打ち上げ花火、下から見たい。6
飛べ! 不死鳥のように!
《打ち上げ花火、下から見たいプロジェクト》
新型花火ダイヤモンドの打ち上げは、
成功するのか!? パート2
の生中継が始まった。
「会場から、リポーターのスズさーん。」
「はい。こちらは、奇跡の復活をとげた
新型花火ダイヤモンドの打ち上げ会場です。
生中継でお送りします。」
そんな緊急特番が、ラジオから流れる。
「あ、プロジェクトチームのリーダー、
ナズナちゃんが挨拶するようです…」
会場からの万雷の拍手に迎えられ、
ナズナちゃん。
『みなさん…』
言葉に、つまる…。
『…みなさん、ダイヤモンドを信じて待っていてくれて、本当にありがとうございます!』
ドンパチコール!
『前回の失敗で…私は立ち止まってしまったけれど、再び歩き出せたのは、世界中のみなさんの応援のおかげだと思ってます』
ドンパチ!
『そして、何よりも…』
ナズナちゃんは、傍らの夢ちゃんと歌ちゃんの元に歩み寄った。
『あたたかく見守ってくれた、歌ちゃん。
再び歩き出す勇気をくれた、夢ちゃん。』
ドンパチ!
『ありがとう! 大好きです!』
ドンパチ…ドン…
レ…レインボー…
レインボー・チェイサー!
レインボー・チェイサー!
ナズナちゃん、夢ちゃん、歌ちゃんの3人は
ぎゅっと、強く肩を抱き合った。
再びマイクの前へ。
『今回、私が新たにチューニングしたのは、
ダイヤモンドではありません。』
「花火…では無いのですか?」
リポーターのスズちゃんが質問する。
『はい。さかさま…逆転の発想です!
私は、打ち上げるために、花火のことばかりを考えていましたが…』
ナズナちゃんは、謎の機械を見る。
『チューニングするべきだったのは——
重力のほうだったのです!』
レインボー・チェイサー!
レインボー・チェイサー!
『さかさまの、きのこの山を見て、
それに気づくことができました!』
——つまり
「重力を突破し、打ち上げを成功させるためには——
これまでのように、花火だけ。
一方向からの視点で考えるのではなく…」
「そもそもの原因である“重力”
“重力”そのものをチューニングするという、
多方面からのアプローチが、必要だったのです」
ラジオでは、みなさんに分かりやすいように
ハイテクノロジー分野のエキスパートが解説した。
「重力チューニング装置…奇跡的な発明です。
全く…喜ばしい……クレイジーですよ!」
エキスパートは嬉しそうに言った。
——ついに打ち上げが始まる。
重力チューニング装置、
《クレイジー・ダイヤモンド》を作動させるナズナちゃん。
打ち上げ花火を中心に、
半径3メートル。
その空間の重力がチューニングされた。
クレイジー・ダイヤモンドは
近距離パワー型。
『いよいよだね。ナズナちゃん』
『うん。歌ちゃん』
『…泣いちゃうかもしんない』
『私もです。夢ちゃん。』
ナズナちゃんは、微笑んで、
もう一度、夢ちゃんと歌ちゃんを見て、
…導火線に火を点けた。




