#48 情報確認
パァン!
放たれる弾は時空跳躍によって軌道を変え、一斉に敵へと向かう。
もちろん、弱点を探すため。
この暗闇で、目視で探すのは不可能の極み。
なら…ね。
「空気圧縮!」
空圧で、弾の速度を上げる。
それでも、倒れる気配はなかった。
「え〜これでも?」
そろそろ成す術がなくなる。
暗闇をどうにかするしかないかな…?
「シフリス〜この暗闇って、何由来?」
「それが分かれば、苦労しません。少なくとも、霧ではないのは確かですが」
霧じゃない――
「つまり、デバフってこと?」
「その可能性が一番高いですね」
「それさ…体調管理でどうにかならない?」
「今やってます。先に情報確認の解析が終わらないと――あ、今終わりました」
お、ラッキー。
「で、どうだった?」
「対処可能です。でも、葵さんは体調管理を使えないのでは?」
「あ、そうだった」
つまり――
「後は任せた!」
「やっぱりですか。じゃあルナさんの事をお願いします」
「任せといて!」
そう言って、場を離れる。
情報確認の大きな反応源。
ルナの元へ――
――――――――シフリスサイド――――――――
今の私がするべきことは…
「白石さん聞こえますか?この暗闇は体調管理でどうにかなります。情報確認で解析してください!」
自分も、体調管理を発動。
その途端、暗闇が晴れる。
黒幕の姿は…見えない。
敵は…いた。
弱点は首。
それなら――
もともと、時空跳躍は生活魔法であり、攻撃手段ではない。
攻撃できるようにする方法は二つ。
一つは、物体を飛ばすこと。
もう一つ――
簡単に向けられない、回避不能の攻撃がある。
相手の身体をゲートに通し、上半身と下半身を寸断させたまま、ゲートを閉じる。
その後は、言うまでもない。
そして、この動作は一瞬で行える。
反撃も、対策も不可能。
文字通りの"即死"だ。
敵が魔力を溜めている。
これは、炎華爆発?
そうか、葵さんが使って覚えていたんだ。
学習能力の高いモノだ。
光弾が放たれる。
シフリスは落ち着いていた。
呟く。
「空域切断――」
光弾が消える。
同時に、敵も。
少しの時間が過ぎてから――
「終わりました…」
――――――――白石 湊サイド――――――――
ガキィン!
剣を受け止める音。
剣を振る音。
暗闇の中で響く。
それらと魔力だけが、死を回避する手段だった。
キツイ。
かれこれ十分ぐらい、生きるか死ぬかの運ゲーを繰り返している。
誰か助けて…
その時、声が聞こえる。
シフリスからだ。
「白石さん聞こえますか?この暗闇は体調管理でどうにかなります。情報確認で解析してください!」
え、体調管理でどうにかなるの?
なら情報確認で解析――
ブンッ!
危なっ。
考え事も出来ない。
お願い。早く終わってくれ――
強く願う。
その時、視界が明るくなる。
体調管理による解除ではない。
まるで、光芒のような…
すると、相手の剣が光をなぞって進む。
これって…
未来予知?
まさかな。
すると、また光があらわれた。
剣がそこを通る。
本当に…?
これこそが情報確認の本質、危機察知。
危険を視覚的に標示し、対策方法を提示。
ユークレル兄妹が隠した、昇華の力だ。
同時に、解析も終了。
暗闇も消える。
こうなってはもう、敵に勝ち目はない。
弱点を突かれ、敵は消えたのだった。




