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【共生魔法】の絆紡ぎ。  作者: 山本 ヤマドリ
4章・ノグライナ王国での出会い。
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神樹ユグドラシルへの案内。

地平線から太陽が顔を出し始めると徐々に辺りが明るくなり始める中、共也達が泊まるクリスタルフォートレスの城門前には沢山の黒い影が集まり始めていた。


「ここに目的の人達が……」

「そうだな……。 行くか」


 俺は城の外が妙に騒がしい事に気付いて目を覚ました。


「ん。 うん? 外が妙に騒がしい様な……」


 俺はマリ達が寝ているベッドの上からユックリと降りると、部屋の窓から外を覗いて驚愕した。


「な、何だ、この人だかりは!!」


 俺の眼下に広がる光景。

 それはまだ空が白み始めたばかりなのに、城門前に沢山のエルフ達が集まっている光景だった。


 俺は慌てて部屋を飛び出すと、ダグラスが泊っている部屋へ突入した。


「おいダグラス! 外が凄い事になってるぞ!」


 突入した部屋のベッドで寝ていたダグラスを見つけると、肩を揺すって起こして窓際に立たせたが、まだ大分眠いようでボ~っと目を腕で擦ったりしていた。


「ふぁぁ~。 共也、まだ外が薄暗いじゃねえか、一体何を慌てて……ってうおぉぉぉ!? 何だこの黒ずくめの集団は!?」


 ダグラスも俺と同じ様に眼下に広がる光景を見て絶句するしかなかった。


「ダグラス、共也、今城門前に人だかりが! って2人共窓の外を見てるって事は気が付いたか」

「室生、俺も最初見た時はアポカリプスの連中が攻めて来たと思ったよ」

「共也もそう思ったか。 俺も一瞬血の気が引いたからな……。 あの黒ずくめの連中って全員エルフだよな?」

「ローブの隙間から長い耳が覗いているから、恐らく全員エルフだと思うぞ?」

「なぁ、共也、室生、この集団は俺達の事を見に来たんだと思うか?」

「こうして朝早くから集まっているんだからそれ以外無いだろうな……。 まるで有名アイドルの出待ちだな……」


 寝ぐせが付いた髪のままこの部屋に駆け込んだ室生は眼鏡の位置を直すと、嫌そうな顔を隠そうともせずに城門前で待ち構えているエルフ達を眺めていた。


「取り合えず時間的にもう朝食の準備がされている頃だろうから、今日の予定として。

 まずは菊流達と合流する。

 そして、皆と今日この後どうするか話し合って決めようと思っているんだが。

 ダグラスと室生もその予定で大丈夫か?」

「外に出る事が出来ない以上、今日はそうするしか無さそうだな。 この集まった集団の中を掻き分けながら外に出るのは、さすがに無理な気がする……」

「だな……」

「じゃあ取り合えず着替えてから食堂に向かうか」

「分かった。 2人共また後でな」


 ダグラスの部屋を出た俺は着替える為に一度自分の部屋に戻ると、ベッドの上では未だにマリ達が気持ち良さそうに寝ている所だった。


「マリ、ディーネ、スノウ。 そろそろ朝食を食べに行くから起きてくれ」

「ご飯……。 ご飯! あ、おはよう……パパ」

「おはようマリ、食堂へ向かうよ」

「あい」


 マリと俺の着替えを済ませた俺達は部屋を出て食堂に向かうと、そこではすでに与一達が着席していたが、1日が始まったばかりなのに何処かグッタリとした表情だった。


「皆おはよう」

「あ、共也。 おはよう……」

「その疲れた表情を見るに、どうやら外の様子は知ってるみたいだな……」

「起きてすぐに城門前が騒がしかったから目に入ったけど、最初はアポカリプス教団の襲撃かと思って体がビックリして固まっちゃったわよ!」

「菊流でもそうだったんだな……」


