ミルク・アレテイア。3
転んだ痛みよりも、
ショックの方が大きかった夢ちゃんは、
やっとおとなしくなって、歌ちゃんの隣に
座ってくれた。
『大丈夫でしたか?どこもケガしてない?』
『うん…』
『夢ちゃん、えらいッス。
転んだのに泣かなかったの、えらいッス!』
『…びっくりしただけ…』
ルンルンちゃんの方がお姉さんに見える。
『あ…でね、ルンルンちゃん、
最近よく遊びに来てくれるけど…』
『仲良しッス!』
『三つ子座のピカピカ、大丈夫なの?』
『ピカピカッス!』
『だって、ルンルンちゃんがいないとー、
…双子座になっちゃうでしょ?』
『…あ。ホントッスね!』
『大丈夫なのかなー?…って。』
『ぜんぜん大丈夫じゃないッス!
三つ子座の星座しなきゃいけないッス!』
『え?…夜になったら、
お空に、帰らなきゃいけなかったの?』
『そーッス!忘れてたッス!』
『そろそろ暗くなっちゃう…けど…』
『……』
ルンルンちゃんは、少しだけ考えて、
『お酒飲んで、どら焼きを運転しちゃ…
ダメッス!』
『…じゃあー…』
『ッス?』
『今日は、うちにお泊まりですね。』
『お泊まり? わあーい!
ルンルン、お泊まり初めてッス!』
嬉しくてフンフンしているルンルン。
『ルンルン♪フンフーンッス!』
『…るんるん…ぱじゃま かしてあげるね』
『夢ちゃんのパジャマッスか?』
『うん…どりる かしてくれたから…』
『ありがとーッス!仲良しッス!』
歌ちゃんも、ニコニコしている。
お酒っていいね。
お泊まりっていいね。
『……』
『あれ?どうしたんですか?
夢ちゃん先輩?』
『…うぅ…』
『ふるふるしてるッス、どうしたッスか?』
さっきまで、ふにゃふわしていた夢ちゃんが、
小さくふるふるし始めた。
『…夢ちゃん先輩?』
またたくまに夢ちゃんの目には
うるうると涙があふれ…
『わあーん』
『?! 夢ちゃん先輩!?』
『夢ちゃん、やっぱ痛かったんッスね!?』
ポロポロポロポロ涙をこぼしながら、
『うたちゃぁーん、だいすきー!』
歌ちゃんに、ぎゅっと抱きついた。
『え? え?』
『あー!いいなーッス!』
『さみしいよー』
『え?』
『ぎゅーしてよー』
『夢ちゃん、あまえんぼさんッス!』
『ぼく…ここだよー』
『夢ちゃん、よっぱらいッス!』
『うたちゃん、だいすきー』
『…はい。私も大好きですよー』
歌ちゃんは、夢ちゃんをぎゅっとしてあげた。
『わあーい!仲良しッス!』
夢ちゃんは、しばらくぐすぐすしていたけど、
ピタッと泣き止んで
『…もーねる。』
と言って歌ちゃんのひざまくらで寝てしまった。
『夢ちゃん、0.1秒で寝ちゃったッス!』
歌ちゃんのひざのうえで、
すーすーと小さな寝息をたて眠る夢ちゃん。
ポンポンしてあげながら、
歌ちゃんは優しく微笑んだ。
『おやすみなさい…夢ちゃん先輩。』




