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シェロがパンツを履いた。真っ赤なパンツだった。
裸に黒スーツ、赤パンツ…………ど変態じゃん!!
「お前達…………何者だ?役所の人間か?」
「えーと、何者かと言われると説明が難しいんですけど…………」
そこに、お母さんから電話がかかって来た。
「あ、ちょっとすみません。」
私は電話に出た。
「もしもし?お母さん?ちょっと待ってて。まだ途中なの。途中のゴミ屋敷に…………」
そう言った瞬間、おじいさんが私の携帯を奪って電話に出た。
「おたくの娘は預かった。身代金を用意しておけ。」
そう言って電話を切ると、ゴミの中に投げ入れた。
「ギャー!!私の携帯!!」
嘘でしょ!?最悪!!
必死でゴミの中を探した。
「あった!」
やっとの事で携帯を見つけると、またかかって来た。
「身代金ってどうゆう事!?」
お母さんのこんなに動揺した声、久しぶり聞いた。昔はよく…………
「いや、あのね、それは…………」
今度はシェロに携帯を奪われた。
「腹減った~!」
そして、おじいさんと同じように、ゴミの中に投げ入れた。
「ギャー!!なんで!なんで捨てるの!?」
必死でゴミの中から携帯を探し出した。なんでシェロまでゴミの中に捨てるかな!?
あ、まだつながってる。
「あのね、お母さん?あの、警察とかはいいから。違うから!」
隣でシェロが少年に赤パンツを履くように強要していた。
「やだよ~!止めてよ!」
「今…………男の子の声……。」
「あ、いや、だから違うの!」
まだやってる。
「止めてよ~!」
「うるさい!!ちょっと黙ってて!!」
「うるさいのはお前だ!」
そう言って、おじいさんがまた携帯を奪って、ゴミの中に投げ入れた。
「ギャー!!」
何度も!何度も!!私の携帯ぃい~!
必死で探した。ゴミ、ゴミ、ゴミ~!!ゴミばっかり!!私の携帯~!!




