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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・ダンジョン攻略編

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ダンジョン攻略・覚醒した英雄の息子

 今日は採取でのんびりと攻略をしていたので、また階段に隠れ家を設置することにした。


 ジェンドが何やら考えている様子だったので声をかける。


「ジェンド、どうかしたの?」


「ん…超直感は乱発すると頭痛がするみたいなんだけど、お父さんはなんで平気なのかなって考えてた。本人もなんでかはわかんないみたいで…」


「多分でよければ答えられるけど?」


「!教えて!」


「ジェラルディンさんは一瞬だけ使ってるみたいよ。常時発動は難しいから、広範囲に一瞬だけ。ただ、戦闘中は常時発動してる時もあるみたい」


「……なんでわかるの?」


「魔力の流れで。ただ、予測の域だから正しいかはわかんない。それから超直感も方向性を持たせるといいんじゃない?なんとなくじゃなくて『何を』探したいとか、具体的にイメージして使うの」


「……試してみる」


 ジェンドはニッコリと微笑んだ。さて移動しようかというところで、異変が起きた。


「ギィイ!!」


「おい!?うあああああ!!」


 魔力食いときーちゃんが苦しみだした。魔力食いが暴れだす。


「ロザリンド!」


 ディルクが私を抱き締めて退避した。きこりんかはジャッシュに担がれていて大変シュールな絵面となっている。無事で何より。マリー、ジェラルディンさん、ジェンドは自力で退避したらしい。


「ぐ、ああ…ロザリンド…ダンジョン、マスター、が……」


「アリサ!」


「任せて!」


 アリサがきーちゃんの呪縛を解いた。どうやらダンジョンマスターからの干渉らしい。


「助かった…あ、アイツは……」


 魔力食いは大暴れしていて、簡単には近づけそうにない。しかも精霊の天敵だからアリサのみを行かせるわけにはいかない。仕方なく氷漬けにしようとしたら、ジェンドが前に出た。


「…僕が行く」


 ジェンドは何故か魔力食いでなく、ジェラルディンに向かって駆け出した。


「お父さん!!」


 ジェラルディンさんは腰を落とし、全身のバネをきかせてジェンドを魔力食いに向かって投げ飛ばした。超直感同士によるアイコンタクトだったらしいが、あらかじめ打合せしたかのように滑らかな動きだった。


「ジェンド!!」


「よっ!はっ!」


 ジェンドはひょいひょいと枝を登る。動きを読んでいるかのようだ。


「よいしょ」


 ジェンドが幹から何かを取り出すと、魔力食いが崩れ落ちた。え?ナニソレ、怖い。


「お父さん!!」


「うむ!!」


 落ちたジェンドをジェラルディンさんが回収した。ジェンドが私に拳大の緑色をした実?のようなものを渡した。


「ロザリンド、アリサに治してもらって」


「あ、うん?アリサー」


「はーい」


 アリサが呪縛を解いた。これ、もしかして…地面においたら、双葉の魔物がにょきにょき伸びてあっという間にもと通りの魔力食いになった。


「…………なんでコアがわかったんだ?」


 きーちゃんは顔面蒼白である。つまりジェンドはいきなり魔力食いのコアを引っこ抜き、無力化したわけだ。


「え?なんとなく」


 超直感、怖い!!

 一撃必殺!?


「…お父さん、ちょっと訓練したい。付き合って」


「うむ!わかった!!」


 言うなりオッサンは走り出した…いや、飛び回る。木のしなりを利用して、縦横無尽に移動する。目で追うのがやっとだ。


「わははははははは!」


「…えい!」


 飛び回るジェラルディンさんを、ジェンドはあっさり捕まえた。


「む?」


「お父さん、また逃げて」


「うむ!わははははははは!!」


 ジェンドはその後数回、ジェラルディンさんを捕獲した。オッサンがしんなりしている。瞬発力もスタミナも勝るオッサンを簡単に捕まえるなんてすげー。


「ロザリンドのおかげで…コツ、つかんだかも」


 ジェンドはニッコリと笑った。英雄の息子は、覚醒してしまったようです。


「私はなにもしてませんよ。ジェンドの努力が開花した結果です」



 なんでもかんでも私のせいにしないでいただきたい。ジェンドは超直感のコツをつかんだのか、これからさらなる急成長を遂げるのですが…本人の努力によるものであり、私のアドバイスはきっかけにすぎないと思われます。

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