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偽善の聖人、教祖になる  作者: チョコクリーム
2.『罪人と、代理人と、モンスター』
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もしかして:和解?

 

 まず、ライミ様がやっている仕事について説明しよう。ライミ様は、階級の高さゆえに難易度が高い仕事をすることが多い。

 今回の仕事は、史上最悪の〈呪術師(マケグミ)〉と呼ばれるオンジュを捕まえることだった。オンジュは1回捕まっているが、脱走されたのだ。


 そして、その際にオンジュの呪いがまだ()()()()()ことが明らかになったのだ。

 普通、呪いは治療系の職業を持つものなら解除できる。ステータスに状態異常と表示されるので、すぐに発見し治療することが出来るからだ。


 だが、オンジュの呪いは違った。ステータスに状態異常と表示されず、職業と称号が特殊なものに強制変更されるのだ。その上、水晶でしか確認できないため、女神教に入信していない者は呪われているか分からなかったのだ。


 ここまで聞いたら分かると思うが、カイもその1人である。哀れな人物ではあるが、自分の非を認めることが出来なければ救いの手はない。


「その職業と称号は、呪いによって強制的に設定されています。あなたはそれのせいで人生がおかしくなってしまった。…これでも、ナミさんが悪いと言えますか?」


 少し、キツい言い方になってしまったかもしれない。だけど、ここまでの騒ぎを起こしたのだからそれぐらいはいいだろう。


「いや……でも………少し、考えさせて欲しい」


 さっきとは違い、粗暴な感じは薄れ冷静さが出てきたように思えた。混乱はしているようだが、それでも知性を感じさせるような振る舞いだ。


 昔神子だと言われていたというのは伊達じゃない、ということか。この感じなら上手く収まるか?


「…カイくん……」


 ナミさんが心配そうに見ている。そう言えばあのおじさんってどこに行ったんだ?いつの間にかナミさんは解放されているっぽいし。でも逃げたなら誰かが気付くはず…。


「…ようやく、分かったよ。ナミ、今まで―――「死ねや」がはっ!」


「カイくん!」


 おじさんが突然現れてカイにナイフを刺しやがった。せっかくいい所までやったのに、全てを台無しにされた気分だ。

 カイは腹を刺されて血がドバドバ流れている。


「チッ、仕留め損ねたか。さすがは元神子と言ったところだな!だが、これで終わりだ!」


「させない!」


 カイに止めを刺そうとしたおじさんをギリギリラナミさんが押し倒した。そのままナイフを奪い取り、関節を決めに行った。

 だが、おじさんもそう簡単にやられたりはしなかった。


「歳の割に随分とやるじゃねぇか。だがなっ!」


「きゃっ!」


「経験が違うんだよ。まだ俺とやるには早かったな」


 ラナミさんが吹き飛ばされたが、ラナミさんの時間稼ぎのおかげでカイを助けることが出来た。治療ができる人に治療してもらったが、傷が深いせいか治る気配はない。


「こういうのはあまり好きじゃないんだがな……おい、こいつがどうなってもいいのか!俺はお前が死んでくれれば他はどうだっていいんだ!さっさと死ね!」


 前にも同じことやってたなぁ。呑気にそんなことを考えていたら、カイが前に進んでいた。


「…カイ?」


「僕が死ねば、ナミは助けてくれるんだな?」


「そうだ。飲み込みが早くて助かるぜ」


「カイくん!私はいいからやめて!」


 カイの目は死んでいなかった。これから死にに行くような目ではなく、生に食らいつくような必死な目だった。

 期待してカイを見つめる。カイは、右手を心臓に向けて、何かを呟いた。


 その瞬間、大きな爆発が起こった。あまりの強さに爆風で倒れそうな程だ。そんな爆発の中心に居たカイは一体どうなったのかは、煙に隠されて分からない。


「なっ!てめぇ、やっぱり来やがったか!!さっさと死ねば楽に終われたのによぉ!ほら、しっかり守らんと、殺しちまうぜぇ!」


 声だけが聞こえてくる。どうやらカイは奇襲に成功したようだ。どうやったらあの爆発から生き残れるのかは不思議である。

 ただ、状況は良くないようで、防戦一方な感じだ。声でしか判断できないのが微妙だけど。


 ラナミさんが煙に突っ込んで行ったのを見て僕はどうしようかと考えた結果、水晶を拾うことにした。そう言えばカイに渡したままだったなと思って探すと、さっきの爆発で飛んできたのか近くにあった。


 それを拾って、直ぐに職業と称号を設定する。説明を見ている時間はないので、職業は〈幸運者(ラッキーマン)〉に、称号は運が良くなりそうな〈運命の導き〉に設定した。


 運を上げたものの、ステータスはデスペナルティと装備の封印のせいで低いのは変わらない。だが、何もしないよりは何かやってみたい。こんな傍観者は詰まらない。

 だから、突撃することにし。カイとラナミさんを助けるために。あわよくばおじさんから何か盗むために。


 声は出さず、足音も立てず。忍びの気分でこっそり進む。煙はだんだん晴れて来ているので視界はそこまで悪くは無い。

 気付かれるギリギリまで来たところで、急に我に返った。


 あれ、僕何してんだ。そもそも僕のステータスじゃ差がありすぎて何もできないのに。いや、でも、ここまで来たしさすがに戻るのもなんかなぁ。


 そんな曖昧な態度でいたせいか、おじさんに気付かれた。人を舌で味わい尽くすような気持ち悪い目で全身をくまなく見られて、鳥肌が止まらなくなった。


 まさか、これがおじさんのスキルなのか?あまりにキモすぎる…。


「ちっと分が悪いから引かせてもらうぜ!だが、俺もここまで頑張ってくれたてめぇらにお土産がしたくてよォ!しっかり受けとってくれや!!」


 おじさんの手から紫色の毒々しい光が出てきた。その光は3つに別れ、僕とラナミさんとカイに向かってきた。とても避けられる速さではなく、全員がその光を食らってしまった。


「くっ!!」


「ゲホッゲホ!がはぁっ!何をしたぁ!!」


 みんな苦しそうなんだけど、僕だけ仲間はずれですかそうですか。そーですか。


「おいおい、2回もやられてまだ気付かねぇのかぁ?俺はてめぇが子供の頃からずっと殺してやりたかったぜぇ?っては?なんでてめぇは効いてねぇんだよぉ!?」


 もしかして:私です?

 …まさか、効果がよく分からない〈運命の導き〉さん!?なんかあいつに返したりできない?頑張って〈運命の導き〉さん!


 もしかして:可能です?

 なんか頭の中が違和感すごいけど…気のせいか?


 もしかして:気のせい?

 あの…毒っぽいやつおじさんに返品してもらっていいですか?


 もしかして:りょ?

 結構軽い感じ?


「ぐほぁ!がはっ、お前、何しやがった!なんで俺の呪術(イヤガラセ)が俺に来た!!お前、なんなんだよぉ!!」


 ちょっと僕にもわからないです。


もしかして:作者は疲れてる?

そうそう、実は疲れてて…。どこかに疲労を癒してくれるような丁度いいブクマや評価がないかなぁ?∵

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