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夕暮れ時ってさみしいな。



お空が燃えて、お肌が冷たい。


ぼんやりとそれを見つめていると、

あっという間に、冷たい紫と紺色に染まって、

夜に吸い込まれていっちゃった。


体温が奪われていくようなさみしさ。



歌ちゃんは、それを言葉にしてみた。



『夕暮れっ時て、さみしいですね……』



冬の1日。




———



なんで?



「気温が下がる」から?


「日照時間が短い」から?


「家々の明かりが温かそうに見える」なの?




ちがうよ。



——



永遠に解けることのない知恵の輪で、

一生懸命に遊ぶ夢ちゃん。


お部屋の中は、ぽかぽかだから、

もう歌ちゃんのお肌は冷たくない。


夏よりも、春よりも、

なぜか、お部屋の中の安心感はずっと強くて、


その安心感を、きちんと見つめると、

ゆびさきも、鼻先も冷たくなんかないから


本当は、泣いちゃうくらいの安心。



窓の外は、金属みたいな冷たさ。




『うとうと。』


『夢ちゃん先輩、もう眠たいですか?』


『うん。うとうと。』



知恵の輪は、また明日。


お布団に入って、

今日はもう、



『おやすみなさい。夢ちゃん先輩。』


『おやすみ。歌ちゃん。うとうと。』



もふもふうーるうーるな靴下。



あたたかいね。



くー。






さて。



ここからです。

 

本日、歌ちゃんがつぶやいた、


『夕暮れ時って、さみしいですね……』



その理由。



少し、見守っていてください。



静かに、静かに——。




絶対的な安心と、お布団に包まれて、

すやすや眠る、

夢ちゃんと歌ちゃん。



静かに寝息をたてる、

歌ちゃんのまくらの横に、

何かがいるみたい。


ちっちゃくて、やわらかそうな何かは、

歌ちゃんを起こさないように、


ゆっくりゆっくりと、



『夕暮れ時ってさみしいね。』



耳元でそうささやいて、

いなくなった。




お部屋の外が、じんわりと熱をおびて、

明るくなって、


朝。


『おはようございます。』


ぐっすりと眠れたから、今は、

さみしくなんかない歌ちゃん。



朝をして、お昼をして、


ふたたび、夕暮れになって、



そうすると、心当たりもないのに、



『夕暮れ時って、さみしいですね……』



と、つぶやいてみた。



『えー?』


知恵の輪の、隙間からそれを聞いていた

夢ちゃん。




『誰かがそっと、夕暮れ時ってさみしいよ。

って、教えてくれてるのかな?』




と、笑ったよ。













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