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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・おいでませヒロインさん編

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凛花さんと札術

 助っ人達には帰ってもらい、私とディルク、凛花と天ちゃんだけが残った。

 天井に空いてしまった大穴を塞いでいたら、地の精霊王がもじもじしながら話しかけてきた。


「ハクは元気かい?」


「ああ、元気ですよ。最近ちびちゃん3人目が産まれました」


 実は地の精霊王の孫だったハク。たまたま発覚し、地の精霊王はもうおっさんな(ハク)とひ孫が可愛くてしかたないらしい。ハクは可愛いお嫁さんをもらって、普段は領地で農民生活してます。ちなみにお嫁さんもモグラの獣人で、子供も某トト○のようです。


「喚びます?」


「いやいやいや!あの子も忙しいだろうし、よいのだ!元気ならよいのだ!」


「ハクー」


「はぁい」


 地の精霊王は無視してハクを呼び出した。背中には次男が乗っている。


「あ、ひいじーじぃ」


「…………!!おお……めんこいのう…ハクも元気かい?」


「お久しぶりです、お祖父様ぁ。元気ですよぅ。この間はぁ、おいしいオレンの実をたくさんありがとうございましたぁ。」


 ハクは喚ばれた理由がわかったらしく、ニコニコと精霊王と会話している。小さな次男はよちよちと精霊王によじ登り………地の精霊王はメロメロになっていた。地の精霊達もじゃれていて…撮りたい!超可愛い!あとでぜひ私も抱っこさせてもらおう。



 穴埋めが終わり、そろそろハクを帰そうとしたら、ハクの次男君が私に抱っこを求めてきた。はぅ……もふもふ。あ、そんな悔しそうな顔しないでよ。


「ろじゃねーね、あしょぼ」


 天使!もふ天使!しかし、お父さんはお忙しかったらしく、幸せタイムはあっさり終了しました。


「ねーねは忙しいからぁ、また今度ねぇ。じゃあぁ、ボク帰るよぉ。喚んでくれてありがとうぅ、ロザリンドちゃん」


 ハクは笑うと子供と消えていった。うん、幸せ過ぎると怯えていた彼はもう居ない。幸せ過ぎても、その幸せを守るお父さんになったのだ。なんとなく誇らしい気持ちになった。

 ちびもふと遊べなくて残念だなんて、ちょっとしか思ってないんだから!





 バートン邸に戻り、ディルクは仕事に行きました。3人で応接室を借りて、まずは札を使った術について教わることになりました。


「自分は若干我流になってるッスけど、基本は陰陽五行から来てるッス」


「木克土、土剋水とかってあれね?」


「そッス。五行を利用して威力を増すんスよ。向こうじゃ霊力…こっちなら魔力ッスか?それを年単位でためても、あんな馬鹿みたいな威力にはならねぇッス」


 本来なら足止めぐらいの威力だったらしい。そりゃビックリするわ。足止めどころか一撃必殺だったし。


「なるほど」


 さらには札に書かれた意味等を教えてもらった。そしてそれに魔力をこめて完成。要は魔力製の爆弾なのだろう。

 習字セット的なものがこちらにもあるので、それを使って凛花はいくつか札を作った。試しに私もいくつか作ってみた。


「凛姉ちゃん…」


「んー」


「禍々しいッス!なんでこんな凶悪な札つくるッスか!」


 叱られました。なんとなくイメージ的に札=攻撃だったからつい……


「あー、イメージ的につい…」


「自分はこんな怖いやつ使わないッスからね!」


「うあ…確かに何これ……凛姉ちゃん、これは俺も持ちたくねぇわ」


 興味なさげにごろごろしていた天ちゃんにまでディスられました。


「えー、大丈夫だよ…多分。ところで、天ちゃんが天狗だなんて知らなかった」


「おー。まあ、仕方ないじゃん?凛姉ちゃんが見鬼できるようになると、幽霊とかに憑かれて死にかねなかったからなぁ」


「…………マジか。戻ったらお父様にお礼言っといて…いや、手紙を書くから届けて!」


「おー」


「天ちゃんもありがとう。知らないとこで守っていてくれたんだね」


「…うん」


 穏やかに笑う天ちゃんは、見た目こそ天狗だが、やっぱりいつもと変わらない幼馴染の男の子だった。




 さて札を色々作っていたら、慣れてきた。そして、ふと思った。札に注ぐ魔力はどこまでか限界なのか…と疑問に思った。というわけで、レッツ実験。


 魔力を注ぐ➡魔力ポーションで回復➡魔力を注ぐ………という作業を繰り返し………なんか札が膨れた。5回が限界なんだね。異常に気がついたのは凛花だった。


「ゴルァァァ!!なん!そん…危険ッス!ヤバイッス!!何やらかしてんスかぁぁぁ!?」


 大騒ぎする凛花に、本を読んでた天ちゃんがチラリとこちらを見て、羽をブワワッとさせた。


「は!?え!?」


「実験しちゃった☆どこまで入るのかなって……」


「美少女のテヘペロいただきましたッス…ではなく!これガチにヤバイッス!!」


 しかたないのでウルファネアの荒野にやってきました。ウルファネアトップから許可はいただいています。凛花と天ちゃんは、膨れた札に怯えてめちゃくちゃ遠くにいます。


「発動」


 札から魔力が溢れだす。確かに札に書かれたままならヤバイ。この一帯が氷漬けだが、魔力の方向を変えてみた。






 立派な氷のお城ができました。





「さっっむ!!」


「寒い!!」


 あらかじめなんかあったとき用に結界をはっていた私は平気だったが、二人は冷気を浴びたらしく騒いでいた。


「凛姉ちゃんが札使うと生態系を破壊するッス!!使用禁止ッス!!」


 凛花から使用禁止にされました。何故だ。ちゃんと配慮して威力を限局させたし、ちゃんとコントロールしたのに。

 ちなみに氷のお城はうちの双子天使がちょっと遊びました。

ちなみに、あの札はもう少しで暴発するとこでした。危なかったね!


ついでに、もう作者がいいかげんロザリンドを成長させたくてカットしましたが、ハクは地の精霊王の孫でした。地の精霊王は娘婿と娘は生きていると信じて探していたので魔には憑かれていませんでした。

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