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破壊神と妹勇者  作者: 朝寝東風
第一章
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朝食後 前編

 朝食は無事に終わった。女性達の激しい攻勢を凌げたはず。昨日サリスと何事も無かったとあの手この手を使って説明したのだが、果たして信じてもらえただろうか? サリスの過去について余り語れないので、俺が泥をかぶるしか無い。


 朝食が終わったので早速ミーティングを始めた。内容はこれからの活動だ。


 蛮族以外のただ飯食らいを養う気は無い。蛮族は何処かの外交カードが間違って俺に押し付けられた状態だ。何か変な事して後でにらまれたくは無い。


 俺、アルフレッド、朝食を一緒にした3人、ポルル、錬金術士の7人で話した。ポルルは俺の腕に抱きついている。引き剥がすわけにもいかないので、そのままにしておく。


「勇者が残した書物から石鹸に関する部分の写本と俺が追加した注釈だ」


 俺は一枚の紙切れを出す。まずは石鹸からだ。リンスとシャンプーは石鹸が完成次第、順次に生産を試みる。


「こんな石鹸があるんですか! あぁ! ここの部分は《錬金術》で代用出来そうです。そうなると、必要な機材は……」


 錬金術士が自分の世界に入る。


 美容に関係することなら当然メイリーズが口を挟む。


「帝国では風呂文化がありませんでしたが、公国の風呂文化は実に素晴らしいです。昨晩使った石鹸も中々と思いましたが、これはそれを超える高級品ですか?」


「材料からしてそうなります」


 アルフレッドが答える。


「これは石鹸による肌荒れや使用後のネチャっとした感覚がほとんど無い……らしい」


 俺は使った事が無い設定なので、必至にあわせる。それに異世界の材料で作った場合どうなるのか不明だ。


「これは早速試さないといけません」


「そうですね!」


 メイリーズとミルファが気合を入れる。


 俺は溜息が出そうになる。


「仕方あるまい、ご主人様。女性は皆美容に真剣なのです。私も興味深々です」


 どうやらエルフも高級石鹸の虜になるみたいだ。


「風呂、嫌」


「ポルルはとにかく一回入れ」


「主様、一緒?」


 一瞬の沈黙。部屋中が静かになる。


「分かった。一緒に入ってやる!」


 仕方ない。ポルルに風呂に入る正しい手順を教えねば! これは正しい行いなのだ。それに昔は妹を風呂に入れていたのだ。それとそう大差無い。


「私も興味が……」


「大人は却下」


「そんな!」


 メイリーズと一緒に入ったら、もはや色々取り繕えなくなる。なんとか全力で回避しなければ!


「ではご主人様、私は必要な物のリストを纏めてきます」


 錬金術士が逃げの一手を選択する。


「分かった。リストはアルフレッドに渡せ。アルフレッドは出来るだけ物を早く揃えてくれ」


「畏まりました」


 錬金術士が退出した後、メイリーズが口を開く。


「この石鹸、どう売り出す予定ですの?」


「高い値段で取引されるだろう。そうなると貴族専用に一定数生産が現実的だと思う」


「分かりました。お茶会ではその路線で話を進めます」


「頼む。アルフレッド、会社などはどうするか分かるか?」


「貴族用なら既存の商会を買うか、フィネガン様に相談するのが良いでしょう」


「なるほど。サンプルが完成したらフィネガンに話を持って行こう」


「よろしいのですか?」


 メイリーズが不思議そうに聞く。独自に商会を建てたり購入したりする方が利益は上だ。貴族的にも専属のお抱え商会を持つのが普通だ。家を継げない次男以降を送り込む避難所としても機能する。


「これは既存製品で、真似しやすい。それならこの石鹸はコネと手筈のための捨石にした方が長期的にメリットがある」


 石鹸は有り触れている。シャンプーは石鹸で代用している所が多い。リンスは誰も使っていない。金を儲けるなら後ろの2品だ。


「では、もっとあるのですね」


「もちろん」


「それを聞いて安心しました」


 石鹸談義が一段落したので、他に相談すべき事を考える。


 ミルファの歌、ポルル達の教育、お茶会の順序と俺の出席の有無。


「ミルファには先生をつけてみようと考える」


「えっ!? 先生ですか?」


 ミルファが驚く。


「独学で素晴らしい声を持つと聞いたが、専門的なレッスンは受けた事はあるのか?」


「ありません」


「レッスンを受けると歌のみならず、体の動かし方や人前で歌う時の心構えを教えて貰えるだろう」


 ミルファは興味ある顔をしている。


「良い考えです。ミルファ嬢はたまに高音をミスしますので、そこが改善されれば人前に出せましょう」


 アルフレッドが同意する。


「えぇ! そうだったんですか?」


「いつも同じ所でミスをしていたのはミルファだったのね。声が綺麗なのに惜しいと思っていたのよ」


 驚くミルファに思い当たる節があるメイリーズ。


「先生は何処で探すか」


 観光案内に頼むか? あそこは人脈が広いはず。しかし、余り近付きすぎるのも危険か?


「私にお任せください。私の所属している家宰ギルド経由で探せます」


「頼む。ミルファも先生と相性が悪ければ言ってくれ。良い先生に出会えるかは運が絡むし問題だ」


「分かりました!」


 ミルファはとにかくやる気みたいだ。彼女については当面はこれで大丈夫だろう。

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