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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・おいでませヒロインさん編

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凛花さんと呪いの杖

 さて、ちょっとしたジャブも済んだしついでに冒険者ギルドで登録することにした。しかし、凛花がごねた。


「冒険者ギルドに行くのはいいッス!でもこの格好はどうにかしたいッス!!」


 凛花さんは相変わらず魔法少女ルックになっています。とても似合ってます。


「せめてこのナマ足なんとかしたいッス!もっとこう…凛姉ちゃんみたいなカッコいい騎士服とか!」


「「あ」」


 凛花は魔女っ子ステッキに気に入られてしまったらしい。ステッキはアッサリとコスチュームチェンジした。私の白銀騎士服に似ているが、要所にフリルがついていて可愛らしい。ショートパンツにニーハイの騎士服風である。


「可愛いね」


「これはこれで……」


「さっきよりはましッスけど…いや待て!なんで急に服が変わるんスか!?おかしいッス!」


 私は凛花の肩にポン、と手を置いた。


「なつかれたな」


「杖は無機物ッスよ!?」


「その杖は…こと姉ちゃんが神官への嫌がらせで作った伝説の杖です。私に魔法少女とは何かをちょうきょ…………熱く説明され、更なる進化を遂げました。すべては、真の勇者の武器であり防具となるために!」


「つまり、凛姉ちゃんの仕込みじゃないッスか!」


「そうとも言う」


「そうとしか言わないッスよ!」


「まあ、正直私が作った武器の中でも最高ランクだよ?既に歴代の高位神官に受け継がれているから、この世界の知識を持ち、戦闘もサポート特化とはいえ高ランク。更に私の魔改造により魔力増幅と防御力を格段にアップさせました」


「武器性能の良さは理解したッスけど、その素晴らしい技術をなんで魔女っ子ステッキに費やしたッスかぁぁ!?」


 orzのポーズで叫ぶ凛花。そんなに嫌か。しかし、これには事情があるのだ。


「この魔女っ子ステッキは、ずっと真の主を探していました。こと姉ちゃんの嫌がらせ目的で作られた杖さんは、ずっと己の存在に疑問を感じていたのです」


「疑問?」


「なんでおっさんに女性的な衣装を着せるのだろう…魔力増幅はいいとして………という疑問です」


「待て!さっきの凛花が着てたみたいなのを!?」


「そんな…まさか……」


「筋骨隆々のマッチョネストな獣人が着こなしていましたよ」


「うおぉ…」


 沈痛な表情で語る私に、天ちゃんから絞り出すようなうおぉいただきました。


「見たかったッス!」


 絶望する凛花に、驚愕する私達。そういや、こいつ女を腐らせてたんだったよ。


「「マジで!?」」


「本気と書いてマジと読むッス!!」




 うちの姪っ子は剛の者でした。





 気を利かせたステッキさんは自らの記憶を凛花に渡したらしい。


「ふおぉ……素晴らしい!萌えたぎるッス!!」


 私は、大変なタッグを結成させてしまったのかもしれません。


「で、なんであの杖は凛花に渡されたわけ?」


「魔女っ子ステッキは私を主にしようとしましたが、私には残念ながら既にヴァルキリーという相棒が居ましたから…しかしがっつり自我を持った杖は諦めを知らずめんど…しつこ……主を求め、己を磨いたのです」


「隠しきれない本音が出まくってんな」


「我が家でもたまに被害が出たからねぇ…封印したらすすり泣くし」


「完全に呪いのアイテムじゃねぇか!?」


「いや、まあ……だから勇者召喚したら押しつけ………使ってもらおうと思って改造頑張ったよ!超強力になったよ!」


「……なるほど」


「杖さん、よろしく頼むッス!」


 凛花と呪いの魔女っ子ステッキは響きあい、惹かれあったようです。凛花はすっかり杖を気に入り、つーさんとあだ名をつけました。



 まあ、結果オーライ!!



 思わぬ副産物として、魔女っ子ステッキは装備者以外にも強化装備魔法が施せるようになりました。




 つまり『強制(ムリヤリ)魔女っ子装備魔法』である。


 天ちゃんが餌食になり、巫女風ミニスカ魔女っ子装備に花柄ぱんつまで装着していたのは忘れてあげたいと思います。天ちゃんはガチ泣きして帰りました。ごめんなさい。


 しかし魔女っ子ステッキのおかげで凛花の魔法コントロール能力は急成長を遂げました。尊い犠牲はありましたが、結果オーライと思いたいです。

 ちなみに、魔女っ子ステッキは登場時点からヒロインに渡される予定でした。


 しかし、予想外に恐ろしい装備となり、作者がどうしてこうなったと呟いてます。

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