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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第一章
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第40話 治癒魔術

 あまりにも早く寝てしまったからなのか、早めに目が覚めてしまった。時間を確認するとまだ5時過ぎらしい。

 両腕を確認すると、ファラもミリアも俺の腕枕の中で抱き付く形になり寝息を立てている。


 この状況。本当に夢のようだ。

 まだ寝ているようなので、二人の柔肌、主に胸周辺を撫でながら夢のような一時を満喫する。

 周辺と例えたのは、説明するまでもないが、起伏がないため、恐らく胸として膨らむであろう位置だからである。

 そんな誰に向けた説明か分からないことを頭の中で解説していると、ファラが目を覚ました。


「タカシ、おはよ」

「うん、おはよう、ファラ」

「タカシはおっぱいすき?」

「うん、大小関係なく好きだよ」


 昨日もミリアの胸を揉んでいたし、今も二人の胸を揉んでいるので、気になったのだろう。

 心配しなくても、ファラの乳首すらあるのかないのか分からないような無乳も大好きだからな!

 あ、心配なんてするわけないか。というより、声に出すの忘れた。


「ならいい」

「どうかした?」

「タカシはミリアのおっぱいしかさわらないから、ファラに興味がないのか心配した。好きならいい」

「ファラも大好きだよ」


 心配してたのか! ごめんよ、ファラ。これからはがっつりいかせてもらうからな!


「……あの、いつまで触ってるんですか」

「あぁ、ミリア。おはよう」


 どうやらファラとの会話でミリアも目が覚めたようだ。


「はい、おはぁぅ! よごじゃぁっま……じゃなくて!」

「もう、ミリアは朝から元気だなぁ」

「そうじゃなくて! んんっ! い、いつまで、あぁっ! む、胸触ってるんでっすかっんぅっ!」

「だって、そこに胸があるから」


 ちょっと哲学的に言ってみる。

 まぁ、ミリアには効果はないんだけど。


「もう……タッカシさんぅっ! いちゅ、も、そうですぅっ! いぅ、いつもぉえ、エッチなことばっぅ、かりです! すぅ、少しはじ、自重してくだっさぅ、いぅ!」

「だってミリアの事も好きだし、仕方ない。諦めて」

「す、すす、あぅ、あ諦めませ、んぅっ!」


 揉まれて感じながら怒ってる。これはこれで一つのジャンルとして確立できそうな光景だな。

 このままずっと怒られていたいけど、仕方ない。中止するか。


「さぁ、着替えて朝ごはんにしよう」

「ん」

「はぁはぁ……うぅっんっ! もう!」


 腕の中に居る二人をそのまま起こし、服を着て、仮キッチンに移動する。

 材料は昨日とほぼ同じだけど、この世界、昼は食べないみたいだし、多めに食べておかないとな。

 そう考えながら調理してたら、結局昨日と同じメニューになってしまった。

 これから先、料理を作る機会が増えるから、材料とレシピを増やしておかないといけないな。


 美少女二人との食事も終わり、お茶を飲みながら一息着いたので、出掛ける準備をする。


「さて、それじゃあ忘れ物もないようだし、そろそろ出発しようか」

「はい」

「ん」


 作った家はそのままにして、門を出たところで、ここからどうやって街まで行くか考えてなかったことに気が付いた。

 ミリアに確認しておくか。


「ミリア、ここから先の案内お願いして良いかな? あ、それとモンスターとかって出る?」

「分かりました。ここから先は平野になるので、特にモンスターは出ないと思います」

「そっか。それじゃあ、魔法の練習でもしながら行こうか」

「はい」


 川沿いを歩きながら、平野に出る。

 そこで昨日はミリアを失神させて、結局聞くことが出来なかった付与魔術について聞いてみることにした。


「ミリア。付与魔術ってどんなの? やっぱり武器に火を付与するとか、そういう魔法?」

「簡単に言えばそうですね。魔術士は物に対して魔法を付与できます。僧侶などは人物に対して魔法を付与できます」

「じゃあ、ミリア。このナイフに火の魔法を付与してみてよ」

「付与魔術を覚えてない魔術士が物に魔法を付与したら、対象は壊れます。私がやっても壊れるだろうから、勿体ないですよ?」


 自分のレベルに気が付いていないのか?

 いや、そうだ。ステータスが見れないからレベルが上がっても使えるかどうか分からないのか。


「ミリアは昨日、俺が潜在能力を引き出したお陰なのか、付与魔術も使えるようになってるから、安心してやってみて」

「えっ……私、使えるんですか、付与魔術?」

「それに、今では三人の中で一番高い魔力を持ってるよ」

「えぇ!? タカシさんより!?」

「うん。多分、そこら辺の魔導士よりも高い魔力なんじゃないかな」


 限界までポイントを割り振ったんだ。多分間違いではないだろう。

 これでINTにも振れば、魔導士にもなっていない20レベル程度なのに、この世界でトップクラスの魔力になるだろう。


 ミリアを見ると、「フフ……」や「サイネンショウ……」などブツブツ言いながら、自分の手を見てニヤニヤしている。

 傍から見たら危ない中二な少女だな……。


「そんなわけで、ミリア。早速やってみて」

「はい!」


 朝は怒ってたのに、魔法のことになるとすぐ元気になるな。今度からはこうやって機嫌を取ろう。

 ミリアは受け取ったナイフに早速、火を付与する練習を行っているので、集中を乱すのも悪いし、そっとしておこう。


「ファラ。ちょっと試して欲しいことがある。良いかな?」

「ん。なにする?」


 ミリアに渡したナイフと同じ物を取り出し、自分の左腕を少し斬る。自傷癖なんて持ってないから普通に痛い。


「俺が今からやることをしっかり見て、真似をしてみて。あ、自分の腕は斬らないようにね?」

「ん!?」


 自分で腕を切ったことに驚いたのか、一瞬目を見開いていたが、すぐにいつものファラに戻った。

 そこで、自分で斬った腕に治癒を使い、傷を治す。


「傷よ治れーって祈りながら、魔力を傷に向かって放つ感じ」

「わかった」


 続けて右手も同じようにナイフで切る。痛い。でも、ファラの為だ。仕方ない!

