表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽善の聖人、教祖になる  作者: チョコクリーム
2.『罪人と、代理人と、モンスター』
20/46

次なるクエストへ


「こんにちは。クエスト終わったので評価シート出しに来ました!」


「はい、確認しますね。……はい、確認が終わりましたので報酬をお渡しします。今持ってきますので少々お待ちください」


 1分ぐらいして戻ってきた受付さん。なんかなんかレシートみたいなのに報酬の内容が書いてあって、ちゃんと報酬があることを確認した。



 ――――――――――――

 クエスト〈エイジの畑仕事を手伝う〉クリア!

 あなたの任務:達成!


 基本報酬

 1000チェン

 採れたての進化の実(済)


 依頼者

 ラ・エイジ

 仲介者

 始まりの教会


 総合評価

 A


 総合評価A報酬

 ラ・エイジの好感度上昇!

 ――――――――――――



 進化の実はもう貰っているから(済)って表記になっているのかな。

 そして総合評価Aだとステータスポイントは貰えないと。Sになるには何が必要なんだ?


 〈神殿奪還作戦〉はサブ任務を達成していたから?ただクエストをクリアするだけじゃなくて、依頼者を大満足させなきゃなのか?


 それと、このクエストは始まりの教会を挟んでいるけど、〈神殿奪還作戦〉はライミ様からの直接の依頼だったな。個人の方が評価は感情に寄りやすい、とか?


 うーむ、分からん。


「では次のクエストの資料をお渡しします」


「え、休みとかない感じですか?」


「普段はありますが、ハイミ様から特別に休み無しでと言われていますので…」


「なるほど、分かりました。じゃあ次のクエストをお願いします」


 そんなに自由にしている時間はないのかな?クエストを早く終わらせて次に行った方がいいのか。

 いや、でも総合評価を高くすれば貢献ポイントも高くなるのでは?それに罪人からの信頼も必要って言っていたし。


 まあ、とりあえずやってみるか。



 ――――――――――――

 クエスト〈家出したサンジの娘を探す〉

 あなたの任務:家出したサンジの娘を探し、家に送る。

 サブ任務:家出の原因の解明。

 期限:できるだけ早く。


 基本報酬

 3000チェン


 依頼者

 ラ・サンジ

 仲介者

 始まりの教会

 ――――――――――――



 お、サブ任務があるぞ。しかも、そこまで難しくは無さそうだ。ただ、顔も資料に書いてないので探すのが難しそうだ。人手も足りないし。


 何故依頼者のおっさんの写真はあるのに、娘の写真はないんだ…。普通逆じゃないか?

 直接おっさんに特徴を聞くしかないか。


 資料に家の場所が書いてある。エイジさんの畑とはかなり離れてるな。まだ知らない辺りの場所だ。

 探す前にどんな場所か見てみたい所だ。


 どんなものかと思ってサンジさんの家まで来たのだが、ここら辺は活気が凄いな。市場みたいなのがあって、沢山人が集まっていた。

 …探すのは骨が折れそうだ。


「すみません、教会から来ました!ユトです!」


 ドアの前で大きめに声を出すと、家の中からドタドタと足音が聞こえた後、ドアが空いた。


「…ふむ、ユトと言ったな。中に入れ」


「はい!」


 中々気難しそうな人だ。無表情というかなんというか、愛想がない顔をしている。


 テーブルを挟んで対面の形にソファに座った。資料の確認も兼ねて情報を聞いてみたら、なんと娘さんは3歳だったのだ。


 そんな歳から家出をするとは、上手くいってないんだろうか。…母親が見えないのは、()()()()()()か?


 今はその話はいいか。見つけたあとで考えればいい。

 娘さんの情報をまとめると、3歳で赤いシャツに白いスカートを着た金髪の子、という感じだ。名前はサン。

 市場の方に居る可能性が高いと言われたから、まずは市場を探してみるか。



 ・・・・・・


 ある男の奮闘をここに記す。


「こんにちは、君がサンちゃん?」


「…?お兄さん、誰?」


「僕はユト。お父さんからサンちゃんを探すように頼まれてるんだ」


「私サンなんて名前じゃないよ」


「人違いか。ごめんね」


 めげずに捜索を続けたユトに運のステータスは効果を発揮しなかった。


「こんにちは、君がサンちゃん?」


「え、えっと…」


「あなた、私の子に何してるの!早く離れてちょうだい!!」


「え、あ」


「教会の方を呼びますわよ!!」


「す、すみませんでしたー!」


 数え切れない程の不運を体験して、ようやくサンちゃんを見つけることが出来たユト。

 その顔は満足気であった…。


 ・・・・・・



 ふう、畑仕事以上に疲れるとは思わなかったよ。かかった時間は2日ぐらいだけど、疲労は断然こっちの方が上だ。


 何とかサンちゃんを探して家出をした理由を聞いたら、最近遊んでくれなくなったという可愛らしいものだったので、サンジさんに言ってみたらすぐ仲直りした。

 サンジさんは親馬鹿だったのだ。


 サンジさんが直ぐにサンちゃんと遊ぼうとしたので、何とか評価シートだけは貰ってきた。

 なんで頑張ったのにあんな不満げな顔で見られなければいけないのか。納得がいかない。


 ちなみに、エイジさんから貰った進化の実が10個あったのだが、お腹が空いて5個も食べてしまった。

 あんな色で美味いとは思わなくて、一瞬頭がおかしくなったのかと思ってしまった。


 ステータスが1ぐらいは増えるかなと思っていたら全く増えなかった。本当に僕の運は1588もあるんですか…?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