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Artificial Magi  作者: 津賀
第3章 第一学園編 前編
21/34

学園編入試験

誤字脱字等ありましたら連絡していただけると喜びます

6/16 補足説明を追加しました

11/11 指摘のあった誤字を修正しました。ありがとうございます

翌日から僕は一旦訓練を中止(ヤマトさんとのは除く)し、学園の編入試験に備えることにする。イヨに魔術学以外で2年生までの教科書を借り、復習を兼ねてしっかり内容の確認をすることにする。

「あー、懐かしいな。この内容・・・」

数学・物理・化学などのいわゆる理系科目はほとんど内容に変化はなかった。

というかむしろ中身が減っていた。

歴史は世界史と日本史が広く浅く、という内容になっておりほとんど覚え直す必要がなかった。言語は古語(日本語)半分、共通言語半分といった内容だった。日本語に関しては全く問題なかったが、共通言語で「著者の意図」を汲み取ることになろうとは・・・

問題は魔術学だ、ユウナから概要は聞いていたものの細かいところは改めて覚え直す必要があった。

とはいえ、なぜか覚えようと思ったことはすんなり覚えることができたため、時間はかかったが何とかなった。


ちなみに僕が入ろうとしているのはトウキョウ第一学園で、ここでは主に実践的な戦術を教えてくれる。そして第一学園で学んだ者たちに優秀な冒険者となって、魔獣に対抗できる戦力を得るということが目的にあるようだ。編入者は成績によってクラス分けがされるとのことだ。

第一学園以外では第二学園と第三学園がある。第二学園では武器・防具・服などの製作を行う職人の育成が主となっており、第三学園では魔獣や魔術の研究者を排出することが目的となっている。それぞれの学園は頻繁に交流があり、比較的近くにあるため大きな学校に色々学科があるような雰囲気もある。共通で使える食堂とかもあるしね。


僕が勉強している間、アリアンには冒険者のランクを上げてもらっている。

これは色々なことを経験してもらいたい、というのとランクに差があるとパーティーを組めず、一緒にミッションを達成することができないといった理由からだ。一応危険な状況になったら魔力のつながりを通して僕に連絡が来るようになっている。主従契約に含まれている機能で、アリアンの居る位置にピンポイントで【個人空間】を発動することでアリアンを脱出させる算段だ。

んで、僕が試験をうける日までにCランクまで上げることができていた。EランクからDを飛ばしてCランクになったらしい。ラージベアーを単独で討伐できることをマスターに知らせといたからそれが原因かな?


------------------------------------------------


そして編入試験の日、いつもより早く目が覚めた僕はちょっとだけ復習をする。

いい匂いが漂ってきたところでご飯を食べるために居間へ降りる。今日は試験の日ということでヤマトさんとの訓練は無しだ。

ご飯を食べ終わり、準備を整えて学園へと向かう。

ユウナが学園までついてきてくれている。

「そういえばお兄様、本日の編入試験での実技試験ですが」

「なんだい?」

「もしかしたら冒険者の方がいらっしゃるかもしれません。Aランク以上のクエストに学園の試験官というのがありましたので」

「うえ、マジか・・・」

「3年での編入ということでできるだけ強い方と当ててみてどれくらい戦えるかというのを見ているかもしれません。」

「ふーむ・・・」

深読みするなら、ある程度戦ってみて確実に勝てないとわかったら逃げるという判断を取れるかという試験なのかもしれない。

「お兄様」

「ん?」

「手加減はしてくださいね」

「魔力を1000とか使う魔術は使わない予定だよ」

いろいろ心配しつつ歩いているうちに学園に到着した。

まずは筆記試験を受けるため、指定された教室に行くことにする。

教室の位置はユウナが知っていたため、案内してもらう。

教室に到着し、入ろうとしたところで。

「ご武運を」

後ろからエールを貰ったので片手を上げて応える。


教室に入って10分ほど待っていたら、試験監督らしき人が入ってきた。

「あなたがカムイ=カミシロさんですか?」

「はい、こちらが受験票になります」

「確かに、確認しました。それではこれより編入試験を開始します」

試験監督が問題用紙と解答用紙を配ってくれる。まずは数学からだ

「試験時間は50分です。それでは・・・始め!」

(お、これくらいならすぐに出来そうだ。計算間違いに気をつけて確実に解いていこう)

