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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・凛花と精霊と魔編

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『なんか忘れてる』と思った時は、大概大事なナニかを忘れてる。そして手おくれになってから思い出す

 色々あったけど、風の精霊王の加護も無事ゲットしたので帰還しようかと話していたら、ふと思い出した。


「あ、そういや緑の精霊王は試練なしだったはずだし、これから加護もらいに行く?」


「そうなの?」


「そうッスよ。唯一会話のみだったッス」


 凛花もディルクに返事をした。いまいち記憶が曖昧だけど、確か戦闘はなかったし大丈夫だろう。他メンバーも特に予定はないらしく、全員で移動した。しかし、なんか忘れてる気がするんだよなぁ………





「ロザリンドちゃああああん!!」


 エルフの村長ことスイのお祖父様に熱烈大歓迎をされて、私の思考はぶっ飛んでいってしまった。元気だなー、お祖父様。


「んもう!来るならごちそう用意して待っとったのに!皆のもの!祭りじゃ!ロザリンドちゃんが来たぞぉぉ!!」


「ロザリンドちゃんが来ただけでお祭りになるんスか?」


「ロザリンドはここじゃ恩人みたいなものだからね」


 ディルクが懐かしそうに話した。7年前になるんだなぁ。ここでアリサが生まれたんだ。あれ?そういや…


「ロザリンドちゃんよく来たな!」


「おっちゃんいい防具拵えたぞ!持ってけ!」


「いつ来てもいいように用意してた、とっておきのブレンドハーブ石鹸よ!持っていって!」


 あっという間に人懐っこいエルフの村人からお土産攻撃を受けてしまった。


「いや、あの…売り物「無粋なこといいなさんな!アンタが居なきゃ、この村は今ごろ無くなってたかもしんねーんだ!」


「そうそう。感謝しているのよ」


「……ありがたくいただきます。でも、また来たいから対価は受け取ってくださいね」


「…むう…こりゃ一本とられたな!」


「うふふ。じゃあ、必ずまた来てね」


 キチンと代金を…かなり格安だがお支払しました。後で何かお礼しなきゃなぁ。





 そして、私はさっき感じた違和感をすっかりと忘れてしまった。






 そして、結果。







「ロザリンドちゃんのおばかああああ!!」


「正直すまんかった!!」


 宙吊りにされながら凛花に謝罪する。忘れていたこと…それは、ユグドラシルさんは回復して、大変元気にやってますということだった。


 緑の精霊王=ユグドラシルさん。最古のユグドラシルさん…つまりエルフ村のユグドラシルさんこそが緑の精霊王本体なのだが、ゲームでは呪いを受けて精霊として姿も現せず、解呪の対価に加護がもらえるのだった。


 しかし、今のユグドラシルさんは復活していてちゃんと精霊の姿もとれるわけで………………試練を受けることになっちゃったわけだ。そして、現在ディルク以外全員吊るされてるなう。油断してたよ!ディルクは驚異の反射神経で回避しました。


「ええい、つーさん!変身(メタモルフォーゼ)ッス!木の天敵とも言える、最強の山男!木こりさんッスよ!!」


「いや、木こりは戦闘職じゃないでしょ」


 思わずつっこむ私。凛花はナイスバディな筋肉ムキムキ木こりさんに変身した。またおっさんかい!!


「つーか、なんでまたおっさんなんだ?」


 同じく吊るされながら首をかしげるエルンスト。


「木こりさんといえばおじさんッスよ!イメージ大事!」


「…確かにそうです…ね!」


 納得しつつ自分の拘束をナイフで切りつけて解除したジャッシュ。


 しかし、吊るされた木こりなんて怖くないんじゃ?と思ったが、木こり凛花…略して木こ凛花はすぐ解放された。なんで?


 ユグドラシルさんが慌てて距離をとろうと…………いやいや!?


「待って!!その巨体で逃げたら周囲の木々が大ダメージだよ!結界範囲も変わるでしょ!」


 ユグドラシルさんは移動を諦めたようだが怯えてるらしくなんか振動している。凛花を確認したが、斧を持って素振りをしつつ木こりが木を切る歌を歌っている。



 なんてやつだ。



「ユグドラシルさんを更に怯えさせるんじゃない!」


「ロザリンドちゃん、これは試練ッス!真剣勝負ッスよ!木こりをユグドラシルさんが恐れるならば降参してもらえるかもしんないッス!それに下手に札とか使ってユグドラシルさんが丸焦げになったら、目も当てらんないッス!」


「…正論だね。よし!存分に脅かすがいい!!」


了解(ラジャー)ッス!」




 そして、凛花は様々な手段でユグドラシルさんを脅かし………降参…ではなく加護をもぎ取った。


「………怖かった」


 緑の精霊王、泣いてました。……ゴメンよ。勝負の世界は厳しいのだよ。


 ようやく解放されて体を伸ばす。


「ロザリンド、大丈夫?」


「平気平気…ディルクがぎゅーしてくれたら治る」


「ええ?な、ならぎゅー」


「幸せ…」


 いや、実際につがいには癒し効果がある。肌を触れ合わすことで互いの魔力を活性化させ、治癒力を高めたりもするらしい。


 それにしても、夜はあんなことやそんなことや…こんなことまでしてるのに、ぎゅーで照れるディルクに萌える。今夜は私がにゃんにゃん言わせようかな。


「リア充爆発しろッス」


 凛花さんが呆れてました。ふはははは!爆発しないもん!ディルクとイチャイチャして一生過ごすんだから!


 何はともあれ、緑の精霊王、ゲットだぜ!!

 またまた酔勢 倒録様からファンアートをいただきましたので載せておきます。

 今回はイケメン2人です。



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