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狩り人102

ロアンデトロスを狩った河原へ戻るダリル達。

取り敢えずは隠しておいた素材を回収する。

その後でカリンの案内の元、カリンが香木を回収した地へと。

途中までは普通に下草を掻き分けての移動。

所々に開けた場もあるが、鉈で切り開かなければ移動が困難な場所も。

小柄とは言え、この世界で育ったカリンでも、それ位は行える様だ。

そして以前にカリンが切り開いた後も残っており、それを頼りに移動を。

ただ、途中から潅木が行く手を遮る事に。

丁度開けた場所となり、多少は辺りへの視界は利く。

茨の様に棘などがある潅木が茂る場所は避けて移動したい所。

だがカリンは、その潅木が茂る場所へと進んで行くのだ。

「お、おい」

戸惑うダリル。

そんなダリルを不思議そうに見てカリンが告げる。

「んっ?

 ダリル兄ィ、どうかした?」

無垢な瞳を向けてくるカリンを困った様に見返すダリル。

「いや、何処へ向かうつもりだ?」

そう尋ねると…

「此処を抜けて行くと、ダリル兄ィが言っている香木が在る場所に出るだよ」

そんな事を。

そのカリンが告げる場所は茨の様な棘を持つ種類を含む潅木が生い茂る地である。

だが切り開いた気配も無く、進むのは困難と思われる。

「此処をか?」

戸惑い、思わず尋ねるダリル。

すると…

「うん、此処を(シャガ)んで移動したら開けた場所へ出るんだよ」

その様な事を。

カリンが告げる場所をマジマジと見詰めると…

成る程、潅木と潅木の間に隙間があり、小さなトンネル状になっているとも言えなくはない。

だが…普通は行き止まりになっている可能性が高い灌木トンネルなどに挑むなど論外だ。

彼女、カリンは、どんな確信があって、この潅木トンネルへと挑んだのであろう?

下手をすると途中で身動きが困難となる可能性もある危険な行為なのだ。

余程の確信が無ければ行う事は出来ぬと言えるであろう。

どの様に判断したのか興味を(ソソ)られたダリルは尋ねてみたのだが…

その(イラ)えは驚くものであった。

「可愛くて綺麗な子兎が、此処へ入って行ったんだよ」

っと…

(はぁっ?)

思わず固まるダリル。

彼としては有り得ない判断基準である。

(いや…子兎が入って行ったから…何だと言うのだ?)

理解できなく混乱状態と。

まるで幼子が衝動的に行う行動ではないか。

そう思い、なんとなく納得するダリル。

(そうか…幼子に理屈を求めるのが間違いと言うものなのかもな)

その様に。

いやいや、カリンは15歳。

ダリルの1歳下である。

ま、ついダリルに、それを失念させるカリンの容姿と行動が問題だとも言えるが…

兎に角、目的地は潅木に遮られた先にある事は判明した。

問題は、此処を切り開くかどうかだが…

それは、かなり手間な作業と言える。

正直、行いたくない。

それにカリンの言い分では、この先に香木を拾える地があるとの事だが何の保障も無いのだ。

そこでダリルはカリンへと告げる。

「カリン、この先に香木が拾える場所が在るとの事だが…

 1つ拾って来て貰えぬか?」

カリンに採取を依頼する。

彼女が無事に拾って来れるならば、自分も移動して問題あるまい。

だが問題が発生したらダリルが潅木を切り開いて助ければ良い。

2人して(ハマ)って身動き出来なくなるなどは論外と言えよう。

なのでカリンを先行させる事に。

「うん、分かったよ」

軽く応えてカリンが潅木トンネルへと。

暫し待つ。

するとカリンが香木を持って戻って来た。

どうやら彼女が告げるのは本当の事である様だ。

そうであるならば、自分もそこへと移動して現地を確認したい所だ。

だが小柄なカリンが(シャガ)んで移動する様な場所である。

当然、ダリルが(シャガ)む程度で移動できる筈も無い。

故にダリルの移動は匍匐前進の様な有様に。

中々にキツイ移動となった様である。

ただ、その苦労は報われたと言えよう。

そこは、ある意味桃源郷とも言える地である。

様々な種類の香木が生い茂る香木の群生地とも言える場所。

辺りより少々低地となり、窪地とも言っても良いやもしれぬ。

その為、匍匐前進移動のダリルには辛い事になったのだが…

これは致し方ないと言えよう。

この窪地の周りに木々が生い茂り、棘を含む潅木が木々の元に茂っている。

天然のバリケードとも言えようか。

この様な場所へ人が敢えて立ち入る事はあるまい。

故に、此処が人々に露見する事がなかったと思われた。

隠れ採取スポットとでも言って良い地であろうか?

切り開いて移動するには距離もあり中々に困難である。

そして苦労して切り開けば他の者にも見付かろう。

さすれば香木を乱伐する不届き者も現れるやもしれぬ。

そう考えると、潅木を切り開いて通路を確保するのは下作と言える。

だが匍匐前進しながら香木を運び出すなど論外だ。

故に…

「カリン。

 悪いが、俺が選んだ香木を運び出して貰えぬか?」

その様に頼む事に。

カリンもダリルが苦労して此処まで来た事を見ている。

故にダリルが香木を持ち運ぶ事は難しいと理解していた。

なので…

「うん、分かったよっ。

 オイラ、頑張って運ぶね」

健気なものである。

そしてダリルが選ぶ香木を、せっせとカリンが運び出す。

運び出した状態を確認できなかった事もあり、少々欲張った状態へと。

予想以上に香木を採取し帰りの荷が思った以上に増えてしまった。

故に帰路は重荷を背負う事となり、中々に大変だった様である。

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