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ステータスマイスター  作者: なめこ汁
第二章
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第27話 人工

 休憩タイムが終わり、探索を再開する。


「よーし、出発だー」

「まだ西の方に進むんですか?」


 今回は、直線に近いルートで合流ができたので、前回と違って、ダンジョン内をあまり探索出来ていない。

 それに、半日近くも西に進んでいるのに、突き当たりがない事で心配になったのだろう。

 俺だって心配だ。


「今のところ、分岐点らしき場所って、数ヶ所しかなかったよな。このダンジョン、どうなっているんだ?」

「どうなっているんでしょうかね……かなり古いダンジョンだとは聞いていますが」

「わたしも、気になっていました。こんなに簡単な構造だったら、すぐ攻略されてそうですよね」


 ミリアとソシエが顎に手を当て、考えている。

 こうやって見ると、種族は違えど、まるで姉妹のようだな。


「おい、ジジイ何か知らないか?」

「ふむ、我もいくつかダンジョンを巡った事はあるがのう、こんな簡易な造りは珍しいのう。初めてじゃ」

「役に立たない奴だな」

「なにおう!?」


 ジジイが珍しいと言うんだ、本当に珍しい造りなのだろう。


「しかしのう、ここが古いというのは確かじゃ。我が幼い頃より、存在しておったようじゃし」


 こいつの歳を知らないが、半世紀以上は昔のダンジョンである、ということなのだろう。


「あ、お兄ちゃん。ランも気になってたんだけどさ、いい?」

「何だ。アホみたいな事言い出したら容赦しないぞ」

「ランだけ、ひどい!?」

「ほら、言ってみろ」

「ダンジョンに入った時からなんだけどさ、壁にね、道順が描いてあるんだよねー。これ何かな?」

「バカな事言ってんじゃねーよ。どうせ、そういう模様だろ?」

「そんなことないって、ほらこっち」


 ランに、道順とやらが描いてあるらしい壁まで案内される。


「ほら、これ」

「ちっさ!」


 物凄く小さい矢印が壁に彫ってあり、その下に文字がある。


「こんなに小さいの、良く見つけたな」

「ふふーん、ラン、暗いところ得意だからさっ」

「そうか。おい、ミリア。これ何て書いてあるんだ?」

「えーと、ぱ、し、り? パシリ?」

「何だそれ。パシリの皆さん購買はこちらですよ、的な順路か?」

「こうばい?」

「いや、何でもない」


 パシリって何だ? ボスの名前か?


「このまま行くとパシリに出るのかの?」

「だから、パシリって何だよ、出るってどういうことだよ?」

「パシリは、お主らが住んでおる大陸から海を挟み、西にある大陸にある街の名前じゃ」

「おいおい、ここはダンジョンだぞ? ボスも倒さずに出ることが出来るのかよ?」

「なるほどのう……」


 ジジイが一人で勝手に納得していることが気に食わない。

 どついてやろうかと思ったが、可愛い顔しやがって。くそぅ。


「あぁっ、パシリ! 思い出しました。そうです。アレス様の言う通り、隣の大陸にある港街の名前です!」

「わたしは知らないです……」


 ミリアは答えが出たらしいが、ソシエは知らないらしい。

 それにしても、ジジイの事をアレス様とか言うなよ。俺には未だ“様”なんて付けたことないのによ……。


「それで、どういうことなんだよ」

「恐らくなんじゃが、ここは人工的に作られた。大陸と大陸を繋ぐダンジョンなんじゃろうな」

「ダンジョンって人工的に作れるものなのか?」

「我ほどになれば、可能じゃぞい。えっへん!」


 ジジイが腰に手を当てて、得意顔で自慢している。今は賢神でもなければ、魔術すら使えないただの幼女なのにな。

 ジジイはともかくとして、アルメ本体に罪はないし、可愛いのでそっとしておこう。


 空間魔術があるので、極めたら可能だとは思っていたが、まさかこんなに大きなダンジョンを作る事ができるとは驚きだ……。


「でもさ、これだけデカいと維持が大変なんじゃないか?」

「造るのは大変じゃが、ダンジョン化してしまえば維持する必要はないぞい。後は、放置しておけば良いだけじゃ。不要になったり、気に入らないのであれば、コアを壊せば良いだけじゃし」

「そういうものなのか……」


 なるほど。そういう使い方があるのか。これは良いネタをゲットしたな。色々と妄想が捗る。

 その内、ハーレムの為に領地でもゲットしようと思っていたが、土地が無いのなら作れば良いじゃない、ということか。


 これは良い情報だ!


「あれ? でも人工物なのに、何でモンスターが出てくるんだよ」

「人工物とはいえ、ダンジョンはダンジョンじゃよ。モンスターの思念が集まって造られるか、人間の欲という思念を固めて造るか、結果的には同じじゃ。当然、そこに思念は集まるし、それがモンスターになるというわけじゃ」

「ダンジョンである限り、モンスターは沸いてくるということか」

「そういうことじゃな」


 でも、良く考えたら自分だけの空間を造ることができて、レベルを上げることもできる。完璧じゃないか!

