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狩り人98

思わず頭上を見上げるダリル。

(あの高所から落下して即死しないのか…)

ボアングの桁外れた頑強さに怖気が振るう思いだ。

カリンも恐る恐る近寄ってくる。

最早息絶えている事は分かってはいる。

それでも近付くのを躊躇わす程の強敵だった訳だ。

そんなカリンが遣って来るのを見遣りながら、暫くダリルは座り込んでいた。

何とか倒し力が抜けた…腰が抜けたとでも言う状態であろうか?

今直ぐの行動は、ちと無理であろう。

「ダリル兄ィ、大丈夫?」

カリンが心配そうに告げてくる。

「ああ問題ない。

 倒せたので気が抜けてなぁ」

手をヒラヒラと振り応える。

そんなダリルを見てホッとすると、ゆっくり警戒しながらボアングへと近付く。

間近でボアングを眺め、沁み沁みと告げる。

「おっきぃ~ねぇ…

 本当にコレ、倒せたんだぁ~」

カリンからしたら大岩と言った代物であろあか?

頬から生えている2本の牙。

この牙がカリンと同様の大きさと言えば分かるであろうか?

大型ダンプカー並みの巨体が、そこには転がっているのだ。

それは大きかろう。

そんな彼女を見ながら、漸くダリルも身を起こす。

そしてシゲシゲとボアングを見遣り…

「こりゃ、解体が大変だなぁ~」

溜息を吐きながら告げるのだった。

その後は解体作業に1日を費やす事に。

鹿肉と鹿腸詰は再び燻製穴へと戻し燻す。

ボアングも内臓を抜き取り、その後で解体を。

だが…

「うぅぬぅ。

 此処まで梃子摺るとは」

困った様に告げるダリル。

正直、ボアングの毛皮へ刃が立たずに解体作業が滞った。

血抜きは喉に槍を突き刺し、そこへ破竹より作ったパイプを無理やり押し込んで血を流させた。

次に臍に槍を当てて、そこからも血抜きを。

そんな血抜きを行っている間に解体ポイントを探り解体を進めようとしたのだが…

槍ならば突き入れる事が可能だが、剣やナイフの刃が立たぬのである。

あまり槍を突き入れる事はしたくない。

それを行うと内臓へと達し、その部位を傷める事となるであろう。

好ましい事とは言えぬのだ。

故に血抜きが済むまで待つ事とする。

そして、その間に鹿の処置へと移っていた訳だ。

(ヤガ)て血抜きが終わる。

ダリルは解体作業へと

解体は腹部の臍から行う事とした。

既に槍を突き入れ、そこから血を抜いていた訳であるが、そこを解体の攻略ポイントとした訳だ。

一番柔らかい腹部部位である臍へと刃を突き入れる。

そして一度刃が入ると、意外と楽に解体が進む事となった。

それは内側から刃による切り裂きには耐性が、ボアングに無かった為と思われた。

なので一度刃が入ると、剣やナイフの刃が外皮に立たなかった事が嘘の様にスルスルと解体が進み始めたのだ。

そうして腹が裂かれると、次は内臓を体内より抜く作業だ。

この内臓であるが、巨体に合わせた様に1個1個が異様にデカイのである。

それを苦労して抜き出して行く。

この内臓の処置はカリンに任せる事にした様だ。

ダリルには、まだまだ解体作業が残っている。

とは言え、足が早い内臓の処置を滞らせれば傷んでしまうであろう。

故にカリンには、その作業を任せる事にしたのである。

ボアングの内臓には、ほぼ捨てる所は無いと言って良いであろう。

胆嚢は普通は捨てる部位であるが、熊の胆嚢である熊の胆と同様に薬となる部位だ。

捨てるなどトンでもないと言えよう。

そして(ヒグマ)よりも巨大なボアングの内臓も巨大。

最近の鍛練にて鍛えているカリンだからこそ持っての移動が可能となっていると言える。

これが鍛練前であったならば、とてもでは無いが持って移動など不可能であったであろう。

カリンもロアンデトロスや鹿の解体に立会い、内臓の処置は何度も行っている。

元々育った村でも親が狩って来た得物解体後の内臓処置は女性の仕事としてカリンも教わってはいた。

とは言え、猟師でも無いものが獲物を狩って来るなど稀である。

故に、それほど慣れている訳でも無かったが…

兎に角、カリンが内臓の処置が行える事を知っているダリルは彼女へその処置を任せる事に。

何せ巨体であるボアングの解体作業に1人で挑まねばならぬ。

生半可な事では無いのである。

内臓を抜き取った後は頭部の解体へと移る。

内臓と同様に傷み易い部位である脳を得る為だ。

この部位は高級食材であり非常に美味いと言える。

特にボアングクラスの獲物の脳など、滅多に御目に掛かる物では無いのだ。

腹から裂いた部位を拡張して喉の血抜き穴を経由させ切り裂いて行く。

そこから下顎の骨を取り去る事に成功。

此処を基点に頭部の解体攻略へと。

槍を突き入れた事で破損している脳ではあるが、何とか回収に成功するのだった。

この解体にて牙と舌も解体して回収している。

それが終わるとカリンを呼び、脳と舌を渡す。

そして処置を頼むダリルだった。

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