ごめんなさい。3。
ボロボロと涙と、はなみず。
そんなキキちゃんを、少しだけ眉を下げて
優しく見つめているララちゃん。
『あの時……あんなひどい事を言ったこと…
ずっとずっと、謝りたかったの…』
失ってしまった時間の長さの分だけ、
涙があふれてとめられない。
『……ごめんなさい……』
『キキちゃん……』
ララちゃんの、ふんわりとした手のひらが、
キキちゃんのほっぺにふれた。
『……ひどい事ってなあに?』
ララちゃんが、微笑みながら、言った。
『……大好きなララちゃんの絵に……私…』
『あの時ね、キキちゃんの言葉、
私には……聞こえてなかったんだよ?』
ララちゃんの目は潤んでいた。
『……え?』
『ちぎれる雲の音を聞いていたの。
だから……あの時、
キキちゃんが何を言ってくれたのか……』
ララちゃんの瞳から涙がこぼれた。
『聞こえてなかったんだよ。』
——
その後、ララちゃんは、
硫黄の雨で、キキちゃんのお家が大変だったと
あとから聞いた事、
風邪をひいて咳コンコンしていたから、
しばらくはお家から出られなかった事、
咳コンコンの治療のために、
遠くの空気の綺麗な場所へ、急に引っ越した事。
キキちゃんへ、さようならを言えなかった事。
を、ゆっくりとお話しした。
『だからね、今日キキちゃんが、
私を探して会いに来てくれたこと、
……とっても嬉しいの。』
『ララちゃん……』
目をピンクにしたキキちゃん。
『小さな頃みたいに、
またキキちゃんと仲良ししたいな。』
ララちゃんは、そっと手を出した。
『……ララちゃん…』
その手を見つめながら少し、
とまどうキキちゃん。
『大好きだよ。キキちゃん。』
『……私も……ララちゃんのこと、大好き!』
ずっと、はなればなれになっていたけれど、
仲良しさんな キキちゃん、ララちゃん。
涙と笑顔と、はなみず。
手をつないだ。
『おなかすいたー。マカロン食べよー?』
仲良しさんな二人を見て、
夢ちゃんも歌ちゃんも、ピンクの目で笑った。
———
海のさざなみ。
みたいな味のマカロンを、
みんなで仲良く食べて、
キキちゃん、夢ちゃん、歌ちゃんは、
ばいばーい。
マカロンおいしかったねー。
また遊ぼうねー。
ララちゃん大好きだよー。
ばいばーい。
約束。
———その夜。
ララちゃんは、引き出しの中から、
そっと
かわいらしいうさぎさんのスケッチブックを
とりだした。
ずっとずっと開くことのできなかった
スケッチブック。
愛おしそうに、優しくページをめくる。
ララちゃんの瞳からは
涙がこぼれていた。




