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# **「目覚めた奇跡の魔法」**

# **『13人の魔女と、魔法が使えない最後の魔女』**


## エピソード4


# **「目覚めた奇跡の魔法」**


---


訓練場は、静まり返っていた。


誰も動けない。


誰も言葉を発せない。


ついさっきまで悠斗を飲み込もうとしていた炎の竜は、跡形もなく消えていた。


その中心に立っているのは――


リリア。


「私……。」


自分の手を見つめる。


淡い銀色の光は、少しずつ消えていった。


「今……魔法を使ったの?」


その声は震えていた。


一番信じられないのは、リリア自身だった。


---


炎の魔女フレアが、ゆっくりと歩み寄る。


「あなた……本当にリリアなの?」


「えっ?」


「魔法が使えないはずじゃ……。」


リリアは首を横に振る。


「わ、分かりません……。」


「私にも何が起きたのか……。」


悠斗は笑顔で親指を立てた。


「すごかった!」


「悠斗さん……。」


「俺を助けてくれたんだろ?」


「ありがとう。」


その一言で、リリアの瞳に涙が浮かぶ。


「私……。」


「誰かを守れた……。」


生まれて初めてだった。


魔法で誰かを助けられたのは。


---


その時だった。


ゴーン……。


ゴーン……。


塔中に鐘の音が鳴り響く。


「緊急招集?」


水の魔女マリナが顔をしかめる。


十二人の魔女は顔を見合わせた。


「まさか……。」


「こんな日に?」


全員が急いで最上階へ向かう。


---


そこには、一人の老魔女が立っていた。


純白のローブ。


長い銀髪。


優しい笑顔。


魔女たちの師であり、世界最古の魔女――


**大魔女アストリア。**


全員が頭を下げる。


「先生。」


アストリアは静かにリリアを見る。


「……ついに、この日が来ました。」


リリアは戸惑う。


「先生?」


アストリアはゆっくり口を開く。


「リリア。」


「あなたは魔法が使えなかったのではありません。」


「え?」


「あなたの魔法は――」


その瞬間。


塔全体が激しく揺れた。


ドゴォォォン!!


窓ガラスが砕け散る。


「きゃあっ!」


外を見ると、空が真っ黒に染まっていた。


巨大な黒い渦が空を覆っている。


「魔物の大群だ!」


風の魔女シルフィが叫ぶ。


黒い翼を持つ怪物。


巨大な狼。


鎧をまとった魔人。


何百、何千という敵が、魔女の塔へ向かって飛んできていた。


フレアが杖を構える。


「こんな数……!」


命の魔女エリスの顔が青ざめる。


「ありえない……。」


アストリアだけは冷静だった。


「始まってしまいました。」


悠斗が尋ねる。


「何がですか?」


老魔女は静かに答えた。


「百年に一度訪れる――」


**『魔女狩り戦争』です。**


魔女たちの表情が一変する。


その名は、歴史の本でしか知らない恐ろしい戦争だった。


---


その頃。


黒い雲の上。


巨大な玉座に、一人の男が座っていた。


黒い鎧。


紅い瞳。


禍々しい魔力。


「リリア。」


男は不気味に笑う。


「やっと見つけた。」


「世界を創り直すために……。」


「お前の力をいただこう。」


彼の背後では、数え切れないほどの魔物たちが雄叫びを上げる。


世界を揺るがす戦いが、いま始まろうとしていた。


---


## 次回予告


### **エピソード5**


# **「魔女狩り戦争、開戦!」**


魔物の大軍が魔女の塔を包囲する。


十三人の魔女は世界を守るため、ついに総力戦へ!


しかし、戦いの最中、リリアは敵の王から「お前は私の娘だ」と衝撃の言葉を告げられる。


運命がさらに大きく動き始める――。


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