 しかし、ダンジョン作成となると、場所は厳選するのが先だな。ダンジョン内で出るモンスターは、ダンジョン周辺のモンスターに依存するらしいし。

 あぁ……考えただけでもワクワクしてきたな。今すぐにでも作りに行きたい。


「タカシさん……また何か悪い事考えてますね……」

「え、あれってそういう顔なのですか?」

「そうなのか。むふふ、我にも一口噛ませてくれぬかのう?」


 おい、ソシエに変なこと教えるなよな。まだピュアなんだから。


「悪い事なんて考えていないぞ。俺は常に世界平和を願っている」

「さすが勇者、いえ、ご主人様ですね。買われて良かった……」

「ダメですよ、ソシエ。タカシさんがこの顔の時は、必ず何か変な事しか考えていないです。気を付けてください」

「おいおい、ミリアちゃん。酷い事を言うじゃないかー。そんなに変な事をされたいのかい?」

「ひぅっ、これは、ちがっ、違います! ソシエに、タカシさんの事を少しでも分かってもらおうと!」

「本当は?」

「ほ、本当ですってば!」


 まぁ、良いだろう。今日のところは許してやろう。


「そんなことより、お兄ちゃん!」

「何だよ、ラン。今いいとこだったのに邪魔すんなよ」

「ひどい!? ランの一言で色々分かったぽいのに……」

「そうだったな」


 ランに歩みより、ギュッと抱き締めてやる。


「ランありがとうな。疑ってごめん。大好きだぞ」

「ふぇっ!?」


 抱き締めたまま耳元で囁き、頭を撫でてあげる。


「ちょちょちょ、え、何、いいのこれ!?」

「お前のお陰だ。やっぱりお前は頼りになるな。今後も頼むぞ」

「頼りに!? にへへぇ……うん。ランがんばるよー」


 最後に頬にキスをして、離す。


「はぁ……大好き……チュー……うふふ。嫁……」


 頬に手を当て、クネクネしてやがる。本気でそう思った事を口に出しただけだが、単純で助かるな。


「タカシ、ファラも」

「頑張ったら、な!」


 今回ばかりはラン一人の手柄だし、ファラに同じことはしない。代わりに肩車をしてあげる。


「……わかった」

「よし、良い子だ」


 ファラを乗せたまま、ミリアとソシエの頭も撫でておく。


「よし、そうと分かれば早速パシリに行こうか。ルリア、ミュウ。モンスター共は任せたぞ。ここからはパルとパロも前線な」

「たまにはボクだって……はっ!? 前線は任せて!」

「ふんっ、別にエロ魔王の為じゃないですっ!」

「アタイもがんばるよーっ!」

「パルには負けないからねっ!」


 ルリアがランをジッと見ていたが、羨ましかったのだろうか。

 今度じっくりたっぷり可愛がってあげよう。剣術以外で。


 色々分かったところで、再出発する。


 ランには進行方向の右側にある壁を注意しながら見てもらうが、結局は一本道なので意味はないようだ。

 念の為、反対側の壁をミリアに見てもらったところ、矢印が東を向いており、オスルムと書いてあったそうだ。

 ジジイの言う、大陸と大陸を繋ぐダンジョンということで間違いないのだろう。


 それが分かっただけで気が楽だな。

 ただ、今回はそこまでレベルを上げられそうにないのが残念だ。


「おい、ジジイ。一つ思ったことがあるんだが、いいか?」

「なんじゃ?」

「大陸を繋ぐダンジョンって事は出口が二つあるって事だよな? それって実現可能なのか?」

「可能じゃよ。本来、自然に出来たダンジョンだと、コアを壊さないと出口は出てこんが、人工的に造ったダンジョンは、出入り口を一ヶ所だけ好きな位置に設定できるからの」

「便利すぎだろ!」


 自然に出来たダンジョンは内部からの出口が一つしか存在せず、人工的に造ったダンジョンは出口が二つある。

 その為、人工ダンジョンでは入った側を入口、出て行く側を出口とするらしい。

 但し、どちらのダンジョンも、中に入った際はランダムな位置に飛ばされるのは一緒で、運が良ければ目的地の近く、悪ければ今回の俺達のように、長距離を移動しないといけないらしい。


「じゃあ、ダンジョン内を一部屋だけにして、右をオスルム、左をパシリみたいにすれば良いじゃないか」

「ダンジョン空間内は、時間の流れが元の空間と同じじゃろう? 実は移動距離も同じなのじゃよ」

「知らなかった。そうか、そういうことなのか。ということはだ、このダンジョンでたまにある横道は、出口を確認した痕跡ってわけか」

「そうじゃろうな。閉鎖空間では、どうしても距離や時間の感覚がおかしくなるからのう」


 ここを造った奴が、そろそろ大陸に着いたかと思い出口を造るがまだだった、という恥ずかしい記録なのだろう。

 出口を造るが、間違い、造る、間違い、造る、間違い。どれだけ確認してるんだよ!


