表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/36

全滅


探索1日目


昨日モンスターの巣から脱出した俺たちは、一日休息を取り次の日から探索を始める事にした。

まずは水だ、水が無ければ俺たちは詰んでしまう。

4時間ほどの探索の末湧き水を見つけることができ、最悪の事態だけは回避することができた。

次にアシェリーの【マッパー】を頼りに迷宮をマッピングしていく、それで判った事はこの階層がいままでの3倍以上広いという事だった。


「しっかし、なんちゅう広さや、かなり入り組んどるし」


「ほんとだにゃー、これだけ広いとキャンプ地点だけを拠点にしてたら攻略できなさそうにゃ」


2人の言うとおりだ、これは少し危険を冒してでも探索範囲を広げるしかないな。


そうして1日目は水場の場所ととても広いという事しか判らなかった。




探索2日目


「くそっ!スズハ後ろに下がれ!ロラン一度こいつらを押し返すぞ!」


「おう任せんかいっスズハちゃんは一度下がって息整えとき!」


「すみません、お願いします」


【ドラゴンキャタピラーLv72】4匹と通路の途中でぶつかった。

丁度曲がり角に4匹転がっていて、発見が遅れてしまい回り道をする前に襲われてしまった。

俺は2匹のキャタピラー相手に白銀で奴らの口角を受け流し、体当たりを避ける!

ロランも1匹をミミカが1匹を全力で足止めしている。


『全てを炎で焼き尽くせ其れは始原の残り火』

【バーニングランス】


「2人とも下がって!」


一本の極太な炎のランスがキャタピラーめがけて突き刺さる!

ゴウッという炎の音とともにキャタピラー達が燃え上がる。


「スズハ、ロラン、止めを!」


俺、スズハ、ロランで弱ったキャタピラーに止めを刺す!


『ギュキィィィィィィィ』 ドサッ


Lv72のキャタピラー4匹をなんとか倒す、辛勝といったところか。

実際アシェリーの強力な攻撃魔法が無ければ1匹も倒せないだろう。

すでに3度目の戦闘をこなし俺のLvもすでに50になっていた、しかしここで問題が・・・他の4人のLvが50から上がらないのだ。


・・・才能・・・誰もの頭にもその言葉がよぎる・・・


「今は地上に帰ることだけを考えよう」


「うん・・・」


「そういうこっちゃな」


Lvもそうだが今はもっと深刻な状況にある、今の状態を脱出できなければ待っているのは死だ。


「師匠、右上の壁に丁度よさそうな段がありますよ」


スズハの指の指すほうを見る、確かによさそうな場所だ。


「よし、調べてモンスターが居なさそうならあそこでキャンプを張ろう」


俺たちはまだ生きている、こんなところで死んでたまるか!




探索3日目


今日4度目の戦闘を終わらす。

Lvはまだ誰も上がらないが、【ドラゴンキャタピラーLv72】なら6匹相手にしても勝てるようになっていた。

基本はどの階層のキャタピラーも変わらない。

ただここのキャタピラーの糸は絡まった上で空気摩擦で発火しだす。

俺もロランも2~3箇所キツイ火傷を負っていた。

あとはやたらと硬く力が強い、素早さも今までのキャタピラーに比べればかなり素早い。

さすがLv72という事か。


探査を開始してから今日で3日、アシェリーとミミカが体力的に限界が近いかもしれない。

おわりの見えない探索は精神をすり減らし、普段よりも多く体力を削る。


「【マッパー】」


「どうだ?階段はあったか?」


アシェリーは首を左右に振ってないことを伝える。

くそっ・・・このままじゃ誰かが倒れて動けなくなるぞ・・・


「階段は見つからなかったけど、ここから東の方向にかなり広い空間があるの」


「広い空間か・・・このままじゃ行き詰まる・・・よしっ、その場所に行ってみよう」


「判った、こっちにある、ついてきて」


アシェリーに案内されて30分ほど歩くと確かに広い空間に出た。

かなりの広さだ、それにモンスターの気配がない・・・どこかに隠れているのか?


「どうします師匠、奥にいきますか?」


「そうだな・・・その前にライトで奥のほうを照らしてくれるか?」


「うん【ライト】」


かなり光の強いライトがおくに飛んで行く、そしてそいつはいきなり現れた!


まるで染み出てくるように何もない空間から。


≪力を示せ神の子らよ、これより先は第一の門、力なき物は地上へと帰るがよい≫


其処には一頭の馬がいた。

馬といってもただの馬ではない、5mほどの大きさの金の鬣に赤い瞳、全身真っ白な体にところどころ金の刺青のような物が走っている。

地面に蹄がついておらず空中に浮いている、その姿はモンスターにしては神々しい。


「なんや・・・こいつは・・・」


「麒麟・・・」


≪力を示せ!子供たちよ!!≫


「っ来るぞ!!」


くそっここからじゃもう逃げれない、白銀を抜きつつ構える!


「スズハはアシェリーの護衛!ミミカは壁を出せ!アシェリー俺とロランのことは考えるな一番威力のある魔法を撃て!!」


「ジン!よけー!!」


ロランの警告!俺は左に跳び避ける!敵の速さは凄まじく掠っただけで吹き飛ばされる!


「っつあああああああ」


5m近く吹き飛ばされてそのまま地面をに叩きつけられる!


「ジン!」


「アシェリーはん!今は奴に集中や!!」


くそっ意識が飛びそうだ、俺は何とか立ち上がり敵を見据える。

ロランが俺と同じように吹き飛ばされ、ミミカの蔦の壁が崩れる!

アシェリーがタレントを使うそぶりを見せる、駄目だ!しかし他に方法が!


≪娘よ、その力は使ってはならない≫


奴がそういった時にはすでにアシェリーはその場に崩れ落ちていた!

スズハもミミカも奴になぎ倒される!

なっ・・・たった数秒で全滅・・・死ぬ?・・・誰が・・・ロランが、スズハが、ミミカが・・・アシェリーが死ぬ?


「うあああああああああああああああああああ!!」


技も何も無いただ無様に刀を振り回す、そんな物がこの怪物に通用するわけが無い。

俺は再度吹き飛ばされる、だが、ここで倒れてしまっては皆が、アシェリーが死んでしまう!

駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!


精神を集中させる、今できる最大の攻撃を!


松永神明流一の構え豪!


奴が来る、凄まじい圧力!

俺は刀を上段に構え全神経を一撃に篭める!

奴と交差する!


「ちえりゃあああああああああああああ!!」


振り下ろした一撃は奴にかすり傷一つ負わす事すら出来ず、吹き飛ばされた俺は意識を失う寸前奴の声が聞こえた。


≪弱き物よ、ここはお前達の居る場所ではない、地上に戻るがいい≫


其れを最後に、俺の意識は途絶えた・・・



ご感想お待ちしております>w<


お気に入り登録、評価有難うございます>w・ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