 食堂に集まった面々は深い溜息を付くと、与一が質問をして来た。


「ねぁ共也、マリちゃんが私にくっ付いて離れないのは何で?」

「食堂に来る前に城門前に集まった人達を見て怯えてしまってな。 少しの間で良いから構って上げてくれ与一」


 マリは外に集まった沢山の人を見て怯えてしまい、少し仲良くなっていた与一に抱き付いて離れようとしなかった。


「私はむしろ大歓迎だから良いけど、私達が城から出るまでずっと外で待たれると言うのも、マリちゃんの事を考えるとあまり良く無いね……」

「確かにな……」

「パパ、私の事で迷惑かけちゃってごめんなさい……。 何とか落ち着ける様に頑張ってみるから……、与一姉もごめんね?」

「私は迷惑だなんて思って無いわ。 むしろご褒……。 オホン。 マリちゃんが落ち着くまで一緒に居て上げるから頑張ろう。 ね?」


 マリが頭を優しく撫でる与一にユックリと頷くと食堂に集まっていた皆が笑顔となっていたが、外に集まった野次馬エルフ達をどうにかして解散させる事が出来ない物かと頭を悩ませていた。


 丁度そこに近衛兵長のキーリスさんが、食堂に入って来た。


「皆、遅くなってしまってすまない」

「キーリスさん、城門に集まった人達をどうにか出来ないのですか? マリが怯えてしまっていますし、このままだと俺達も外に出る事が出来ませんよ」

「その問題だが、先程解決した。 城門の外に集まっていた人達には、何とか説明して解散してもらったから安心してくれ」

「本当ですか? なら良かった……。 今日1日外に出る事が出来ないのかと思いましたよ」

「それは心配させて済まなかった。 だが彼等も、転移者でしかも親善大使に任命されてこの国へと来た君達を一目見て見たいと思っただけで、悪気があった訳では無いからあまり悪感情を持たないで上げて欲しい」


 プライドの高いはずのエルフの近衛隊長のキーリスさんが、親善大使の俺達に頭を下げた事にエリアもだが、シグルド隊長を含む竜騎士隊の面々も目を剥いて驚いていた。


「ちょ! 頭を上げてくださいキーリスさん!」

「だが、君達はシンドリア王国の代表としてこの国に訪れたのだ、外交問題にする訳にはいかないんだ」

「キーリス様、外交問題に私達がする訳無いじゃ無いですか、それは王女である私に誓ってさせませんから取り合えず頭を上げて下さい、そのままではお話しも出来ません」

「エリア王女……。 済まない……」

「マリもあれだけの大人数を見たのが初めてだったので、ビックリしてしまったのでしょう。

 それにしても、どうしてあんなに沢山の人が城門の前に集まってたんです?」

「あ~…。 君達が我々エルフと言う種族をどこまで知っているか分からないが、エルフと言う種として生まれた者は、全員が病気でもしない限りとても長生きだと言う事は知ってるかね?」

『「「はい! それはとても良く知っています!!」」』


 俺の幼馴染達はラノベで良く知っている知識だから、皆同時に発現してしまった者だからハモってしまった。


「そ、そうか。 我々の事を知っててくれてありがたい事だ……」


 俺達の圧にキーリスさんは、ちょっと引いている様子だった。


「そこで先程の話しに戻るのだが。

 長い年月を生きる我々エルフは何年、何十年と繰り返される生活に飽きてしまうんだ」


 まぁ、娯楽施設もここには無さそうだし、そりゃ飽きが来るのは当たり前か。


「毎日単調に繰り返される生活に飽きた者達が、次に求める物は何だと思う?」

「あ、もしかして、ちょっとした刺激ですか?」

「室生君、正解だ。 君の言った通り、長く時を生きた者ほど、些細な事でも良いから刺激を求めて行動する様になるんだ。 

 そして君達が今回遠路はるばるシンドリア王国から親書を届けに来てくれたという情報を聞きつけた人達が、その人族を一目見てみたい!

