武術大会 - 3 -
誤字脱字等ありましたら連絡していただけると喜びます
今回ちょっと短めです
7/17 細かい修正を入れました
次の日は午後からが試合だったため、午前中は各自過ごすことにする。
僕は午前中のほとんどの時間を新しい魔術の開発に使っていた。
ユウナは庭で剣を振っていて、アリアンは【空間】で身体を動かてトレーニングをしていたそうだ。
早めに昼食を食べ、家をでることにする。
途中でイヨと合流して、学園へ向かう。
--------------------------------------------------------
闘技場に到着した僕たちはとりあえず席を確保するべく観客席へと向かう。
中々いい席を確保できた僕たちは、ヒロシとも合流して準備を促すアナウンスがあるまで観客席で過ごすことにする。
今日は第二回戦だったな。
僕はアリアンと戦うことになるから気を引き締めて行かないと。
とりあえずラージハウンドと戦った時に確認した実力は当てにならないだろうな。
あれから結構時間たってるし。
となると、固有魔術に気をつけながら極力接近させないように戦うのが一番いいかな。
などと考えていたところで
『第二回戦の第一試合を30分後に開始します。選手の方は控え室にて準備をお願いします』
というアナウンスがあった。
「頑張ってねー、どっちも応援してるよっ!」「お二人とも怪我には気をつけて」「いってこいやー」
と皆に言われつつ僕とアリアンは控え室へと向かう。
控え室に向かう途中
「アリアン」
「はい、主」
「手加減はするなよ?」
「もちろんです。主こそ、リミッターの範囲内ですが全力を出してくださいね」
「当たり前だ。全力で行く」
とお互いに全身全霊を掛けることを約束した。
-------------------------------------------------
『ただいまより第二回戦の第一試合を開始します!』
アナウンスと同時に歓声が大きく響く。
『それでは、カムイ=カミシロ選手とアリアン=カミシロ選手の入場です!』
2回戦からは呼ばれたら出ていく感じになるのか。
僕とアリアンが並んで出ていくと、先ほどの歓声が更に大きくなったように感じる。
舞台の上に立ち、審判の方に準備をするように促される。
僕とアリアンが所定の位置についたのを確認したところで
『第一試合・・・始めっ!』
とアナウンスがあり、僕とアリアンの戦いが始まった。
試合開始と同時に僕はアリアンに【身体強化】を使わせる暇もなく瞬時に【魔弾】を展開・射出する。
その様子を見たアリアンは【魔弾】を回避するべく瞬時に地に伏せる。
地に伏せた瞬間にアリアンは【身体強化】を使い、己の身体能力をブーストする。
カムイも【魔弾】を放った瞬間に【身体強化】を使い、移動を開始する。
続けてカムイは【魔弾】・【炎弾】・【雷弾】を放ち、アリアンを牽制する。
複数の属性を使うことでアリアンが先の戦いで見せた【魔弾】を叩き落す技を封じ込める。
アリアンはカムイから放たれるバレット系魔術の数々を回避しながら間合いを徐々に詰めていく。
が、しかし視認しにくい【魔弾】の1発がアリアンを直撃する。
その瞬間アリアンは怯み、その足を止める。
(今だっ!)
アリアンがよろめいた瞬間、カムイは彼女に向けて中級魔術【炎剣】を発動して試合を決めに行く。
アリアンに命中するかと思われたそれは、当たる直前に爆散する。
(中級以上の魔術は当たる直前に闘技場に消されるはず。ということは、防がれたか!)
カムイが思い至った瞬間、悪寒を感じ、即座に防御魔術を展開する。
防御魔術が発動ずるのと同時に、凄まじい光が現れて防御魔術から『キィィィィン』という音が響く。
(なっ!?上級防御魔術が壊れた!?)
そう、光が視えた瞬間カムイが発動したはずの【グランウォール】は消えてしまっていた。
(そうか、【極光】か!)
カムイはアリアンの持つ固有魔術を思い出し、同時に追撃を防ぐためにもう一度【グランウォール】を張る。
そして、【炎剣】を放った場所に目をやると、そこには全身から光を放つアリアンがいた。
(惜しかった)
アリアンが【魔弾】を受けたのはわざだった。
カムイが多数のバレット系魔術を放ってきたので、即興で魔弾を受けて決めの魔術を防ぎ、カウンターをするという作戦を立てた。
見事カウンターをするところまではうまくいったのだが、カムイの反応があそこまでいいとは想定していなかった。
だが、アリアンの口元には笑が浮かんでいた。
(それでこそ、主。さぁ、愉しみましょう)
若干戦闘狂な気があるアリアンであった。
(アリアンめ・・・やるな)
カムイはあの【炎剣】で勝負を決めれたと考えていた。
だが、アリアンの予想外のカウンターにあい、上級防御魔術である【グランウォール】を2回も使ってしまった。
アリアンの【極光】はラージベア戦以降見ていなかったので、あんな感じで使ってくるというのを想定していなかったのだ。
予想外の魔力消費にカムイは戦術の組み換えを余儀なくされる。
魔弾系魔術の連射と合わせると、すでに500近いオドを消費してしまっているのだ。
(これは、もうちょっと節約しないとすぐに魔力が切れちまうかもしれない)
カムイは戦術を魔術主体から剣術主体にすることに決める。
正直近接戦闘では勝ち目があるか怪しいが、魔力が(比較的)少なく【硬化】も全力で使えない今、ロングレンジで【極光】に狙われるとなるとまだニアレンジのほうが可能性がある。
その時、カムイはあることに気づく。
(そういえば、あの魔術はまだアリアンには見せてなかったな。なら近接戦闘で行くか)
決心したカムイは剣を持ち直す。
勝負位を再開したカムイは牽制の【魔弾】を撃ちながら高速でアリアンへと向かう。
(接近戦というわけですね!)
