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少女

「あんたら、いったい何者だい!」


 甲高い、まだ少女と思われる声が響く。髪の毛は真っ赤に染め、前髪を垂らし、後頭部でぎゅっと縛って纏めている。

 後になって、世之介はその髪型が「ポニー・テール」と呼ぶのだと教えられた。


 少女の顔を見て世之介は思わず「あっ」と叫んでいた。超空間歪曲場で垣間見た、少女の顔であった。


 少女は、きりっとした眼差しで世之介を睨んだ。ポカンと口を開けてまじまじと見つめる世之介を、少女は訝しげに見つめ返す。


「なんだい……」


 ぴくりと眉が持ち上がる。

「ガンつけようってのかい?」


 さっと二輪車の支柱スタンドを立て、降りると大股で世之介に近づいた。両手を腰に当て、ぐっと下から見上げるように睨み付ける。


文句アヤつけようってのか? 面白い、やったろうじゃないか! タイマンはできるんだろうね?」

 世之介には少女の言葉が、一言半句も理解できない。一応は日本語であろうが、まるで外国語である。


 その場の状況を見て取り、さっと格乃進と助三郎が前へ出た。格乃進が落ち着いた口調で話し掛けた。


「まてまて、我らは宇宙から墜落したばかりで、ここの状況は、さっぱり判らぬ。知らぬ間に失礼をばしたら、許されよ」


「へえ?」


 少女は虚をつかれたように目を見開いた。くるりと背後の仲間を振り向くと、叫んだ。

「お前たち、こいつら、何を言っているのか判るけえ? 何だか、妙だよ」


 ざわざわとその場に立ち止まっている二輪車の仲間たちは顔を見合わせ、首を捻っている。皆、格乃進の言葉を理解できていない。

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