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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・凛花と精霊と魔編

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ウルファネアといえば…その2

 少し休憩してからまっさんとまた歩いたッス。おや?少年達がやたら集まっている露店があるッスね。


「ウルファネア名物、聖女様フィギュア!うちのはなんと武器や防具が交換できるよ!」


「なんの!うちの聖女様フィギュアは、変形ができるんだよ!」


『わああああ、すごーい』


 旅行者と思われる少年達と…よくみたらお父さん方もキラキラしてるッスよ。


「まっさんも見るッスか?」


 まっさんはカラクリ関係が好きなのか、見るからにソワソワしてるッス。


「いいのか?」


「もちろんッスよ!」


 というわけで色々見たんスけど…………


「いまいちッスね」


「そうか?これとかスゴいぞ」


 まあ、まっさんが楽しんでるからいいんスけど…


「なんだ嬢ちゃん、うちのフィギュアにケチつけようってのかい?」


「いや、すいませんッス。フィギュアとしての完成度は素晴らしいんスけど、もっとスゴいやつ持ってるから…」


 図体のでかいおじさんに睨まれた。まあ、営業妨害になりかねない発言だったから素直に謝罪したつもりだったんスけど、逆におじさんに火をつけてしまったみたいッスね。


「なら見せてみろよ!そのすげえフィギュアとやらを!」


「はあ…どうぞッス」


 素直にポーチから1体のヴァルキリーフィギュアを取り出した。


「ああん?普通のやつじゃねぇか」


「いや、これを使うんスよ。ヴァルキリー、ロケットパーンチ!」


『ロッザリンドォ!』


 こぶし大のコントローラーに魔力を注ぐと、ヴァルキリーの両手が飛んでまた戻った。ちなみに、コントローラーは昔懐かしのスー○ァミ風ッス。


『うおおおおおお!?』


 なんだこれ、すげぇぇ!!

 やべぇぇ!!

 オッサンとお子さんが大騒ぎである。どうしよう、まださわりなんスけど。


「ま、まだまだだな!」


「そうッスよね!変形!飛空艇モード!」


『うおおおおおお!!』


 すげぇぇ!マジヤベェェ!!ナニコレかっけぇ!!


 オッサンとお子さん達の目からビームが出そうッス。キラキラ通り越してギラギラしてて怖いッス。まっさんは普通にキラキラしてて可愛いッスけど…


「スゴいな、これ!」


 満面の笑みいただきました!


「まだまだッスよ!ヴァルキリー、ドラゴンモード!」


 まっさんのテンションが、見るからにがた落ちした。まっさん、ドラゴン嫌いなの?後に、まっさんはヴァルキリードラゴンにボコられたあげく、おかん風ヴァルキリーにお尻ペンペンという恥辱に満ちた技を喰らっていたことが発覚した。


 何やらかしてんスか、ロザリンドちゃん!!まっさんにお尻ペンペンなんて、生尻なんて、羨ま妬ましい!と苦情を言ったら、外見ドラゴンだからと言われました。

 どういう状況だったんスかね、マジで。


 テンションががた落ちしたまっさんとは逆に、周囲のテンションはMAX。

 とりあえずヴァルキリーフィギュアは通常タイプに移行させて、コントローラーの使い方をまっさんに教えてあげたら大興奮していたッス。

 ちなみに十字キーは移動、↑2連打はジャンプ、↓タメ↑大ジャンプ、↓2連打はしゃがむ。Yは小パンチ、Xは大パンチ、Bが小キック、Aが大キック。さらにコマンドで連続技も可能である。


「対戦もできるッスよ!」


 まっさんに一通り操作を教えたところで、黒ヴァルキリー『ロージィ君プロトタイプ』を取り出したッス。


 そっからは手に汗握るバトルとなり、観客も一丸となって見守ったッス。加減はしたものの、やはり熟練度が上だし格ゲー好きの自分が勝ったッスよ。


「勝者『ロージィ君プロトタイプ』!!」


『うおおおおおお!!』

『ぬああああああ!!』

『とんぬらあああ!!』


 最後、なんか某ドラゴンなクエストの変な名前が聞こえたッスよ。そして、正気にかえったらギラギラした男性に囲まれていて怖かったッス。怯えた自分に気がついたまっさんがさりげなく自分に寄り添ってくれた。まっさんマジイケメン!!


「嬢ちゃん…完敗だ」


 露店のおじさんは真っ白だったッス。


「こんな素晴らしいフィギュアは見たことがねぇ!!いったいどこの誰の作品なんだ!!」


「ロザリンドちゃんと自分とクリスティア魔法院によるコラボ作品ッス。自分はコマンド入力なんかのアイディアだしただけで、ハードはロザリンドちゃんと魔法院の研究者さんが作ったッスよ」


「そうか…」


 ちなみにこの件が原因でウルファネアの技術提携を渋っていた商人がほぼ全員やる気になったらしいッス。ヴァルキリーフィギュアすげぇ。


 そして、どう考えても人に囲まれてて抜け出せそうもなかったのでまっさんに再度離脱していただくはめになったッス。またしても丘の木の下にリターンッスよ。

 さりげなくまっさんに抱きしめられて胸キュンでした。ご褒美アザッス!!しかもまっさん、いい匂いなんスよ…幸せすぎるッス。


「まっさん、そういや気に入ったみたいだからあげるッスよ。どっちがいい?また対戦して欲しいッス」


「いいのか!?」


「はいッス」


「…いいのか!?本当に本当にいいのか!?」


「自分よりまっさんの方が大事にしてくれそうだし、なんなら両方でもいいッスよ」


「…なら、こっちにする。リンカには白が似合うしな」


 まっさんは『ロージィ君プロトタイプ』を大事そうに抱えたッス。ものすごく嬉しそうで何よりッス。

 荷物が邪魔になりそうだから、自分の予備用収納魔法つき小袋もあげたッス。子供みたいにキラキラしたまっさん…萌えるッス。


 また対戦したり、コマンドを練習したりて楽しく過ごしたッス。まっさんは筋がよくて、自分と互角に対戦出来るようになって得意気だったッス。まっさんたら、可愛いッス!惚れてまう…いや、惚れ直したッスよ!


 作者のウッカリが発動しまして、ウルファネアといえば…ヴァルキリーフィギュアじゃないか!と慌てて今回ぶっこみました。後悔はしてません。

 甘いだけのデートにならないのはもはや仕様な気がします。ボケたり余計なものを入れないと駄目らしいです。

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