カムイの意図を察知したアリアンは体勢を崩すことなく【魔弾】を回避する。
そして、カムイはアリアンが己の間合いに入るか入らないかのところである魔術を使う。
「【フィジカルバースト(身体強化LV2)】」
その瞬間、アリアンの予想を上回る勢いでカムイは斬撃を放つ。
「っ!?」
斬撃をアリアンはかろうじて回避する。
カムイは剣術についてはほぼ素人であるため、最適とは言いがたい動作で木剣を振ってしまった。
そのため、速度的には完全に追いついていなくてもアリアンは辛うじて躱すことができた。
(ッチ、さすがにヒロシと同じ手だと食らわないか)
少々残念に思いながらもカムイは追撃を開始する。
技術は剣を握れる程度、だが圧倒的なスピードで繰り出される斬撃をアリアンはただ躱すことしか出来なかった。
最初は隙をついて攻撃を仕掛けるつもりだったアリアンだが、目で追えるかどうかすら怪しい斬撃を前にし、回避に専念しないと敗北すると悟る。
だがそれでもアリアンはかならず来るであろう一瞬の隙を見逃さぬよう意識を極限まで集中する。
-そして、機は来る
カムイが大ぶりに木剣を横に薙いだ瞬間、アリアンは正面に踏み込んで拳を振るう。
決まった、とアリアンは思った。
だが、拳がカムイを捉えることはなかった。
カムイは拳が振るわれた瞬間にバックステップすることでアリアンとの距離を瞬時に取った。
(【知覚加速】・・・!)
アリアンはあのチート魔術の存在をこの時思い出す。
しかし、拳を出した体勢で硬直してしまっていたアリアンにはカムイがニヤリと笑いその手から放った【炎剣】を回避する術はなかった。
今度こそ、【炎剣】はアリアンにかき消されることなく闘技場の結界によりかき消された。
これの意味するところはつまり
『勝者、カムイ=カミシロ選手!』
勝者が告げられると会場からは割れんばかりの歓声が上がる。
カムイとアリアンは二人揃って会場を後にする。
観客席へと戻る道中でアリアンが先の戦いについて聞いてきた。
「主、あの異常な速度は何だったんですか?」
「あぁ、あれは【身体強化】を改良した魔術を使ったんだよ」
「【身体強化】を、ですか?」
「あぁ、【身体強化】だと大雑把に魔力を行き渡らせるイメージで使うと思うんだけど、【フィジカルバースト】は筋肉の繊維単位で魔力を行き渡らせるイメージで使うんだ」
「・・・魔力を非常に消費しそうですね」
「消費量は200くらいかな?実戦だと危険かもしれないけどこういう場ではアリアンにも使えるんじゃないか?」
「200ほどでしたら、確かに」
「でもこの魔術の効力はあんまり長くないから最初は普通に【身体強化】するのをおすすめする」
「万能というわけではないのですね」
まぁ、魔力500ほど使えば長時間発動もできるんだけどね。
一発でアリアンの魔力を持って行くから話さないことにする。
アリアンに魔術の解説をしたところで皆の待つ観客席へと到着した。
皆から「おつかれさま。いい試合だったね」と声をかけられ、アリアンと二人で照れながらありがとうと言った。
僕たちは今日の試合はもうないため、皆の応援に集中することにした。
-------------------------------------------------
イヨ・ユウナ・ヒロシは勝ち抜くことができた。
イヨは魔術の掃射で、ユウナはあの剣技で、ヒロシは達人クラスの拳術でそれぞれ相手を打ち倒した。
2回戦の結果、準決勝の対戦カードは
僕 対 イヨ
ユウナ 対 ヒロシ
となった。見事に身内で固まったなぁ。
僕の相手はイヨだ。魔術を発動する速さとかはまだ勝てないからなんとか接近戦に持ち込もうかな。
2回戦が終わったところで今日の試合は終わりだ。
皆家路につき、明日に備えることにした。
最近更に忙しさがましてきてるのでいろいろ停滞気味です




