敵
「魔焉弾ッ!」
戦闘が始まってから五分程が立った。相手の周りには風が増えるばかり。それもそれにボールがあたると上へ飛んでいくとかいうクソ迷惑な効果付き。
基本的なボールもダメ、強化ボールもダメ、ユニークスキル系もダメ。
何をしろと?
「リーフボール、ウィザーボール!」
少し前の着弾点が消えるボールだ。どうだ?
「何度やれば気が済むんだ?無駄なのは分かってるーーってなんだ⁉」
着弾地点が消えた。よし、これなら効く。
これを消滅ボールとでもしておこう。うん。
「消滅ボール!」
「チッ、迷惑ったらありゃしねぇ、おい!」
突然俺の後ろへ向かって叫んだ。敵は全員倒したと聞いたが…
「はぁ…しょうがないですねぇ。そこで止まっててください、影縛。」
俺をここまで案内してきたカイとか言う奴がスキルを使ってきた。だからそのスキルとか知らねえよなんだよそれ
そして何故か体が重くなった。けど動けないレベルではない。
「消滅ボール、消滅ボール…」
「ガッ、どうして…うご…け…」
後ろの奴が突然血を流して倒れた。何をしたかったのだろうか?
…いや十分な収穫かもしれない。カイとやらが流した血はーー黒かった。
「カイもダメなのかよ。どうしたものか」
「おいおい、お前ら、〈聖者狩り〉だな?」
黒い血。最初の斧使いを殺った時に出てきた血の色。つまり〈聖者狩り〉。人間ではない。あのおかしなスキルもそれ由来なら全て理由がつく。つまり?
「喧嘩上等。抹殺だよ。」
〈聖者狩り〉は殺るしかない。手加減無用。さっきまでは人間を殺すのは、というので流石に全力ではやってなかった。一撃入れて気絶させれば大成功の域を過ぎなかった。
けど相手は人間ではない。殺す対象。既に通る手も分かっている。
ーーさあ、抹殺だ。
一応マス君にも手加減という概念はあります。