数学はちょっとわからないところもあったが、概ね解くことができた。

続いて化学・物理の試験を受け、お昼休憩の後、言語・歴史・魔術学の試験を受ける。

すべての教科でそれなりにできた、気がする。


「お疲れ様でした。これで筆記試験は終了です。続きまして実技試験に入りますのでグラウンドへ移動してもらいます。私についてきてください」

試験監督に付いてグラウンドへ移動する。

実技試験は魔術と戦闘がある。魔術の実技試験は弱い対魔術の掛けられたカカシを壊せるかという内容で、戦闘の実技試験は実際に戦ってもらって実戦の中での動きを見るという内容だ。戦闘試験での勝敗は得点には関係ないとのこと。

最初は魔術の実技試験だ。

「それでは魔術の試験について説明します」

中級魔術以下の魔術はレジストするような対魔術が掛けられているとのこと。これをどんな魔術を使ってもいいので一発で破壊できたらいいとのこと。

(上級魔術一撃入れたら終わりか)

そう思った僕は早速魔術を発動する。

「雷よ、集まれ・・・【サンダーストーム:コンプレス】!」

雷属性の上級範囲魔術である【サンダーストーム】をカカシの領域に圧縮して放つ。

上空から暫くの間、絶え間ない雷がカカシを覆い尽くす。周囲に激しい光を振りまいているが、僕は光属性の【ダイヤフラム】を使い、目に届く光の量を制限しているため全く眩しく感じない。

雷が治まるとカカシは地面に影を残して燃え尽きてしまっていた。

ここまでやれば大丈夫だろう。

「で、では次は戦闘試験です。あちらで行いますので着いてきてください」

お、試験監督さんが動揺してる。・・・やりすぎたか?


戦闘の実技試験の実施場所に着くと、10mくらい先にでっかい人がいるのが見える。

「それでは戦闘の試験について説明します」

内容はシンプルで、あのでっかい人と戦えとのことだ。ちなみに確実に勝てないと思った場合、降参するということもできるらしい。

相手になってくれる方に挨拶をしにいく。

「よろしくお願いしま・・・す!?」

振り返ったでっかい人はなんと、サトシさんだった。驚愕のあまり声が裏返ってしまった。

「おう、こっちこそよろしく。前から一度戦ってみたいと思ってたんだ。頼むから手加減はしてくれよ?」

「1000とか魔力を込める魔術は使わないつもりですが・・・それにしてもなんでここに?」

「あぁ、学園編入試験で戦闘実技試験の試験官を募集しているクエストがあってな。お前が受験者じゃないかと思って受けたんだ」

「ユウナの言ってたことが当たった・・・」

「グダグダ喋っててもしょうがねぇ。早速戦るぞ、一応開始位置は決まってるみてぇだから準備しろ」

「わかりました」

まさかサトシさんが相手とは・・・これは気を引き締めて行かないといけないな。なにせ相手は経験豊富なA級冒険者だ。

色々ある木製の武器の中から木剣を選択し、所定の位置で準備をする。

【身体強化】系の魔術は事前に使うことが許可されていたため、とりあえず【身体強化】を掛ける。

「それでは・・・始めっ!」


試験監督が合図をした次の瞬間、カムイはサトシとの距離を最短で詰める。

一方のサトシはすぐさま盾を構え、カムイを迎撃する体制を取っている。

(正面からは攻撃が通らない、ならっ!)

剣が届く一歩手前の間合いで、カムイは進行方向を変えてサトシの側面に回りこみ、木剣を振り下ろす。

しかし、サトシもカムイの進行方向に合わせて体を回転しており、正確に盾で木剣を受け流そうとする。ところが、予想以上に木剣に込められている力が強く、完璧に受け流すことが出来なかったため双方ともに一瞬よろめいてしまう。

カムイはサトシの追撃を避けるため足に力を込めて間合いから離脱する。

(さすがサトシさん。あれくらいの速度だとついてこられちゃうか・・・)

(っつつ、いってぇどんな力込めてんだ。受け流せない攻撃とか久しぶりだな)

お互い心のなかで相手を賞賛し、次の一手を考える。

(一度【ウィンドアシスト】も掛けて仕掛けてみるか・・・?いや、まだサトシさんには余裕がありそうだ、となると・・・)

(次はどう来る?こちらはカウンター狙い、カムイもそれはわかってるはず。しかも実戦経験は豊富とはいえない相手だ。となるとあれしかねぇか)

次の手を考えるのに使った時間は一瞬。

次の瞬間にお互いが動き始める。

「加減が難しいけど、【エクスプロージョン】!」

「【堅牢陣】!」

互いの魔術がぶつかり合い、爆音を響かせながらグランドをえぐり、土埃があたりを覆う。

(今が好機、一気に背後に回って決着をつける!)

