婚活を手伝え!
昨日は色々疲れたので評価シートを出さずに寝た。〈信徒〉専用の寮があったので、そこを使わせてもらった。
朝起きて、早速評価シートを出しにきた。量をこなさないといけないからなるべく早く終わらせたい。
「おはようございます!評価シート持ってきました!」
「はい、確認しますね。……はい、確認が終わりました。報酬を持ってきますので少々お待ちください」
次はどんなクエストかな。口笛の練習をしながら待っていると、2分ぐらいで出来るようになった。
タイミングよく、受付の人もきた。
「今回、総合評価がSなので貢献ポイントがかなり増えました。あと数回ぐらいで階級が上がりますよ」
「おぉ、そうですか。意外と早いものですね」
「…実は、ユトさんが受けているクエストの依頼者は全員この街で有名な人なんです」
「エイジさんやサンジさんがですか?」
「はい。街の人からの信頼も厚いので、その方達が大丈夫と言えば、街の人は納得します」
「なるほど、ライミ様に感謝しないとですね」
「はい、普通はこんなことはないですよ?」
思っていたより早いな。それにしても、総合評価Sということがネタバレされてしまった…。
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クエスト〈家出したサンジの娘を探す〉クリア!
あなたの任務:達成!
サブ任務:達成!
基本報酬
3000チェン
依頼者
ラ・サンジ
仲介者
始まりの教会
総合評価
S
総合評価S報酬
ラ・サンジの好感度上昇!
ラ・サンの好感度上昇!
ステータスポイント10付与!
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お、ステータスポイントだ。やっぱり総合評価Sが条件か。
そして、次のクエストは…。
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クエスト〈アイミの婚活を手伝う〉
あなたの任務:アイミの婚活を手伝う。
期限:無し。
基本報酬
10000チェン
依頼者
ラ・アイミ
仲介者
始まりの教会
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これは、また、なんとも。
報酬こそ1番高いが、やりにくいな。婚活を手伝ったことなんて1度もないぞ?
資料にて。
ラ・アイミ、31歳。今までに5回の婚約と破棄をしている。なお、婚約を破棄するのは毎回アイミである。
アイミは男運がなく、このままでは行き遅れてしまうと焦っている。慎重になる必要があるだろう。
婚活ってどんな感じでやるんだ?結構金持ちっぽい感じだけど、豪華にやるのかな。
そんなことを思っていた時がありました。資料に書いてある家の場所に来たんだけど、普通の一軒家にしか見えない。
クエストを受けてきたことを伝えると、メイドさんが案内してくれたけど、内装は何も無かった。
「あなたがユトさんね?待っていましたわ」
「はい、よろしくお願いします。アイミさんですね?婚活を手伝うとのことですが、詳細を教えてくださるでしょうか」
「婚活とは言いましたが、まあ、お話をするぐらいですわ。正直な所、普通の方で大丈夫ですわ。…働かない人や金をせびる人や酒癖が酷い人でなければ十分です」
「相手を捕まえてくればいいのでしょうか?」
「捕まえるという言い方はあまり宜しくないですけど、そのような感じです。私が常に相手を募集中なのは皆さんもご存知なので、説明しなくても相手に伝わりますわ。アイミさんの家に来ませんかと誘って案内してもらうのがユトさんの仕事です」
「分かりました。話しかけて直ぐに連れてくる感じですか?」
「えぇ、ただ話すだけですので」
「じゃあ、案内する部屋などを教えて貰えませんか?」
「あぁ、私としたことが忘れていましたわ。失礼、今教えますわ」
・・・・・・
アイミさんの総評を一部抜粋。
「下心が丸見え」
「金しか見えていない」
「養われる気マンマンのヒモ男」
「家を馬鹿にする目で見る男」
「メイドに欲情する男」
「下しか向かない男」
「チャラくマナーのなっていない男」
うわぁ。資料に男運がないとは書いてあったけど、これ程とは。
街で話しかける時は普通の対応なのに、アイミさんの前になると豹変するのは何故なんだ。そういうスキルでもあるのか?
ちなみに、アイミさんは男にどんな気持ちが向けられてるか分かるスキルを持っているらしい。その応用で、メイドに向けられる気持ちなども分かるとか。
今は婚活を中断している。さすがに休憩を入れないとアイミさんも辛いだろう。
「アイミさん、すみません。街の時は皆良い雰囲気だったんですが…」
「それは私の体質なのでお気になさらなずに。…多分、私は普通すら高望みなんでしょうね…」
「そんなことは…」
「いいえ、分かるのですわ。…もう、諦めてしまいましょうか」
何とかしてあげたいけど…。ダメ元であの人に頼んでみるか。
「あの、1人だけ紹介したい人が居ますので、その人を連れてきてもよろしいでしょうか」
「分かりましたわ。ただし、それでダメだったら…」
「それはその時に考えましょう」
「…そうね、最初から諦めていては失礼ね」
まだ夕飯の時間ではないから突然訪問しても大丈夫なはず。好感度も上がっているはずだし、許してくれるだろう。
そう思って、あの人の家に行った。
二つ返事で了承された。お金に困っているのだろうか?いや、子供が居るから金はいくらあっても足りないか。
「すみません、連れてきました」
「はい、通してください」
「失礼します。サンジさん、こちらにどうぞ」
「あぁ、すまないね」
あの人とは、サンジさんのことだ。妻は居なくて、サンジさん1人でサンちゃんを育てている。
誠実そうだし、親馬鹿だから下心とかもないと思う。
どうなるかな。
「こんにち…は…!?」
「…どうしました?」
「…今までこれ程素敵な方に出会ったことは無いわ…」
えっ、嘘でしょ。




