第八章 聖雷の激流と四人の絆
聖雷が空から次々と落ちてくる中、四人は必死に連携を保っていた。
零は正面に立ち、鬼哭丸を両手で構え、青白い光を最大限に放ちながら聖雷を切り裂き続けていた。
雷の衝撃が地面を焼き、岩を砕き、木々を炎上させる。
熱風と雷鳴が森全体を震わせ、桜の花びらが灰となって舞い上がった。
「零! 左から重装が十人来る!」
蓮の鋭い声が響く。
零は低く応じた。
「わかった! 蓮は右側面を崩せ!
シルフィア、結界を優先! ルリアを守れ!」
蓮は二本の刀を交差させ、右側面から高速で回り込んだ。
二刀流の機動力を活かし、敵の死角に入り、主刀で肩を、副刀で脚を同時に斬りつける。
騎士がバランスを崩したところを、零の鬼哭丸がとどめを刺した。
シルフィアは杖を強く握り、緑色の防御結界を全力で展開していた。
淡い緑の光が四人を包み、聖雷の直撃を何とか防いでいる。
しかし結界は激しく揺れ、ひびが入り始めていた。
「結界が……持ちません! もう少し時間が……」
ルリアは岩陰に身を隠し、震える声で叫んだ。
「みんな……無理しないで……!
私のせいで……みんなが傷ついて……」
その瞬間、聖雷の一撃がシルフィアの結界を突き破った。
激しい雷光が零の左肩を直撃し、焼けるような痛みが走る。
「ぐっ……!」
零の体が大きくよろめいた。
ガルド・ヴァルハラが大剣を振り上げ、冷たい声で叫んだ。
「その程度か、鬼哭の零!
お前の桜はここで散る!」
ライオス・グラン・ヴァルハラも大剣を構え、弟と共に零に迫ってくる。
零は歯を食いしばり、鬼哭丸を両手で構え直した。
(……ここで倒れるわけにはいかない。
ルリアを、蓮を、シルフィアを……皆を守る!
俺は侍だ!)
青白い光が鬼哭丸の刃全体を激しく走る。
零は聖雷の奔流を切り裂きながら、ガルドとライオスに向かって突進した。
ガルドの大剣と零の鬼哭丸が激しくぶつかり合う。
ガァンッ! 火花と魔力が爆発的に散った。
零の体が後ろに押し込まれるが、すぐに踏みとどまり、反撃の横薙ぎを放つ。
刃がガルドの鎧の隙間を捉え、血が噴き出す。
蓮が右側面から飛び込み、二刀でガルドの側面を攻撃する。
「零! 今だ!」
シルフィアが緑色の回復魔法を零に集中させ、傷を癒しながら結界を維持しようとする。
しかし敵の数はまだ多く、神官騎士たちが次々と聖雷を呼び起こす。
エレナ・ソルティアが冷たい笑みを浮かべ、杖を掲げた。
「穢れの王女よ……お前の運命はここで終わる!」
聖なる光の柱が四人を包み込もうとする。
零は鬼哭丸を回転させ、光の柱を切り裂きながら叫んだ。
「ルリアを……絶対に渡さない!」
戦いは激しさを増し、四人は傷つきながらも必死に連携を保っていた。
零の剣が閃くたび、桜の花びらが雨に打たれながら赤く舞い、戦場を彩る。
しかし敵の聖雷は容赦なく落ち続け、四人の体力を確実に削っていく。
零は内心で思った。
(このままでは……いずれ限界が来る。
もっと仲間が必要だ……
この逃避行を生き延びるために……)
雨と雷の中、四人の戦いはまだ続いていた。