 と言う欲求に突き動かされて集まったのだ……。 何とも恥ずかしい事件だよ……」

「良く不老長寿を願う人が多々いますが、長生きするのも大変なんですね……」

「理解してくれて助かるよ。 リリー様も今外で説教をしている所であろうから、朝食が遅くなるのは許して上げてくれ」

「朝食が遅れるくらいで怒りませんって! そちらも集まった人達を処罰とかしないで上げてくださいね?」

「ありがとう……。 それとマリちゃんだったかな? 皆が怖がらせてごめんよ」


 片膝を付いてマリに視線を合わせて優しく微笑んで謝罪するキーリスさんに、マリも警戒心を解いた様で、与一から離れるとキーリスさんの片足に抱き着いた。


「うん。 私もキーリスさんが謝罪してくれたからエルフの人達を嫌いにならないし、怖がらないように努力するね?」


 満面の笑みで答えたマリは、身内だと言う事を差し引いたとしてもとても可愛らしかった。

 それは食堂に居る皆が思った様で、一様に頬を染めていた。

 だが、マリの笑顔を見たキーリスさんの様子がどうもおかしい……。

 エルフの整った顔が赤く染まった上に鼻の下がドンドンと伸びて行き、彼は何故か両手の指を絶え間なく動かしてマリを抱きしめようとしてい……る!?


 ちょ! あんた何しようとしてんだ!!


「ストップ、キーリスさん。 マリちゃんはまだ怯えている様子だから、私が彼女を預かります!」

「与一姉。 私はもうこの人達の事を怖がってな」

「マリちゃんが気付いて無いだけでまた体が震えてるよ!?」

「別に震えてなんか……」

「震えてるの! 返事は!?」

「う、ん?」


 キーリスさんの異変をいち早く感じ取った与一によってマリを確保する事に成功したのだが、マリを抱きしめる事が出来なかった事を残念そうにするキーリスさんを見て、食堂にいる全員が確信した。


((やべえ!! この人真正のロリコンだ!!))


 食堂にいる全員に見られている事に気付いたキーリスさんは、わざとらしく咳払いをして誤魔化そうとするが誤魔化せていない。


「ん、んん!! それでだ、ここに来たのは外に居る国民達の態度を詫びる事もあったのだが、もう1つリリー様からの伝言を伝える目的もあってだな!」


 この人、この雰囲気の中、話を続ける気か!?


「取り合えずリリー様の伝言を伝えるから、そう睨まないでくれ共也君……」

「分かりました……」

「ゴホン。 リリー様の伝言はこうだ。

【太陽が真上に昇った頃に、我々の信仰対象となって居る神樹ユグドラシルの元に神事を行いに行く事になっているので、一緒に行きたい人は先日晩餐会が開かれた場所で待っていて下さい】との事だ。

 今回の神事は君達が来たから急遽行う事となった訳では無く、元々明日行われる予定だったものだから、断ってくれても全然問題無い。

 だから神事を見学したくなった者は昼頃に会場に集まっていてくれ」


「言いたい事はありますが、まあ言及しないでおきます。 神樹ユグドラシルとは城の後方に聳え立つ、あの巨大な樹木の事ですよね?」

「そうだ、長い時を生きる我々エルフですら、何時からあそこに聳え立っているのか分からない程昔からある樹木だそうだ。

 まぁそんな神秘的な謎がある樹木だからこそ、我々エルフはあの木を代々神樹として崇めているのだがね。

 だが何時から立っているのか分からないのに、その樹木が『ユグドラシル』と言う名前を持っているのは、ご先祖様達から伝わっている古文書に書かれている不思議な樹木なのだ」


 『古文書』その言葉に反応したのが、本好きの室生だった。


「長命種のエルフの人達が知らない程昔から存在する樹木とは、一体どれ程の月日をその樹は生きて来たのか気になりますね……。

 後、あなた達エルフに伝わる文献や古文書が伝わっているのなら、機会が有った時で構わないので読ませてもらう事は可能ですか?」


 室生の申し出に悩むキーリスさんだったが「確約する事は出来ないが」と前置きをすると、リリーさんや書簡を管理している王族の人達にもに聞いてみて、それで許可が取る事が出来れば閲覧は可能だと伝えると、室生は大層喜んでいた。


