピンチだと言うのに、まったく動き出そうとしない。
いつもなら、相手が塵になっても許さないのに、だ。
さすがにおかしい。
そこで、ある作戦を立てた。
私を倒すよう、怒らせる。
そこで感情が暴走している間に、主導権を取り戻させると言うものだ。
まさか本気で殺ろうとしてくるとは思わなかったけど…
それとは逆に、ルナにも作戦はあった。
――作戦と呼べるものでもないが。
それは"力で無理矢理解く"
相手がただの人間なら、勝機はある。
しかし、想定外は葵だ。
怒らせて、操術をパワーアップさせるような事を言い出したのだ。
力では難しくなった。
そんなさなか、一つの考えが浮かぶ。
"このまま私が、葵を倒せば…"
きっと私の夫は悲しむだろう。
そんな姿は、見たくなかった。
大切な人を失う気持ちは、よく分かっているから。
それに、きっと私の事も…嫌いに…!?
…
結果、ほとんど気合でどうにかしたのだ。
「もっと考えてから動いてよね」
それはお互い様じゃない?
思ったが、言わないことにした。
今は戦いに戻らなければ行けない。
向こうを見ると、決着は付いているようだった。
――姿は見えないが…
「あ〜もう!どうにかして暗闇解かなきゃ」
途法に暮れる。
どうにかしないと、戦うどころか役に立つことすら難しい。
「あげようか?体調管理」
「今だけ頂戴。すぐに無くすけど」
「OK…」
瞬間、視界が明るくなった。
久しぶりの光!
なんて素晴らしい…
感激していると、「ほら、行くよ」と突つかれた。
「はいはい…」
「終わったぞ!出てこい!」
空間に叫ぶ。
きっと聞こえているはずだ。
「どんな状況かは言われずとも分かっているさ。それこそ、君たちよりも」
「何?」
気がつくと、そこにいた。
元々そこにいたように、平然と。
前回もそう。
まるで、"事実を変えた"ような…
「…やはり、自ら動く方が失敗は少ないな」
そう言って、一歩前へ。
「ほら、来るよ」
僕と先輩に、ルナとシフリス。
ストーリーは合流し、そして交差する…