「間違ったのであれば、道を無くせば良いじゃないか」

「空間を変更するのに、魔力を使うじゃろうが。そんな無駄な魔力を使うくらいじゃったら、先に進めた方が良いと思わんかの?」

「あぁ、そういうことか。そこは性格の問題だろうな。俺ならば、あまりにも恥ずかしいから間違いは全て消去するが」

「我もそうじゃが」


 他人に良く見られたい、というところは一緒なのだろう。

 だが、そういう共通点があっても、別に嬉しくも何ともない。


 なるほど。


 そうか……俺がジジイをあまり好きになれないのは、そういう事なのか。やっと分かったぞ。同族嫌悪というやつだ。

 ミュウ等から見たら、エロで変態というカテゴライズでは、俺とジジイは一緒に見えるのかもしれない。

 自分で自分をエロや変態というと悲しくなるな……。


 まぁ、いい。間違いではないし。


「なぁ、となりの大陸までどのくらいの距離があるんだ?」

「ふーむ、ここが今どの辺りか分からんから、何とも言えんのう。オスルム北の港からパシリまでは船で丸二日じゃったかの」

「オスルムの北が海だとは知っていたが、港があったのか」

「うむ。当時は可愛い子が多くてのう」

「そうか。それは一度行かないといけないな」


――ペシ


 そうだった。ファラを肩車しているんだった。


「ファラも気にならないか? 港だと、異国の果物とか、美味しいお菓子があるかもしれないぞ?」

「……それはいちどいかないといけないな」


 俺の真似をしたのだろう。可愛い。


「そうじゃろうそうじゃろう、その時は是非、頼むぞい?」

「気が向いたらな」

「そんなっ!?」


 街中で賢者を使って欲しいのだろうが、まだ約束を何も果たしてもらっていないからな。


「忘れておった! ミリア、ファラ、勉強の時間じゃぞ!」

「思い出したか」

「お主が色々質問してくるからじゃ。ほら、二人とも始めるぞい」

「はい!」

「ん」


 ファラを下ろして、ミリアと共に勉強をさせる。


「じゃあ、ソシエも勉強だ」

「はい!」


 ソシエに各種付与を施し、剣を持たせルリアの下に向かわせる。


――ルリア。聞こえるか?

――――おわぁ!? こ、これは実際経験すると驚くね。

――今からソシエも前線だ。剣術の基礎を教えてあげてくれ。

――――何故ボクなんだ? タカシ殿は何でもできる。タカシ殿が教えた方が、強くなれると思うのだが。

――これはお前の修行でもあるんだよ。人に教えるっていうのは、とても難しいんだ。教えるには、その人の癖や思考を動きから読み取り、分かり易く教えないといけない。

――――なるほどっ! ボクも一段階上を目指せるということか。流石タカシ殿、実に合理的だ!

――だから、頼んだぞ。剣術はお前だけが頼りだ。

――あい分かった。任せてくれ。


 適当な理由を言ったが、合理的とまで言われた。こいつ、意味が分かって使っているのだろうか。

 ランを褒めた時、凝視するほど羨ましそうにしていたしな、後でルリアもじっくりねっとり可愛がってあげよう。


 それにしても、皆それぞれ何かやっているし、ヒマになったな。

 何もしていないのは、マリーとマルカくらいだ。

 マルカはヒーラーとして、全員を見ている必要があるが、マリーは精霊を出して歩いているだけだ。


「おい、マリー。ヒマそうだな」

「えっ、そんなことはないですよ」

「ぼーっとしていたが、何か考え事か?」

「うぅ、最近、タカシ様がお相手してくださらないなと……」

「そうか? うーむ、言われてみれば、確かにそうかもな」

「です」


 そういえば最近、夜の相手をしていないな。


「そうだったな。じゃあ、今夜あたりやるか?」

「っ!?」

「嫌なら別に良いが」

「そんな! 喜んで! 朝までお供しますです!」

「いや、朝までは勘弁してくれ」

「では、寝るまで!」

「分かったよ。じゃあ、寝るまでな。但し、アルメが寝たらな」

「分かりました! 寝かせます! ガツンと!」


 何だよガツンって……。アルメの大事な体に傷付けるなよ?

 それにしても、このビッチ。俺との子どもを欲しがっていたが、最近はその行為の方を楽しんでいる気がするな。

 俺としては嬉しいことではあるが。


 あぁ、ミリアやファラとチェンジさせて、マリーの体で強制的に色々な事を経験させるというのも面白いかもしれない。

 今度試してみよう。楽しみだな!


「よし、それじゃあサクサク進むぞ!」

「はいです!」


 約束したマリーには悪いが、ミリアやファラ達とのムフフな事を考えながら、先に進む。

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