「俺は参加してみようと思います。 あなた達エルフが崇めていると言うのもありますが、あれだけ巨大な樹木の足元に行けるなんて滅多に無い事ですし、行ってみたいです」

「共也君は参加だね。 リリー様にその事を伝えておくよ」


 俺が参加したい事を伝えると、キーリスさんは嬉しそうに微笑んでいた。


(自分達の信仰の対象に興味あるって言われるのはやっぱり嬉しいんだろうな)


 その後、幼馴染達も参加する事が決まると、何故かシグルド隊長達も今回の神事に参加する事となった。


「シグルド隊長達はまだ国に戻らなく良いのですか?」

「ハーディも休暇として俺をここに送り込んだんだ、少し位観光したからと言って文句を言う奴でも無いだろうから大丈夫だろう。 と言うか言わせんがな! はっはっは!」


 苦笑いする竜騎士隊の面々だが、シグルド隊長の言う通りこの遠征が休暇扱いなら滅多に見る事が出来ないエルフ達の神事を見ない理由は無いと思い、ティニーさん達も今回の神事に参加する事にしたようだ。


「マリはどうする?」


 最期に与一に抱きかかえられているマリに質問すると、俺をジッと見つめた後に。


「パパが行くなら私も行く!!」


 と最後にマリも参加する事が決まったのだが(キーリスさん。 俺達が参加すると言った時より嬉しそうに笑顔を作った上に鼻の下を伸ばすのは怖いんで止めてくれませんかね!?)




 太陽が真上に昇り昼を告げると、クリスタルフォートレス城の前には沢山の人達が集まっていた。


「結構沢山の人が集まったみたいだな」

「ね。 エルフ達が崇める神樹ユグドラシルってどんな所なのか早く見て見たいわ」


 菊流と神樹ユグドラシルの事で話していると、城の中からリリーとジュリアさんが所々金の刺繡が入った純白のドレスを纏い参加者の前に現れたのだが。

 前日晩餐会で着飾った2人を見たはずなのに、今日の2人は何と言えば良いのか分からない程、神秘的な姿だった。


 その2人の神秘的な姿に男女問わず見惚れて呆然としていると、カーテシーで出迎えてくれた2人が俺達が参加した事に対する感謝の言葉が始まった。

 

「皆様、本日は我々エルフが信仰する神樹ユグドラシルへの神事に参加していただきありがとうございます。 これより皆様を神樹ユグドラシルにご案内しますのでもう少しだけお待ち下さい……。

 ジュリア姉様、こんな感じで良いのかな?」

「リリー! あ~、もう~途中まで良い感じだったのに最後の最後で色々と台無しじゃない! 何でもう少し我慢出来ないの!」

「う……。 ご、ごめんなさい……」


 またもポンコツぶりを発揮してしまったリリーを、ジュリアさんからのお説教を受け続けるその姿は、先程まで感じていた神々しさは微塵も無くなっていた……。


「うっ…ぐす……。 皆様……、今から神樹ユグドラシルへご案内します……ぐす……。 ひっく……」


 ジュリアさんにお説教を受けて泣いてしまっているリリーの長い耳は垂れ下がっていて、その姿には皆も少々可哀想と思っていたが、そんな俺達より先にリリーを慰める為に動く者がいた。


「リリーお姉ちゃん、元気出して?」


 そう、マリだった。

 リリーのスカートを軽く摘んで上目使いで慰めの言葉を掛けたて来たマリに、リリーは抱き着くと号泣し始めてしまったので皆がビックリしてしまった。


「マリぢゃん…ありがどう~! うぇええ~~ん!!!」


 ジュリアさんは、右手を額に乗せてリリーのその行動に溜息を盛大に吐くのだが、すでにユグドラシルに向かう時間になっているので、リリーの涙をハンカチで拭った。


「リリー、そろそろ神樹ユグドラシル様の元に向かうわよ! シャキっとしなさい!!」

「ひっ! わ、分かりました! では皆さんこちらに!!」


 ジュリアさんの迫力にすっかり怯えてしまったリリーは急いで立ち上がると、俺達と裏庭へと移動を促して来たが、全員で顔を見合わせるとこの国の未来を心配するのだった。


(ノグライナ王国……。 本当にリリーが女王で大丈夫なのか?)


