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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!  作者: 明。
ロザリンド14歳・勇者と宗教大国編

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○○誕生!どうしてこうなった!?

 蜜月を終えて、自宅にディルクと向かいました。町はお祭りでした。


「肉肉筋肉!ロッザリンド!!」


「ロザリンド様、ばんざーい!!」


「ロザリンド様、最高!!」


「勇者様ぁぁ!!勇者ロザリンド様!!」





「…ロザリンド、目が死んだ魚みたいな感じだよ」


「…気分もそんな感じだよ」


 認めたくはないが、勇者ロザリンド祭りが開催されてしまったらしい。なんでだ。何故にバレたのだ……身の危険を感じたため、町は歩かず自宅にディルクと転移した。


「お帰り、ロザリンド」


 そして、帰宅早々笑顔の兄に正座させられた私。これどう考えても説教モードですよね?


「………説明!」


「喜んで!と言いたいところですが、私にも何が何やらサッパリなんですけど」


「おかえり、ロザリンド。総ての教会に神託があったのだ。『ロザリンド=バートンは勇者である。総ての教会は勇者に従え。さもなくば、世界は闇に包まれる』…………だったか?」


 父も珍しく家にいたらしく、出迎えてくれた。


「ただいま、父様…………なんてこった!」


「ロザリンド!?」


 倒れた私を即座に抱き止めるディルク。流石です。




 神託とは。

 教会の神官に送られる神からのメッセージである。神は基本的に無干渉だが、例外はある。世界滅亡等の危機的な状況に限り神託を送り、勇者を選定する。ちなみに、勇者は新たに送られた贈り人か、現在いる贈り人から選定されるらしい。


 呼ばないと思っていたが、呼ばざるをえないだろう。


「ポッポちゃん!ポッポちゃああああん!!」


「はい。お呼びですか?ロザリンド様」


「「…誰?」」


「あ、しまった!」


 唐突に現れたシヴァになんとなく似た白い青年は、見たことある白い小鳥になりました。


「……ポッポちゃん、本来は人型なの?」


「特にこだわりはありませんが、掃除など小回りが利きますし便利なのであの姿が基本ですね」


「…掃除するの?」


「シヴァ達が散らかすので……片付けてます」


「…今度それも含めて折檻しとくね」


「ありがとうございます。念入りにお願いします」


 どうやら、神の使者に神への忠誠はないらしい。後で聞いたが、ポッポちゃんはあくまで『勇者のサポート』がメインのお仕事らしく、神を敬ったり仕えるのは本来業務じゃないらしい。じゃあ、お仕置きに神様耐久正座を監督しろっていったらどうする?と聞いたら、イイ笑顔で喜んでと言われました。なんか、ポッポちゃんと仲良くなれそうな気がしてきました。


「ロザリンド、この……鳥さんは?」


 兄が戸惑っている。不本意ながら紹介した。


「自称神の使者、ポッポちゃんです」


「…あの、ちゃんと本物ですから自称じゃないです。主にシヴァ神の使者で勇者様をサポートしております。ポッポちゃんと申します」


 ポッポちゃんがペコリとお辞儀した。


「…あの、うちの妹は本当に勇者なんですか?なんで勇者になっちゃったんですか?」


 兄が恐る恐るポッポちゃんにたずねた。


「そもそもロザリンド様はウルファネアだけでなくユグドラシルの回復など、間接的に世界を救っております。そして、今なさっていることも世界を間接的に救済することになります。それゆえシヴァ様がサポートの為に勇者に認定いたしました」


「余計なことを!!」


「しかし、コトハ様の遺産を簡単に得られますよ。セインティアの遺産を得るついでに、セインティアをボコボコにしてほしいらしいです」


「…………ボコボコにがメインじゃないの?」


「………ぴっぴぴ~」


 口笛を吹く鳥。器用だな。しかし、汗をだらだらかいている。腹芸は苦手なんだな。覚えておこう。


「ポッポちゃん、正直に」


「…恐らくはそちらがメインかと。しかし、ロザリンド様なら実態を聞いたら放置はしないとシヴァ様は考えております」


「嫌な予感しかしないね…」


 蜜月復帰早々に、厄介ごとの気配です。






 宗教大国、セインティア。この国は教会が国を治めている。四大宗教の教会の総本山が存在し、4人の教皇をトップとしている。


 あの我らが誇る忍者メイドでも潜入できなかった。ガードが固くて、こと姉ちゃんの遺産があることしか確認できていない。やや鎖国気味で、入国も厳しく制限されている。


「確かにセインティアの遺産は難航してたけど…勇者になんなくても…いや、むしろ彼方さんが勇者でもよかったんじゃ…」


「カナタでは駄目ですよ。戦闘力が上がったとはいえ、腕に覚えがある複数人に囲まれたり家族を人質にとられたら抗えません」


「…ポッポちゃんは彼方さんと知り合いで?」


「友人です」


 ポッポちゃんは嬉しそうに笑った。ふむ、彼方さんと友人なら私とも上手くやっていけるだろうね。納得いかないのは確かだが、今さら神託撤回は不可能だから…せいぜい利用させていただこう。


「あ、悪いこと考えてる顔だ」


「……俺も必ず連れてってね」


 呆れる兄と、心配してくれてるディルク。


「頼りにしてますよ、旦那様」


 さて、蜜月の間にたまった仕事を片付けたら、セインティアに行くことになりました。


 そして死ぬほど不本意ながら、勇者ロザリンドが誕生しました。


 どうしてこうなった!?

 すいません、次ヒロインにしようと思ったんですが……シヴァに寄り道させられました。


 セインティア編の次にヒロインとなります。



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ユハズ先生も絵が綺麗なので必見ですよ!!悪なりコミカライズ、スタート!! 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!コミカライズのリンクはこちら!」 小説二巻、発売中です。書き下ろしもありますよー 「悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!二巻のリンクはこちら!」
― 新着の感想 ―
「だってロザリンドちゃんだから仕方ない」のです!! マトモなぽっぽちゃん新鮮ですね〜。
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