↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
24/70

24.探し人のARIKA

前回のあらすじ

いなくなった店長を探していたら迷子になってしまい、

偶然会った純に

彼を知ってるといわれ、連れていかれた。

車内のラジオが、後部座席まで聞こえてくる。

窓の外の見知らぬ景色が目まぐるしく変わるたび、どうしようもない焦りが募るー


どうも、聖明音です。今、見知らぬタクシーの中で、僕はどこともわからないところに向かっています。

なんで、こんなことになったんだろう。駅って、こっちだったっけ?

進めば進むほど、不安ばかり……


「早いねー、タクシー」


開けられた窓からの風が、隣にいる彼の金髪をなびかせる。

彼ー緑野君は、僕と同じように窓の外を眺めていた。

腕には初めて会った時と同じ緑色のミサンガがつけられていて、アーチ状のアクセサリーが、中央でゆらゆら揺れている。


道に迷って途方に暮れていた僕の前に現れ、その上店長の場所を知ってると告げた彼。

すでに呼んでいたのか半ば強制的にタクシーへのせられて……今に至っている。

行き先をろくに知らないため、みんなにも場所を伝えられてないし、そもそも携帯は電源が切れているというまさに、万事休す状態。

このままじゃだめだ。まずは、どこに行ってるかだけでも聞き出さないと……!


「あ、あのぉ、こっち駅じゃない、ですよね? どこに向かってるんですか?」


「探してたんでしょ? あの人のこと。今から行くのは、その人がいる場所」


「あの人って御領原さんのこと、ですか?」


「そ。あかね、知ってるんだね」


「この前偶然会ったんです、と言っても本人がわからないんですけど……僕の働いてる店の店長だった人で。売り上げを伸ばすためには、どうしても彼が必要って話になって、それで……」


「そっか」


気まずい沈黙が、また流れる。

そもそも彼が、なんで御領原さんをしってるんだろう。

聞きたいのに、うまく言葉が出ない。

どう切り出そうか、なんて考えていたその時ー


「その人、ボクのパパなんだよね」


と、あまりにも淡々と言い出してー


「えっ、と、パパって……?」


「パパはパパ。ボクのパパ」


「えええええ!!? 緑野君と御領原さんって親子ぉぉぉ?!」


「アルカンシエルも、僕のお家だよ。知らなかったの?」


「だ、だって初めて聞いたし、そもそも何も話してくれなかったじゃないですか!!」


「そーだっけ?」


そう言っても、彼は不思議そうに首を傾げるばかり。

言われてみれば、合点がいく。

確かに御領原さんを見た時、誰かに似てるなぁとは思ったけど……

まさか、親子だったなんて!!


「それなら、どうして今はいないんですか? こうが言ってました、店長がいなくなってから、家の人も来なくなったって」


「んー……ちょうど二年前かな? 事故でママが死んじゃってから、やめちゃったんだよね。お店のこととか、僕のこととか全部」


一瞬で、空気が張り詰めた気がする。

相変わらず彼の口は淡々としていたが、その言葉には固い決意が宿っているように感じた。


「あ、でもボクは平気だよ。おじさんもおばさんも優しいし、がっこーも楽しいし。でもパパは、違う。ママが死んでから、どこにいるかもわかんなくなっちゃった。お墓参りとかにも来なくて……そんな時、とーこ……財前のお家が、手伝ってくれるって言われて」


「だから、一緒に行動してたんですね……」


「そのおかげで、やっと見つけたんだ。時間、たくさんかかっちゃったけど。とーこがタクシーも呼んでくれるっていって、待ってた。ちょーどそこに、あかねがいたってわけ」


「えっ、それで僕を連れてきちゃったんですか? 僕部外者なのに……財前さんに変わった方が……」


「もともと話すのはボク一人のつもりだったから、でもボク一人だと逃げちゃうかもしれない……だから、あかねにした。パパと会ったあかねと一緒なら、大丈夫な気がして」


その瞳が、言葉がすごく純粋で、まっすぐで。

正直、僕なんかじゃとは言えなかった。


僕がいることで、彼の不安がなくなるならそばにいたい。

それに、御領原さんがいなければ、僕たちの店も立ち行かない。

行かなきゃ、僕が。彼のために……真冬さんといられる、この大切な場所を守るために。


「あ、着いたみたい。行こ」


タクシーが、止まる。

外に出ると、少しだけ雨が降っていた。

海が見える開けた公園のような場所で、波が引いたり寄せたりを繰り返している。

人一人いない、静かな場所。

そんな中、不釣り合いなほどに全身黒の服装を纏った、一人の男の姿があってー


「御領原さんっ!!」


僕の声と同時に突風が、吹く。

その瞬間、彼のかぶっていた帽子が宙に浮いてー


「よかった、本物だ」


「……なんで、ここに……」


「久しぶりだね、パパ」


飛んできた帽子を、緑野君がつかむ。

まるで光を放つかのような金色の長い髪が静かに風にたなびく中、僕らは再び彼と再会を果たしたのだったー


(つづく!!)

おまけの小ネタ

タクシーで走行中……


明音(緑野君……御領原さんの息子……僕より年下なのに、二年間もご両親がいないなんて……大変だっただろうなぁ……)


純「……ふみゅ……(´-ω-`)」


明音「はっ( ゜д゜) す、すみません! 辛いことを話させてしまって!ヾ(・ω・`;)ノこんなに震えてるのに……寂しかったですよね、悲しかったですよね( ߹꒳߹ ) つらかったら、泣いてもいいんですよ、本当すみませ……」


純「……あ、ごめん。話したら疲れちゃって、いつのまにか寝ちゃってた( ¯꒳¯ )ᐝ」


明音「ほえ??( ᐕ)」


純「あ、そういえばあかねのこと、とーこに連絡しないと。( 'ω')? この子、ずーっと震えてる。寒いのかな? 温めてあげればいい??」


明音「そ、それ着信じゃないですか!∑(๑ºдº๑)出てあげてくださいよ! さっき借りた時も思いましたけど、すごい着信量でしたよ!?」


純「んー……( ・-・ )よくわかんない。あかねがして( ˙꒳˙ )」


明音「えぇ!?Σ( ˙꒳˙ )」


マイペース不思議ちゃん(˙-˙)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。