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ウラバン!~SF好色一代男~  作者: 万卜人
伝説のガクラン
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逡巡

 しかし、格乃進のほうが加速状態での戦いには熟練している。空中で浮かび上がったまま、格乃進は前蹴りによって慣性がついた身体をくるりと回転させた。

 頭を下にした逆さまの態勢で拳を突き出し、世之介の胸に叩き込む。


 普通なら世之介の全身の骨という骨は一本残らずへし折れ、内臓破裂の衝撃で即死しているはずであった。


 格乃進の突きを受け止めた世之介は、手足を大きく広げた態勢で後方に吹き飛んだ。地面に横転して、ごろごろと転がっていく。


 格乃進は案じ顔をしている。自分の攻撃が、強すぎたかと懸念しているのだろう。


 世之介は身体の回転が止まると、むくりと起き上がった。素早く体勢を整え、身構える。

 歓喜に、世之介は吠えるように笑い声を上げる。格乃進の攻撃など、微塵も感じない!

 格乃進は、あんぐりと口を開け、叫んだ。


 ──信じられぬ! あれほどの衝撃を受け止め、しかも平気の平左とは!


 助三郎が声を掛ける。


 ──先ほどの攻撃を解析したところだ。驚くべきことに、あの学生服の生地は、お前の攻撃が当たった瞬間、硬化したぞ! おそらく、世之介さんのあの爆発的な力は、学生服が筋力を倍化させているに違いない。まさしく硬化装甲戦闘服プロテクト・アーマー・バトル・スーツと呼ぶべきだ。


 格乃進は唇を噛みしめた。

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