 裏庭に到着した俺達の目の前には綺麗に手入れされている庭があるだけで、神事を行うにしてはあまりにも殺風景な光景が広がっていた。


「えっと、ジュリアさん。 神事はここで行うのですか?」

「ん? ああ、違うわよ共也ちゃん。 私達は言ったわよね?【神樹ユグドラシルの足元に行く】って」

「え? でもユグドラシルまでかなり距離がありますが……」

「まぁ見てて」


 俺達が何故ここで立ち止まっているのか疑問に思っていると、少し拓けた場所で杖を構える2人の間の空間が徐々に歪み始めると大きな黒い穴が生成され始めた。


「え? ジュリアさん、リリー、この黒い穴は一体……」

「はい、お答えしますね。 この穴は私とお姉様の魔力で出来た特殊な通路で、神樹ユグドラシル様の元まで一気に飛べる素晴らしい仕様になっているのです!」

「転移術とは違うのか?」

「同じ様に長距離を移動する事が出来ますが、転移術とは違い一度発動してしまえばお姉様と2人で任意で消す事が出来ますし、一度に大人数が通る事が出来ます。

 どうです? 凄いでしょ!? こんな離れ業が出来るのも私とお姉様が協力してこそ!」


 慎ましい胸を強調して仰け反るリリーだったが、ジュリアさんに頭を叩かれて仕方なくこの穴に関する注意点などを説明し終わると、いよいよ神樹ユグドラシルの元へ移動を開始する事となった。


「さあ、皆さん移動を開始しましょうか。 黒い穴に入る時に少々不快感を感じるかもしれませんが、すぐに付きますから我慢して通って下さいね。

 私とリリーが先に通って見せますので、あとから私達に続いて通って来て下さい。

 黒い穴を通り抜けると、そこはすでに神樹ユグドラシルの足元なので驚きますよ」


 ジュリアさん、リリー、キーリスさんの3人が穴の中に入って行くのを見送った俺達が入ろうとすると、マリが俺の服を引っ張って来た。


「パパ、黒い穴を通るのは怖いから抱っこして連れて行って……」

「その方が良いか。 マリ、おいで」

「ありがとうパパ!」


 マリを抱き上げた俺は3人の後を追う為に恐る恐るその穴に入ると、全身を温いお湯で覆われたような感覚に襲われるが温水プールを泳いでいると思えばそれ程気にならなくなり、すぐに慣れた。


 ぬるま湯の様な通路を移動している俺達の視線の先には出口と思われる優しい光が輝いていて、その光を抜けるた俺達がユックリと辺りを見渡すと、先に黒い穴に入った3人が笑顔で待っていた。


 俺の後ろから次々と黒い穴を抜けて出て来る皆が揃った所で、リリーがここの説明を始める。


「皆さんの目の前にあるこの樹木が、我々の信仰対象である神樹ユグドラシルです! どうですか? とても大きいでしょう!?」


 俺達の目の前に聳え立つ巨大な神樹ユグドラシルは、沢山生い茂るの葉の間から降り注ぐ木漏れ日、上部が霞むほどの高さ、どこまであるか分からない横幅に全員が見惚れてしまい、リリーの説明が全く耳に入っていなかった。



ここまで読んで下さってありがとうございます。

共也達はクリスタルフォートレス城から神樹ユグドラシルへ移動しましたね。

次回は『ユグドラシルの精霊』で書いて行こうかと思っています。


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