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第52話:作戦会議、そして再び・・・・

「おーい! 生きてるか~?」


 大声を出しながらキョロキョロと辺りを見ていたゴードンが俺を発見して近づいて来たが、呆けた顔のまま頬を触っている俺を見て不思議そうな顔をしている。


「生きていてくれた事は本当に良かったんだが、そんなアホ面してどうしたんだ?」


 アホ面という言葉に少しムッときた事で我に返り、今さっき自分に起きた事を思い返し浮かんできた疑問をゴードンに投げかけずにはいられなかった。


「・・・・ルザートゥスって老人の男だよな?」

「そりゃ活躍していたのが俺達が生まれるかなり前の話なんだから本人なら老人なのはたしかだろうが、性別を確認した事がある奴ってのは聞いた事が無いから男とは限らないかもな」

「男とは限らないって、でもあんな立派な顎鬚があったろ!?」

「あったけど、だからって男と断定は出来無いだろ。もしかしたら付け髭かもしれないし、お得意の幻術かもしれないし」


(言われてみれば偽るのなんて簡単だし確認していない以上ゴードンの意見の可能性もありえる、それに姿が簡単に偽れるなら見た目だってそうだ。とすると俺が触った胸は本物で、ルザートゥスの正体は若い美女という可能性もありえるのか?)


「とりあえずこの場を離れないか、人が集まってこの惨状を俺達のせいにされちゃ適わないからな」


 ゴードンに言われ改めて周囲を見てみると、辺りの家々は多大に破損し何軒かは全壊している所もある。俺の周辺だけでもかなりの被害が出ているのだ、ゴードンが逃げている時にでた被害を合わせたらとんでも無い事になるのは容易く考えついた。


(狙われていたのが俺なんだからこの被害状況は俺のせいなんだろうか? いや、こんな所で戦端を開いたアイツのせいでもあるはず。簡単に弁償できる額でも無いだろうし、ゴードンの言う通りここは速やかに逃げた方が懸命だな)


 互いに頷き人の集まりがまだ疎らで破壊されている家屋に注意がいっているうちにひっそり且つ速やかにその場を後にし、現場をかなり離れ見えなくなった所で一息つく為に近くの茶屋に滑り込んだ。


「しっかし、任せたとはいえ赤鬼あれに追われてよくまぁ傷一つ無かったもんだよ」

「そりゃ遠くから物投げたりして注意を引くだけで一切近づかなかったし、この街には詳しいからどこをどう逃げればいいか分かってたからな」

「なるほどなぁ、それで傷負っていたら現役の冒険者としてどうかって話にもなるか」

「まぁな、それより俺なんかよりもルザートゥスを相手にしてお前が五体満足無事だったのが俺としては驚きだよ」

「無事だったのは運が良かったからさ、こっちの攻撃はまともに入らないのにあっちの攻撃は分身わけみとか使われてボカスカ喰らうわで回復魔法&短時間じゃなかったら殺されていた可能性もありえたかもな」


(まぁ、分身の正体は解らなかったが奴の戦い方だと街中じゃなければやりようは考えられるが)


「そうなのか? だったら次までに少しでも対策を考えて置いたほうがいいんじゃないのか?」

「その前に誰にどんな理由で狙われたかだ、村に戻ったらシエル達と話してその辺りを考えないと」

「昔のシエル姉達を考えたらどこかで恨み買っていても可笑しくないかもしれないが、テツヤもって事はごく最近の話しだろ?」

「あぁ、今のパーティーはこの国に入ってからだからその間に恨まれるような事をした覚えは無いんだけど」

「とりあえずその事は帰ってから話そうぜ、すっかり遅くなったがまだ買い出し終わっていないんだし」


 その後は買い出しの間や帰路でも警戒を続けたが、なんの襲撃もなく無事に帰りつく。村では子供達とシエルが遊んでおり俺達に気付くやいなや「遅いっ!」と少し怒った顔をして近寄ってきたので急いで昼食の準備するからと謝り街であった事を話しながら家へ戻った。


