未来予想図。7
『じゃあー、仮に、仮にですよ?
その、けんいんせー、が、頭痛の原因だとした場合…』
シーナちゃんは、己の存在意義のため、
オカルトサイエンスの名誉のため、
まだ負けを認めるわけにはいかない。
『千里眼ビジョンは、なんだったんですか?』
『シーナちゃん、それは、ですね。』
歌ちゃんは、落ち着いている。
『ミワちゃんが、ここに診察に来るたびに、
夢ちゃん先輩は、必ずと言っていいほど、
スイカバーを、食べていたでしょ?』
『…ごめんなさい…』
『大丈夫ですよ。夢ちゃん先輩…。
プンスコしたのは、お腹を壊さないか、
心配だっただけ、なんです。
今度から、気をつけてくださいね。』
『…はい。…気をつけます…』
しゅん…となってる、夢ちゃんの頭を優しく
ヨチヨチしながら、
歌ちゃんは説明する。
『単純接触効果(ザイアンス効果)です。
何度も見ることで、印象や記憶に残りやすくなる…みたいな。』
『…なんだか、難しい言葉が出てきましたね?
…シーナ的には、アーモンド校歌と聞こえました。』
ようするに、
スイカバーの見過ぎ。
緑。赤。のスイカバーのイメージが無意識に、
インプットされ、オカルト的な実験の緊張、
思い込みブーストで、
『千里眼ビジョン』の幻を、
見てしまったのだ。
そんな感じみたい。
『じゃあ、千里眼は?幻魔大王は?』
『幻魔大王は…よくわからないですけど、
千里眼はたぶん、ただの気のせい。
…だと思います。』
『…そっかー。負けましたー!』
シーナちゃんは、ここで潔く負けを認めた。
『でもでも今回は、たまたま超能力じゃ無かっただけで、世の中は不思議だらけですからね…』
そーゆーとこ。
とても好感が持てる。
オカルト研究の申し子、運命の戦士、
シーナちゃん。
人気投票よろしくお願いします。
『シーナのオカルト研究はまだまだ続きます!』
『そうですね…シーナ博士。』
歌ちゃんが、微笑んだ。
『ふー…でも。』
ミワちゃんが、ふっと安堵のため息。
『私に、そんな未来予知の能力なんて、
無くて良かったかもしれないです。』
『ふむ。そこが疑問なんだか、ミワ君、』
『はい。なんですか?シーナ博士。』
『ミワ君は、ずっと超能力を…千里眼のパワーを喜ぶどころか、どちらかというと、
いらないそぶりさえ見せていた。』
『はい。』
『なぜだね?
未来を見ることができたなら…
栄光への架け橋が、
最初から見えているのなら…
ビクトリーに、まっしぐらでは無いのかね?』
ミワちゃんは、ちょっとだけ考えて、
『だって…きっと、未来なんか…』
『ふむ?』
ポッピンミントパステルの髪が、ふわり。
『わかんない方が、ワクワクします!』
ヨチヨチ。




