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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・ダンジョン攻略編

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ダンジョン攻略開始?

 今日からエクストラダンジョン攻略です。ウルファネア城の地下、開かずの扉の前に集合したのですが、4人しかいません。


 凛花はウルファネア城に住んでるので当然1番手。次に私とディルク。遅刻しそうなマリーはネックスが見送りがてら連れてきた。しかし、他が来ていない。懐中時計魔具をぱちりと開く。


「………置いていくか」


「いやいやいや!今までのやりとりとか、熱い戦いが全部無駄!?」


「ジャッシュさんとジェンドは何かあったんじゃないの?」


 すでに何かあったから外されている辺り、ジェラルディンさんへの信頼感がうかがわれます。


「そうね、通信してみるか」


 通信すると、ジェンドが出た。


「ごめん、お姉ちゃん!父さんが…うわああ!」


「あー、把握した」


 ジェンドがテンパりすぎて久しぶりにお姉ちゃん呼びでした。とりあえず通信を切った。予想ではあるが、心当たりかある。


「ちょっと叩き起こしてくるわ」







 ローゼンベルク家別宅。こじんまりとしたジェラルディンさん一家のおうち。


 すでにルーミアさんはお仕事に行ったらしく、不在。そしてなんかドスンバタンしている部屋に入ると、ジェラルディン(多分寝ぼけている)が暴れていた。

 彼は野宿生活が長すぎたせいか、ルーミアさんが居ないとこのような自動防衛行動をとることがある。ちなみに私はこれを驚愕の全自動過剰防衛と呼んでいる。寝ぼけた彼に触ってはいけないのだ。

 ちなみにつがいの匂いは精神安定効果もあるらしく、ルーミアさんが居ればこの現象は起きないしルーミアさんならば沈静化も可能だ。しかし、無いものねだりをしても仕方がない。


「すいません、お嬢様…あたたたた!」


 ジャッシュがジェラルディンさんに関節を極められている。痛そうだ。


「ジェラルディン!起きろぉぉ!!」


 私の叫びにジェラルディンさんがカッと目を開いた。彼は何故か私には攻撃しない。理由は不明である。


「む?ジャッシュはなんで俺のベッドに居るのだ?主も遊びに来たのか?おはよう」


「遅刻です」


「む?」


「既に、待ち合わせから40分が経過しています」


 ジェラルディンさんが青くなった。尻尾もぶわわわっと膨らむ。


「30分で支度しないと置き去りにします!」


「わかった!!」


 ジェラルディンさんは走りだし、階段から落ちたような音がしたが…まあ大丈夫だろう。


「ジャッシュとジェンドは、支度大丈夫?」


「はい。申し訳ありません」


「ごめんなさい」


「いや、悪いのはジェラルディンさんだから」


 どっちもよしよししたら、尻尾を振っていた。


「まあ、いい機会だから言っとくわ。熟睡してるジェラルディンさんを起こす場合、触らず私を呼びなさい」


「「はい」」


 2人ともぐったりしていた。お疲れ様でした。しかし、これからが本番です。


「主!終わったぞ!」


「はやっ!………顔洗って、髪ぐらい直そうか」


 5分もたってないよ!しかも口に食べかすがめっちゃついてますよ。素直に顔を洗ったジェラルディンさんの髪を櫛ですいて整えてやる。私の方が早いと判断したからだ。うん…喜ぶなよ、おっさん。尻尾がパタパタ当たるんだけど。


「何故寝坊したんですか?」


「うむ。昨夜、楽しみすぎて眠れなかった」


「…遠足前の子供か」


 思わず素でつっこんでしまった。


「………楽しみだったのだ」


 くっ、耳と尻尾をしんなりさせるなんて卑怯な!なんか可愛いじゃないか!許したくなるからやめろ!

 とりあえず髪をすくのに集中した。




「くーん」

「きゅーん」


「…………………」


 銀狼の息子さん2人は羨ましそうに見ている。


 コマンド?

 はなしをきく

 むしする

➡もふる

 くしですく

 





「遅くなりました」


「ロザリンドちゃん」


「はい」


「何やらかしたッスか!」


「………てへ」


 銀狼親子3人は、髪の毛が艶サラストレートになりました。ジェラルディンさんの毛は普段はねているのですが、実は寝癖だと今日初めて知りました。

 あの後、羨ましがる銀狼息子2人にもブラッシングをしたら、やたらと艶々サラサラな髪になりました。私も何してんだよと思います。


 魔力はドリル!櫛を使えばサラサラストレート!

 その名は侯爵夫人、ロザリンド!


 あかんあかん。思考が変な方向に飛んだ。気をとりなおして説明しました。


「ジェラルディンさんは寝坊してました。そして巻き込まれた可哀想な息子×2」


「ああ…あの寝ぼけて暴れる癖が出たんだね」


 ちなみにディルクも被害にあったことがあるが、ジェラルディンさんを文字通り叩き起こしました。


「寝癖があまりに酷くて私がやる方が早いと判断してブラッシングをしたら、羨ましがられまして…」


「その結果があれッスか」


「…申し訳ありません」

「…ご、ごめん」


「マリーもしてー」


「後でね」


 マリーをナデナデするとゴロゴロと機嫌よく喉をならした。


 あや?マイダーリンの尻尾がたしーん、たしーんしてる。待たせ過ぎた?ディルクの腕にスリスリする。すぐに尻尾が腕に絡んできた。私、愛されてます。


「えへへ」


「リア充爆発しろッス」


「わはははは、羨ましいだろ!性格もよくて、頭もよくて、見た目も中身もどストライクの理想以上に素敵な旦那様ですよ!」


「…ロザリンド」


 ディルクが嬉しそうです。


「はい」


「…あまり、他の男と仲良くしすぎないでね」


「はい!ディルクがヤキモチやいちゃうもんね」


「………うん」


 恥じらう様がまたかわゆす!指先にキスしたら、赤くなりました。マジ可愛い!


「いちゃつくの、後にしろッス」


「「あ」」


 ジト目の凛花さんに、皆さんうんうん頷いてます。いや、すまぬ。ディルクが可愛すぎるのがいけないのです(責任転嫁した)


 多少ハプニングがありましたが、冒険開始です!

 まさかの攻略開始できなかったオチ(笑)

 次からはちゃんとダンジョンに行きます。苦情はジェラルディンさんにお願いします。


 ちなみにジェラルディンさんがロザリンドに寝ぼけていても攻撃しないのは、本能的にもロザリンドが主だと認識しているためです。

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