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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・おいでませヒロインさん編

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凛花さんの力と友達

 とりあえず龍は元の世界に帰ったので凛花に確認することに。


「凛花はいつからああいう友達がいたわけ?」


「天ちゃんとは物心つく前から友達だったッス。渡瀬本家は神職だから、神に好かれやすくて見鬼の才がある人間が多いんスよ。昔は神に好かれた人間をかけあわせていたと聞いてるッス」


「……私、その話全く知らないんだけど」


「天ちゃんパパ…渡瀬が仕える天狐神社の神様が伏せたッスからねぇ。凛姉ちゃんは体が弱いから、負担かけないよーにって凛姉ちゃんの力を封じて隠したッスよ。クソババアに知られたら利用されかねねぇッスからね」


「…………ええ?」


 クソババア…渡瀬本家の祖母かな?あの人は私には優しいが、こと姉ちゃんには酷かった。そういや凛花にもやたら突っかかっていた気がする。


「言葉サンの遺言でもあったと聞いてるッス」


「こと姉ちゃん…」


 しんみりする。どうやら凛は知らないところで色んな人や神から守られていたらしい。


「凛姉ちゃんの寿命を延ばしたくて、神様達頑張ってたッスよ。特にさっきいた、みっさんとか。5年が限度だったみたいッスけど」


「そーゆーことは早く言って!!あれ?なんで今は見えてたわけ?」


「こっちの方が大気の魔力が濃いからじゃないッスかね?多分こっちなら見鬼の才がなくとも見えるッス。あとは凛姉ちゃんが死んで封印が解けたからもあるかもッス」


「なるほど」


 とりあえず、謎は解けました。というか、私の周りが知らぬ間に人外魔境になっていた………はっ!?


「凛花…まさか勝野君は……」


「河童ッス」


「………キュウリ好きだったもんなぁ」


 もしやと思ったら、上の部屋の住人(ハゲ)もか!どうなってんだよ!衝撃を受けつつも時間がないから次は地の精霊王のとこに行きました。皆へのお礼は考えておこう。





 地下深く…迷宮…というかやたらモグラ獣人が掘りまくった結果、迷宮化した地下通路を抜けることなく転移した。既に連絡を受けてて準備万端な地の精霊王。


「では、試練を開始する」


「心の準備ぃぃ!!」


 凛花の悲しい叫びがこだましたが、先ほどよりは心の準備ができていたらしい。


「疾く、律令の如く、せよ!!」


 凛花はなにやら懐から札らしきものを取りだし、発動させた。凶悪なまでの魔力が一気に溢れ、吹き荒れる暴風に目も開けられない。飛ばされないようにするのが手いっぱいだ。息もできない!



「ロザリンド!!」



 ディルクが私をだき抱えてくれた。そのおかげでなんとか魔法を使う余裕ができた。素早く全員が吹き飛ばないよう結界を展開した。一時的な効果だったためか、暴風は暫くしておさまった。






 あれ?地の精霊王……………………………………………………………………………………………


 いない?








 地の精霊王は凛花が起こした竜巻で空いた大穴の向こう…はるか上空に飛ばされているとディルクとジェラルディンさんが証言した。







 これ、どーなんの?






 どーすんの?地の精霊王、あんな高さから落ちたら肉の塊になっちゃわない?ひき肉~、ではなく!!







「ひょわあああああああ!?」


 いや、お前がやらかしたんだよ?凛花も予想外の威力だったらしく、アワアワしている。


『凛花、大丈夫か?』


「て、天ちゃん!!天ちゃぁぁん!!助けてほしいッスぅぅ!!」


 凛花は泣き出す寸前の声で必死に幼馴染に助けを求めた。天ちゃんは逆に冷静だ。


『喚べ』


「我が友、天音(あまね)!この喚び声に応えよ!!」


 翼を生やした少年が現れた。なかなかのイケメンだが、修験者風の衣装はまさしく天狗。近所の可愛い弟分は、本当に天狗でした。凛花は必死に上を指す。


「あの人誤ってぶっ飛ばしちゃったッス!!助けてほしいッス!!」


『助けてって、お前をじゃないのかよ』


 天ちゃんはあきれた眼差しを凛花に向けたが、面倒見がいい彼はきちんと精霊王を助けてあげようと近づいた。


『でっか!オッサン超でっか!!』


 近づいた天ちゃんは精霊王のでかさにびっくりしながらも助けてあげていた。


「「びっくりした……」」


 そして、助かった地の精霊王と凛花はお互いよつん這いのOrzのポーズをしていた。


「…凛花もびっくりしたわけ?」


「いや、向こうじゃあんなとんでもない威力は出ないんスよ!!こっちは魔力がめちゃめちゃ濃いのを忘れてたッス!!」


「…凛花、今日の予定を変更します。あのとんでもない魔法は味方を巻き込む危険があります。全部威力を確認してください。ついでに私にも教えてください」


「………はい」


「ところで、試練だが」


「「あ、忘れてた」」


 ハモった私と凛花に再びOrzのポーズを取る地の精霊王。ごめんよ、そういや今は試練中だったわ。あの暴風のインパクトで試練中だってことまでブッ飛んでたわ。

 あの、皆さん呆れないで!私もビックリしたんだよ!


「と、ともかく!見事だった。勇者リンカに加護を与えよう!流石はコトハの血縁だな」


 加護をゲットだぜ!めでたしめでたし…と思いきや、ジェラルディンさんがしんなりしていた。


「主、我々はなんのために来たのだろうか」


「まあ、楽でいいけど……護衛要らなくね?」


 相変わらず身も蓋もないカーティスの発言…!しかし全く否定できない……!


「…凛花が戦力外でも対処できる編成にしたつもりでしたが…………考え直します」


 護衛の皆様には謝罪しつつ、再編成が必要だと思いました。予想外過ぎたんだよ!主に凛花が!!

 ちなみに本家の祖母が凛花にも態度が悪いのは、分家筋なのに本家よりも能力が高いからです。逆に能力がないとされていた凛には比較的優しい祖母でした

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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
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