(チィ!これはマズったぞ、堅牢陣を張ってるから並の攻撃じゃ通らねぇがアイツの攻撃は別だ、対処を間違えたら一発で負けちまう)

カムイはサトシの背後に回るべく、【ウィンドアシスト】を使いながら大きくジャンプしてたったの一足でサトシの背後に回りこむ。

着地する前からカムイは体勢を整えて上空から切り下ろすような攻撃を仕掛ける。

(これで取った!)

そうカムイは思ったが、木剣を振り下ろした瞬間に金属を叩いたかのような衝撃が伝わってくる。

驚いたカムイが前を向くと、そこにはサトシの構えた大きな盾があった。

(なんとか予想があたったか。これであえてまっすぐ来られてたら終わってたな)

サトシはカムイの立てた大きく踏み出すような足音を聞き、自分を飛び越えて背後に回ろうとしているんじゃないかという予想を立てていた。

そしてその予想が的中したため、カムイの木剣は弾かれてしまったのだ。


「今ので勝てたと思いましたが・・・流石ですね」

「舐めるなよ?こっちにはお前にはない経験ってもんがあるんだよ」

互いに距離を少しとったところで様子をうかがっている。

カムイはそうしていても埒が明かないと思ったのか、【魔弾】を連続でサトシに向かって放ちつつ間合いを詰める。

サトシは【魔弾】を処理しつつも木剣を弾いた瞬間のカウンターを虎視眈々と狙っている。

(【魔弾:ディレイ『0.2秒後にここから5発射出』】、盾を正面に固定させて横からの一撃を入れてやる!)

(【バレット】1撃が重てぇ、カムイめ盾をこの方向に固定させるつもりか)

初手と同様にサトシに向かって走っていたカムイが突如方向を変える。

「もらいます!」

「っらぁ!!」

カムイが剣を振るよりもわずかに早く、サトシが正面に盾を固定しつつ右手の剣を振り下ろしてきた。そのタイミングは絶妙で、見事なカウンターとなりカムイに襲いかかる。

(まずい・・・!)

そうカムイが思った時、反射的にある魔術を発動する。

「【知覚加速】!」

その瞬間、カムイにとって全てがスローとなる。

【知覚加速】では脳の中の電気信号だけでなく筋肉への電気信号も高速になるため、外から見るとカムイが一瞬で加速したかのように見える。

加速した世界で、カムイはサトシの木剣を回避して背後から木剣を突きつける。

【知覚加速】を解くとサトシは何が起こったのかわからないような顔をしていた。


「し、勝者、カムイ=カミシロ!」

またも呆然としていた試験監督が勝者の名を告げる。


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試験が全て終わった僕は教室に荷物を取りに行ったらもう帰っても良い、ということになった。サトシさんはクエスト報告で冒険者ギルドに向かうということで途中まで一緒に帰る。

道中で、先ほどの戦いで最後に使った魔術について聞かれたため、カラクリを説明したら。

「おめぇ、それ反則じゃねぇのか?」

なんて言われたので、

「消費魔力は800くらいです」

とキリッっと返しておいた。一応1000未満だから問題なし。

ちなみに【知覚加速】は1秒で800もの魔力を消費する。先ほどの戦いでは1秒間発動していたため、消費魔力は合計800というわけだ。魔力をバカ食いするためあまり実戦的でなかったりする。


サトシさんと別れて家に帰る。

家に入るとユウナとアリアンが迎えてくれる。

「ただいま」

「おかえりなさいませ」

「おかえりなさい、主」

挨拶の後、ユウナに試験について聞かれたため、多分大丈夫だろうと答えておいた。

実技試験ではサトシさんと戦ったことを伝えると

「よりにもよってサトシさんが相手だったのですか・・・」

などという反応をされた。ユウナによるとサトシさんに1対1で勝てる冒険者なんてほとんどいませんよ、とのこと

「私も一度戦ってみたいものです」

アリアンが何やら物騒なことを言っているが気にしないでおこう。


その後はいつも通りご飯を食べて、お風呂に入る。

今日は疲れたため、アリアンと共にそのまま部屋へ向かう。

アリアンに魔力を与えたところで寝ようということになった。

「主、本日はお疲れ様でした」

「あぁ、アリアンも出迎えてくれてありがとう」

「それではおやすみなさい」

「おやすみ」

アリアンを【個人空間】へ送り、僕もベッドに入る。

合否は明後日に来るらしいのでドキドキだ。


受かってたらいいなーと思いつつ僕の意識は落ちていった。


3章開始です

知覚加速についての補足を追加しました。

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