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第754話 社交場前の一幕


「く、くそっ!?お、おい、お前ら!やっちまえ!相手はジジイひとりだ、こっちは…」


 ずり落ちそうになるズボンを押さえながら男が叫んだ。その声を受けて無法者としか良いようがない連中が動き出す。その時、僕の目の前に小さな人影が飛び出した。


「こいつら、悪い奴ね!だったら片付けてやるわ!」


 風精霊ゼピュロスのキリである。


「ま、待ってよ、キリ。君の攻撃魔法は刃物みたいに鋭いから…」


 僕は先日の襲撃の時の事を思い出していた、キリは飛んできた金属製の矢を真っ二つにして防いでいた。あれと同じ魔法だったら下手すると悪人とはいえ首とか飛んでしまうかもしれない。それを心配して言ったのだけどキリは自信満々に応じた。


「ふふんっ♪そんなヘマしないわよ!見てなさい、アタシの攻撃魔法はこんなのもあるのよっ!」


 そう言うとキリはバレーボールぐらいの緑色の玉を浮かび上がらせた、その周囲には空気の渦のようなものが盛んに巻き付いている。


「風を圧縮してぶつけてやるの!見てなさいよねっ」


 そう言うとキリは空気の玉を前に飛ばした、その先にはヒョイさんを取り囲もうと動いていた男の無防備な後頭部があった。玉はそのまま男に直撃し小さな悲鳴と共にドサリと倒れた。


「あっ!?」


「てめえ、何しやがる!?」


 男たちはまたひとり仲間がやられたのを見てこちらを見た。そして僕を相手にする判断をしたようだ。当たり前か、当初の標的であるヒョイさんは杖から抜いた細身の刀身をした隠し武器を持っている訳だし腕前も確かなのは間違いない。一方の僕は武器も手にしていない一般人、ヒョイさんに背を向けこちらに迫ってくる。しかし、こちらには頼りになる二人の護衛がいる。


「たまには暴れるか」


「ああ」


 ナジナさんとウォズマさんがあっさりとこちらに迫る二人を叩き伏せた。仲間があっさりとやられてしまい、たったひとり残ってしまった男は混乱をしているようだ。拳こそ振り上げたはいいものの仲間がやられ表情に恐怖の色が混じる。そんな男の背後にヒョイさんがいつの間にか近づいていた、そしていつものように飄々と…それでいて何かを宣告するかのように囁いた。


「残るはあなたひとりですな」


「…ッ!?ヒ、ヒイイイィッ!!」


 倒れた仲間を見捨てて残る一人が走り出した、自分だけこの場から逃げようというのだろう。そんなひとりだけ逃走を試みた男だったが突然頭を揺らしたかと思うと真後ろに倒れた。まるでドッジボールの玉が顔面に当たった人のようだ。


「えっ…?なにが…」


 起こったんだろう…、そう思って男が逃げようとした先を見てみるとそこには白いロープともどこか違うような独特の服を着た男の人が立っていたのだった。


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