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# **「空から落ちてきた少年」**

# **『13人の魔女と、魔法が使えない最後の魔女』**


## エピソード1


# **「空から落ちてきた少年」**


---


異世界――アルカディア。


そこは魔法がすべてを支配する世界だった。


世界の平和は、十三人の魔女によって守られている。


炎の魔女。


水の魔女。


風の魔女。


雷の魔女。


氷の魔女。


土の魔女。


花の魔女。


星の魔女。


光の魔女。


闇の魔女。


時の魔女。


命の魔女。


そして――


**十三番目の魔女。**


「……また失敗した。」


少女は小さくつぶやいた。


銀色の長い髪。


透き通る青い瞳。


名前は**リリア**。


彼女だけは、魔法が一つも使えなかった。


杖を振っても。


魔法陣を描いても。


呪文を唱えても。


何も起きない。


「ぷっ!」


「見て見て! また失敗してる!」


「十三番目なのに魔法が使えないなんて、笑える!」


若い魔法使いたちの笑い声が響く。


リリアは何も言い返さなかった。


言い返せない。


本当だから。


「ご、ごめんなさい……。」


謝ることしかできなかった。


---


その日の夜。


リリアは丘の上に座り、一人で星空を見上げていた。


「どうして……私だけ……。」


涙が一粒。


静かにこぼれ落ちる。


その瞬間だった。


空が突然、真っ白に光った。


ゴォォォォォッ!!


「えっ!?」


流れ星……ではない。


何かがものすごい速さで落ちてくる。


「きゃあああ!」


ドーーーーーン!!


森が大きく揺れた。


リリアは慌てて駆け出した。


「だ、大丈夫ですか!?」


煙の中にいたのは――


黒い制服を着た一人の少年だった。


「いてて……。」


少年は頭をかきながら立ち上がる。


「ここ……どこ?」


リリアは目を丸くした。


「え?」


少年も目を丸くする。


「え?」


しばらく見つめ合う二人。


沈黙。


そして少年が笑った。


「もしかして……俺、異世界に来ちゃった?」


リリアは思わず吹き出した。


「ふふっ……。」


何日ぶりだろう。


心から笑ったのは。


「笑った!」


少年は嬉しそうに言う。


「笑うとかわいいじゃん。」


リリアの顔が真っ赤になった。


「か、かわいい!?」


「うん。」


あまりにも自然に言われたので、


リリアは固まってしまう。


「そ、そんなこと初めて言われました……。」


少年は頭を下げた。


「俺は**神崎悠斗**。」


「日本って国から来た高校生。」


「君は?」


リリアは少し恥ずかしそうに微笑む。


「私は……リリア。」


「魔女です。」


悠斗は目を輝かせた。


「えぇっ!? 本物の魔女!?」


「すごい!」


「魔法見せて!」


リリアの笑顔が止まる。


俯く。


「……ごめんなさい。」


「私……。」


「魔法が使えない魔女なんです。」


静かな風が吹いた。


悠斗は驚かなかった。


笑いもしなかった。


代わりに優しく笑って言った。


「じゃあ、一緒だ。」


「え?」


「俺もこの世界じゃ、何の力もない。」


「だから仲間だな。」


その言葉は、


誰よりも欲しかった言葉だった。


リリアの瞳から涙があふれる。


「ありがとう……。」


その瞬間。


二人の足元に、淡い金色の光が広がった。


まるで世界そのものが、


二人の出会いを祝福するように――。


しかし、その光を遠く離れた黒い塔から見つめる者がいた。


漆黒のローブをまとった謎の人物が、不気味に笑う。


「見つけたぞ……。」


「魔法を持たぬ魔女と、異世界の少年。」


「世界を揺るがす運命の歯車が、ついに動き始めたか……。」


その声は夜の闇へと溶けていった。


---


## 次回予告


### **エピソード2**


# **「魔女たちの歓迎は、最悪でした!」**


十三人の魔女が集う《魔女の塔》へ案内された悠斗。


しかし、異世界から来た少年を待っていたのは歓迎ではなく、冷たい視線だった。


「人間なんて信用できない!」


「リリア、また厄介者を拾ったの?」


そんな中、炎の魔女が悠斗に決闘を申し込む!


魔法が飛び交う世界で、力を持たない少年はどう立ち向かうのか?


**落ちこぼれ魔女と異世界少年の運命が、大きく動き始める――。**


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