「ふ~ん、そんな事があったんだ。巻き込まれたゴーくんはご愁傷さまとしか言えないね」

「まったくだ。それでシエル姉、一体何をやったんだ?」

「ちょ、ちょっとちょっと、なんで私が何かやったみたいな聞き方するのよ!?」

「そりゃ、3人のなかで何かやるとして一番怪しいのはシエル姉だし」

「いくら私でも暗殺者で狙われる程恨まれるような事はしないわよ! ねぇ?」

「「・・・・・・」」

「なんとか言ってよ~!」

「・・・・さてシエルで遊ぶのはこの辺にして、3人で活動していて恨みを買ったのには少しだけ心当たりがあるわ」

「それは?」

「辻斬り事件よ」

「それって被害者の身内か誰かが助けられなかった私達を恨んでるってこと?」

「いいえ。それはまずありえないだろうから、この場合加害者が私達を恨んでるかもってこと」

「加害者って辻斬りが?」

「えぇ、辻斬りにしてみれば私達は追い回して邪魔したことになるからね」

「自業自得のくせに逆恨みもいいとこだな」

「そうね。それに辻斬り(偽)には護衛が付いていたわ、普通辻斬りは実力者がやるものだから護衛なんて必要ないでしょ? なのに護衛がいたって事は辻斬り(偽)はそれなりに地位が高いお偉いさんって可能性が高く、そういう奴なら暗殺者とそれなりに繋がりがあっても可笑しくないでしょ」

「なるほど、そうなるとまた狙われる可能性が高いから行動する時は3人まとまっていた方が良いな。依頼もあまり進まないのにめんどい事になったもんだぜ」

「とりあえず狙われている事は気にかけて置くことしか出来ないからここまでにしましょ、それよりテツヤ聞いてきた話を聞かせてもらえるかしら?」


 俺はナタルから聞いた事を話すと2人は少し驚いてすぐに暗い表情をみせる。


「何かしら起きている事はたしかなようだけど、有益な情報とまではいかなかったわね」

「だね、やっぱりここは手っ取り早く領主のとこに忍び込む?」

「今のままだと何にも手がかりが得られそうにないしそれも一つの手か」

「明日はそれを踏まえて街での探索をしましょ、逃げ道とかも確保しとかないといけないし」


 しばらく忍び込む手順等を話し合い、残った午後の時間は各自思い思いの時間を過ごし夕食を済ませた後は早めに寝ることした。皆が寝静まっている丑三つ時、ふと俺の枕元で何かが落ちたような小さな音がした事で目が覚める。寝ぼけ眼でそれが何か確認してみるとそこには紙に包まれた小石が1つ落ちており、不思議がりながらも紙を広げると内容に少し驚かされ皆を起こさないように準備をすませて村出てしばらく進んだ先にある野原へと向かった。野原には木がポツンと一本ある以外何も無い場所であったが・・・・。


「ちゃんと一人で来た、居るんだろ!?」


 周囲の誰かに呼びかけるように声をかけると、木の陰から女性が一人現れる。


「ふん、ホントに一人だけで来るなんて随分余裕じゃない?」

「一人で来いって呼び出しといてよく云うよ、それで何の用だ『ルザートゥス』!」

「昼間の決着をつけに来たのよ」

「へぇ~、それはそれは仕事熱心だな」

「くっ! 仕事なんて昼間失敗した時点でとっくに切られたわよ!」

「それじゃこれは私怨かよ」

「えぇ、仕事失敗の汚名と昼間あんな事された恨みを込めたね・・・・今度こそ殺す!」

「なら、俺が勝ったら色々と聞きたい事があるからそれを洗い浚い話してもらおうか」

「昼間一方的に負けてたくせに勝ったらですって? いいわよ、万一お前が勝ったら私が知ってる事を話してあげるわ」

「契約成立だな、言っとくがこの場所だと俺に有利だぜ」

「戯言をっ!!」


 ルザートゥスは一瞬で終わらせるとばかりに昼間の最後に見せた攻撃を分身わけみを4体出した状態で仕掛けてくる。猛スピードで突っこんでくるルザートゥス達に普通では為す術無いだろうが、ここが街中ではなくちょっと無茶をしても周りに被害が何も起きない野原という事が俺にとって好機であった。ギリギリまでルザートゥス達を引き付け今まさに攻撃を仕掛けてこようとした瞬間魔力一気に解放する。解放された膨大な魔力は凄まじいエネルギーとなってあらゆる物を吹き飛ばしながら周囲にいっきに拡がっていき、そのエネルギーが収まった後に見たものは俺を中心に直径50m&深さ2~3mはあろうかというクレーターと吹き飛ばされかなりの速度で木にぶつかった衝撃で気絶しているルザートゥスという光景であった。


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