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本当に、ゴミだらけの家だった。こうゆうの、テレビで見た事あったけど、本物は初めて見た。中に入ったのも初めてだった。何だか…………色んな臭いがする。
シェロは懐かしいって言ってたけど…………僕の家に来る前はきっと、こんな感じの所にいたんだ。それでゴミが懐かしいのかもしれない。
シェロは、僕が幼稚園の時に、シェロの代わりにと言って、お父さんとお母さんが保健所からもらって来た犬だった。
今は人間だから、昔の飼い主の事とか、僕の家族の事、どう思ってるのか聞いてみたい。
「あのさ、シェロ……。」
「なんだ?隼人、やっぱり同じパンツ履きたいか?」
「履かないよ。」
シェロは僕に同じパンツを履かせたいらしい。
「隼人にはちょっと大きいかな~?」
シェロは僕にパンツを当てて言った。だから履かないって。たとえサイズがあったとしても履かないよ……。
「あのさ、シェロは僕と僕の家族の事どう思ってたの?」
「家族?どう?えーと、隼人は好きだ!母ちゃんは怖いな。あれは逆らっちゃいけない。母ちゃん?あ~!!」
シェロは急に立ち上がって言った。
「どうしよう!母ちゃんが帰って来る時間だ!!日が暮れたら母ちゃん帰って来るのに!!隼人がいないってなったら…………」
お母さんには、とてつもない恐怖を感じてるようだった……。
「じゃあ、お母さんに電話する?電話で事情説明して迎えに来てもらえば?」
「でも…………」
「電話、貸してあげる。番号わかる?」
お母さんの携帯の番号は暗記させられた。だから覚えてる。だけど…………
お姉さんは僕が教えた番号に電話をかけ始めた。
「まだ迎えに来て欲しくない?」
「お母さん今、お腹に赤ちゃんがいて大変なんだ……。」
「お前の母ちゃんは妊婦か?それじゃ、こんな所に来させるべきじゃない。」
おじいさんが突然そう言った。
「あ、出た。もしもし?ほら、お母さん出たよ。」
お姉さんは僕に携帯を貸してくれた。
「もしもし?」
「隼人…………?」
お母さんの声だ…………何だか、お母さんの声を聞いたら、胸がいっぱいになった。
「あの……あのね…………」
「今どこにいるの?何してるの?」
僕が涙を堪えて、言葉を詰まらせていると、おじいさんがまた携帯を取って電話に出た。
「この小僧はしばらく預かった。帰りはこの男に送らせる。」
そう言って電話を切ると、ゴミの山の中に携帯を投げ捨てた。
「ギャー!!やっぱり!!」
お姉さんはまた、必死で携帯を探していた。
このおじいさん…………怖いけど、悪い人じゃないのかな?




