表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Artificial Magi  作者: 津賀
第3章 第一学園編 前編
33/34

幕間 カムイのできる事、できない事

前話から間が開いてしまいました。

今回は短めです。


誤字脱字等ありましたら連絡していただけると喜びます。

ある日の放課後、用事が特になかったイヨとカムイは二人で『止まり木』で課題を消化していた。

「あー、もうー。なんで課題なんてあるかなー!」

「ほら、ぶつくさ言ってないでさくっとやっちまおう」

「うぃー」

既にやる気が全くないイヨを諭しつつ課題をするために教科書とシャープペンを取り出す。

そこに、注文を取りにティナがきた。

「ご注文はお決まりですか?」

「僕はアイスコーヒーで」

「あたしはレモンティー」

「はい、アイスコーヒーとレモンティーですね。ちょっと待ってて下さい」

注文を受けたティナは厨房へと向かった。


と思ったらすぐに僕達の居るテーブルにアイスコーヒーとレモンティーを持って来た。

「こちら、アイスコーヒーとレモンティーです」

「お、ありがとう。早いね」

「今はお客さんもほとんど居ないですからね。ささっとやっちゃいました」

ティナの言葉で周囲を見る。

確かに、あそこの席で読書しているおばあさんしか居ないや。

「じゃあ、課題頑張ってください」

「うん、ありがとうね」

「では用があったら呼んでくださいね」

そう言うとティナは奥に引っ込んだ。

「さて、じゃあ課題を片づけますか」


今日出された課題は魔法学だ

(これは・・・あぁ、【射出】の刻印か)

問題はプリントに印刷された刻印の名称を答えるものだ。

僕は迷うことなくサクッと課題を進めていく。

「あのー、カムイさん・・・教えていただきたいところが・・・」

前から控えめなイヨの声が聞こえる。

「ん?なんだ?」

「この刻印なんでしたっけー・・・」

「これは【増幅】の刻印だな」

「おおおお!ありがとー!」

実はこのやりとり、既に何度か行われている。

最初はカムイくんもわからないよねーと同意を求める感じだったのだが、僕が簡単じゃね?って雰囲気を出してしまったがために、このように質問されることが多くなった。

質問するときのイヨのテンションはおかしい感じなのだが、何度か質問されているうちに慣れてしまった。

こんなやり取りがしばらく続いて、僕たちは無事宿題を終えることができた。

「いやー、おわったおわった!」

「待て、ほとんど僕一人でやってたような気がするぞ!?」

「助かったよっ!ありがとねっ!」

イヨのテンションがかなり上がっている。

「お礼にそのコーヒーおごるね!」

「お、マジか。じゃあその言葉に甘えるとするか」

「ホント、すっごい助けられちゃったからね!」

うん、まぁ、こういうのも悪くないな。


「それにしてもさ」

お、どうやら高まっていたテンションが落ち着いたようだ。

「ん?」

「カムイくんってなんでもできるよねー。魔法学だって私のほうが勉強してるはずなのになぁ」

「勉強のことか?なんか目が覚めてからやたら物覚えが良くなってな」

「えー・・・なにそれ羨ましい・・・」

イヨがじとーっとこちらを見つめてくるが、僕にも良く理由がわからないため何も返答することが出来ない。

「それに、魔力も信じられないくらい多いし」

「まぁ、それは全身が魔化細胞だしなぁ」

そう答えるとイヨは不公平だーと言いながら机の上にぐでーとしてしまった。

「でも、僕だって万能ってわけじゃないんだぞ?」

「えー、うっそだー」

信じないよって目でこっちを見ないで・・・


「うーん、じゃあ今からわたしが聞くことができそうか答えてみて?」

「おう、いいぞ」

「じゃあねー・・・上級魔術を複合で発動できる?」

「あぁ、それはできる。もう既にいくつか作った魔術もあるぞ」

雷属性魔術・水属性魔術・土属性魔術の複合で水を水素と酸素に分解して、最後に火属性の【エクスプロージョン】で周囲に連鎖爆破起こす魔術とか。

いや、あれは一度やっただけだけどやばかった。

「・・・じゃあ次!透明人間になれる?」

「うーん・・・多分出来ると思う」

光属性魔術使えばなんとかなる・・・かも?

「【魔力付加】を使わずに1mくらいの岩を切れる?剣は折れないっていう前提で」

「ハンマーだったら砕くことはできると思うけど・・・【魔力付加】無しで切るのは無理かなぁ」

僕が無理と答えた瞬間イヨの顔が輝いた。なんつー奴だ。

「じゃあ、銃弾は躱せる?」

「できるぞ」

僕が即答したら、イヨがまたえーって感じに戻ってしまった。

銃弾の回避くらいだったら【知覚加速】を使えば普通にできると思う。

「気を取り直して、相手の魔術って吸収できる?」

「お、その考え面白いな。多分出来ると思うぞ」

イヨから良いアイデアを貰った僕は早速脳内メモに書き残しておく。


「過去に行くことって出来る?」

急にイヨが真面目な顔をして質問してきた。

「それは無理だなぁ・・・親殺しのパラドックスが起こるのか、自分が他の並行世界に行くのか、それともちゃんとこの時間軸に残れるのか全く想像もできないし」

僕の答えにイヨは真面目な顔を崩し、ふにゃーとする。

「やっぱり、これはダメかぁ」

「でも、未来へはいけるかもしれない」

「え?」

僕の答えが予想外だったのか、イヨが顔を上げる。

「僕の使ってる【空間】を応用して、【時不変空間】を作れればね」

現時点ではぼんやりとしたイメージしか無いため、【時不変空間】は作れてない。

おそらく時間の概念が掴めないのが原因だろう。

「でも一方通行で未来に行ってもねー・・・」

「そりゃごもっとも」


「じゃあ、これが最後。死んだ人を生き返らせることってできる?」

イヨの質問に対して僕はしばらく考えこんでしまった。

僕が長考の末出した結論は

「条件付きで出来るかもしれない」

僕の返答を聞いたイヨが驚きで目を見開いている。

「脳にダメージがなくて、老衰じゃない・・・そうだな、例えば胃がんとかで亡くなった方だと何とか蘇生できるかもしれない」

ふむふむとイヨは僕の説明に相槌をうっている。

「ただ、亡くなってから数分で僕が到着しないと、脳が受けたダメージを回復できなくて蘇生できないかも」

「え、それってものすごく条件厳しくない?」

「うん。これ以上になると脳のネットワークをごっそり作り変えることになるから・・・」

「・・・もしかしてホムンクルスを作れたのって、カムイくんの魔術で1から脳のネットワークが組めたから?」

イヨめ、本気で考えたらかなり頭いいんじゃないか?

「よくわかったな。今生きている人の脳を維持させた蘇生って【解析】を持ってない限り無理だよ」

「なるほどねぇ」

どうやら納得してくれたようだ。

「うん、カムイくんにも出来ないことがあるなんて、なんか安心したよ」

「最初っから言ってるだろうに」


僕とイヨはその後しばらく『止まり木』でだべってから家に帰った。


カムイだって万能じゃないんですよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