人それぞれのマイウェイ
A
『大変です!
隕石が、隕石が地球に、向かっています!
このままでは、あと1時間後には、
地球に、ぶつかります!』
B
『大変です!
地球破壊爆弾のスイッチが、悪い奴の手に渡りました。1時間後には地球を木っ端微塵にすると予告が届きました!』
C
『たいへんたいへん。
1時間後には雨がふりそう。
洗濯物が濡れちゃう』
D
『大変です!
世界最大の火山が噴火しそうです。
このままではあと1時間後には世界は燃え尽きてしまいます』
E
『たいへーん。寝坊しちゃった。
1時間後にはアイドルオーデションが始まっちゃう。急がなきゃ。』
F
『あと1時間で、地球に到着します。
幻魔大王さま。』
G
『今日は特に何もする予定が無いから、
レコードでも聞きながら、ゆるゆる過ごそうかな。やあ、雲がのんびりゆくよ。平和だなあ。』
——
A
『どいてくれ。どいてくれ。
ああ、なぜこんな日に限って、大渋滞しているんだ。はやく隕石対策センターに向かわなきゃいけないのに…』
F
『幻魔大王さま、なんだか隣に大きな隕石がありますよ。どうやら、地球に向かっているようです。』
E
『いそげ、いそげー。
キャッ!いてて。ご、ごめんなさい、
私急いでて。大丈夫ですか?』
B
『ふふふ。これで地球を粉々に…わっ。
あ、ごめんなさい。私も不注意でした。
大丈夫ですか?ケガしてない?』
C
『洗濯物、洗濯物…ああ、でも間に合いそうも無いなあー…。まっいーかー。』
D
『至急、火山対策センターに連絡を!
え?通信機器がダメみたい?なんで?
宇宙通信システムに障害が?なんでなんで?』
G
『ふんふん♪らんらん♪
大好きなレコードを聞いて、雲の形で遊んで、
平和だなあ。うとうとしちゃうなあ。』
——
B
『へえー。アイドルなんだね、君。
いいなあ。かわいいもんね。』
E
『うん。ありがとう。でも私、ダメダメなアイドルなんです。今日も寝坊しちゃったし…』
A
『ああ。ダメだ。隕石衝突まで、
あと30分しか無い。とても間に合わない。』
F
『幻魔大王さま、あと30分ほどで到着です。
やあ。雲が見えてきたよ。あはは、
あの雲、大きなクジラさんみたいな形してるー』
D
『なんでなんで通信がダメんなっちゃってんの?やだやだ。空はこんなに晴れているのにー』
C
『洗濯物あきらめちゃった。あ。マカロン屋さんがある。おいしそうだなあー。』
G
『あの大きな雲、まるでくじらさんみたいだなあー。ぷかぷか。どこまで泳いでいくんだい?』
——
A
『あと5分。』
F
『幻魔大王さま、あと5分です。』
B
『ダメダメだなんて。自分でそんなことを言って、あきらめちゃダメだよ。全力で遊ぶんだよ。私たちは…人間はそのために生まれてきたんだからね。』
E
『ありがとう。ぐすぐす。私、つらいから、苦しいからって、逃げちゃうとこでした…
全力で遊ぶ…なんだか元気が出てきました!』
D
『あと5分で噴火しちゃう?わあー。
もうだめだー。せめて、大好きなレコードを聞きながら、その時をむかえよう。
マカロン食べながら。』
C
『マカロンおいしいなあ。』
G
『マカロンおいしいなあー。うとうと。平和。』
——
F
『えっ?幻魔大王さま、この侵略宇宙船に乗ってないの?忘れてきちゃった?やれやれ。
かわいいなあ。仕方ない、一度戻ることにしよう。
Uターンするのに邪魔だから、隣の隕石破壊しちゃえ。えい。』
A
『あれ?隕石が突然消えた!やった!人類は救われた!奇跡だ!お祝いにマカロン食べなきゃ。
ありがとうありがとう神様!』
C
『うふふ。マカロンおいしいなあ』
D
『え?火山噴火しないって?なんでなんで?
謎の宇宙線の影響によるセンサーの故障?
なあんだ。もう治ったの?良かった良かった。
マカロンおいしい。』
E
『ありがとう。私頑張るから、あきらめないから、絶対ステージ見にきてね!行ってきます!
バイバイ!』
B
『うん。絶対に夢を叶えるんだよ!バイバイ!
…やれやれ。
地球破壊は、また今度にしようかな。
いつかあの子がアイドルになれたなら、
マカロンでお祝いをしよう。』
G
『うとうと。平和だなあ。うとうと。
こんなにいっぱいのマカロン食べられない。』