 それより、利き手じゃないから力加減を間違えた。斬り過ぎて、ぱっくりいってる。さっきより痛い。


 バカだ俺……。


「いってぇ。やばい。ファラ、早く治してくれ! このままじゃ俺、血が足りなくて死んでしまう!」

「まって。だめ、タカシ、死なないで!」


 ファラの感情が表に出たのを見るのは初めてかもしれない。かわいい。

 かわいいけど、痛い。


 ファラが俺の血が出ている腕を掴んで必死に治そうとしているが、テンパってうまくいかないようだ。

 もっとこう、治るっていうイメージが必要なんだが、ちょっと芝居をやりすぎたか?

 でも、こうでもしないと練習にならないしなぁ。


「痛い。まずい、ファラ、早く……」

「わからない。だめ。死んじゃだめ!」


 ファラがかわいいので、更に芝居を続けることにした。

 ファラが大きな声を出すのは珍しい。ミリアもそれに気が付いたのか、練習を辞めて慌ててこちらに走ってくる。

 ファラは俺の腕しか見ていないので、左手の人差指を口に当て、ミリアに何も喋らないよう合図する。


「どうすれば……タカシ。だめ。はやく、自分でなおして」

「ダメだファラ。痛くて……魔法に集中できない……ファラがやってくれ……傷が治っていくイメージをしながら魔力を込めるんだ」

「うう、イメージ……イメージ……」


 ファラが目を瞑り、ブツブツ言いながら両手を傷に向けて、魔力を込めているのが分かる。

 ファラの両腕が光り、傷が塞がっていくのが見て分かる。


 俺が使う治癒は掌が光る程度だが、ファラは両腕が光っている。これが僧侶の純粋な治癒と、使徒が使う模倣の違いなのか?


「ふう……。心配させてごめんな。でもちゃんと出来たじゃないか。さすがファラだ。ありがとう」

「タカシは死んじゃだめ。タカシの怪我はファラが治す」

「頼もしいな。助かるよ」


 頭を撫でてあげると、ファラが抱き付いてきた。

 その間にファラのステータスを確認しておく。


▼ファラ・オスロ Lv.11 魔術士 Rank.E

HP:270(270+0)

MP:515(495+50)


ATK:143(135+8)

MAG:382(360+22)

DEF:164(135+29)

AGI:135(135+0)


STR:3(+ -) VIT:3(+ -) INT:8(+ -) DEX:3(+ -) CHA:15* (0)

JOB:M魔術士Lv.11 S使徒Lv.11 奴隷Lv.5 冒険者Lv.1 村人Lv.1

SKL:魔力上昇小 初級魔術 初級召喚魔術 中級治癒 模倣

EQP:ウッドワンド+2 ゴシックロリータ ヘッドドレス レザーブーツ

INV:マナポーション5

GLD:白貨0、金貨0、銀貨49、銅貨100


 レベル10で模倣が2つになったはずなのに、1つ減って、そこに中級治癒が入っている。


 中級……?


 真似させようとしたのは、初級治癒だったはずだが……。

 あれ、待てよ? そもそもファラには何をするのか教えてないな。

 見て真似をするから、それが初級、中級、上級と分からなければ、本人が覚えるのは魔力に適した等級なのか?

 これは良い情報を得たかもしれない。今後、ミリアやファラにスキルを模倣させる際は、何をするのか言わずに教えよう。


「それで、タカシさん。何をやってたんですか……? 何でファラが治癒魔法使えるんですか?」


 あぁ、またあの目だ。ミリアのジト目。たまんないな。


「魔術士はミリアに任せることにしたから、ファラには回復も覚えてもらおうと思って、実験してたんだ。てへ」

「てへ……じゃないです! またファラにだけ!」

「ミリアには希望通り、魔術を使えるようにしてるじゃん。別に贔屓じゃないよ? 治癒は俺も使えるから二人だけど、物に魔法を付与するのはミリアにしかできないし、ファラからすればミリアの方が特別扱いだよ?」


 付与魔術か……物じゃなくて人には付与できるようになったんだけど、これは黙っておこう。


「た、確かにそうでした……。ごめんなさい。ファラもごめんなさい」

「ファラは、タカシがぶじならそれでいい」


 やっぱりミリアは素直だな。かわいい。ファラも俺の事を思ってくれてて嬉しい。


「それじゃ、街に到着するまで今教えた魔法を各自練習!」


 ミリアには、ナイフに各属性の魔法の付与。ファラは俺に対して治癒魔術。俺は自分を強化する付与魔術の練習を行いながら歩く。


 数時間練習しながら歩いていると、前方に城壁が見え始めた。


「やっと着いたな。二人とも、精神力はまだ大丈夫?」

「まだ余裕ありそうです」

「だいじょぶ」

「よし、とりあえず街の中に入ろう」


 いきなり倒れられても困るので、確認した後、街に入ることにした。まだ大丈夫そうだ。


 街の城門では、カードを見せるだけですぐに街に入れてもらう事が出来た。

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